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不登校児童数が過去最多?!可視化してみた。

 息子の小1プロブレムを経験し、小4になった現在も、日々「学校いきたくない」のつぶやきと向き合っています。
 先日、「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」を使って自分のモヤモヤを分析してみましたが、せっかくなので最新調査結果もTableauで可視化してみました。

令和3年度の調査結果

 文部科学省が毎年行っている調査、「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」の中に不登校児童生徒に関係するデータがあります。
 令和3年度の調査結果は10月27日に公表されました。
 中学生も含めた不登校児童生徒数は9年連続で増加し、過去最多になったとニュース等でも話題になっていました。

児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査

文部科学省

不登校児童数推移    小1は10年前の4.78倍の4,534人

 調査結果に91年からの不登校児童数があったので前回同様、在籍児童数とあわせてグラフにしました。
 また、10年から21年については、学年別の人数も各年度の調査結果から集めてグラフにしました。どの学年も17年度から変化の兆候が見え始めています。この辺り、何かありましたっけ???
 21年度の小1は10年前の4.78倍の4,534人。小6は10年前の3.36倍の25,004人です。

学年別 不登校児童数の推移 2010年度~2021年度

 さらにこのデータを入学年度別に集計しなおして、卒業時にどの程度増加したのかがわかるようなグラフにしてみました。


入学年度別 不登校児童数の推移 2010年度~2021年度

 小1の点は21年度に入学した一年生を表します。2018年度以降は小1のスタート時点から年を追うごとに増えているのがわかります。今後、学年があがるにつれ増えていく状況を考えると5年後はどうなってしまうのか・・・
 ちなみにTableauではデータ分析として予測値を出すこともできます。このグラフでやってみたらすごいことになりました。あまりに大きな数字になってしまい、正しくデータを設定して実行できたか自信がないため、Publicへのアップロードでは削除しました。データ分析の修行、もっと積まないといけないですね・・・まだまだな私です。

不登校の要因

 不登校の要因という調査結果があったので、シンプルに棒グラフにしてみました。データでは63%が本人の状況が要因になっていて、さらにその理由の80%が「無気力、不安」でした。
 この調査、回答しているのが学校なのだとしたら、本当のところはわからないよなぁと感じたポイントです。
 息子のケースを考えると確かに「無気力、不安」と回答されていそうですし、それ以外の選択肢も該当するものがないのです。
 「無気力、不安」かぁ、となんだかモヤモヤしました。

相談・指導実績

 実際に不登校になった際、どこに相談しに行ったか、指導を受けたかの延べ人数のデータです。
 我が家の場合は、スクールカウンセラー、養護の先生、病院、教育支援センター、民間の不登校支援機関と頼れるところは可能な限り頼ったので実際のイメージと近い印象です。
 ただ、病院や民間機関は近所にあったので頼ることができましたが、これが車や電車で数時間とかだと、働きながら支援を受けることは難しいなと感じました。
 頼りたいけど頼る場所がない。それが「未実施(26,934人)」という数字になったのではと思います。
 また、学校内の支援を受けようと思っても、子どもが「学校」と関連するものを全拒否するような状況だと難しいです。
 でも、親だけで対応しようとすると本当に苦しいので、頼る先は複数必要だと思います。

都道府県での比較

 文科省の調査結果には都道府県別のデータがありますが、数表で発表されていることもあり、パッと見では地域の状況を比較しにくいです。
 今回は都道府県別に結果のあった、次の4項目について地図の色で確認できるよう可視化してみました。

  1. 不登校児の割合(1000人あたり)

  2. コロナ感染回避を理由にした欠席の割合(1000人あたり)

  3. 相談機関設置数

  4. 指導教員数(常勤、非常勤合計)

 コロナ感染回避は、可視化するか悩みましたが、感染を回避するための欠席ではあるものの、「学校を休むこと」に対する抵抗感を推測することができるのではと考え追加しました。可視化した結果としては、やはり昨年度感染拡大した沖縄や広島、東京、埼玉、大阪が多いので当然の結果かなという印象です。この数字だけでは推測するのは難しそうでした。(反省)
 不登校児童数上位2位の島根県は相談機関の設置数だと下位2です。どうか、スクールカウンセラーや養護の先生のサポートが行き届いていて欲しいと思います。

可視化してみた感想

 最新の調査結果を可視化して感じたのは、この調査が「小中」とまとめられていることの違和感です。
 小学生と中学生、調査の視点もサポート方法も違うと思われるのに、一緒にしていては、見えるものも見えてこないのではないでしょうか。
 また、実際に数字として表れているのは氷山の一角で、実は息子のように「なんとか」通っている子については、不登校とはならないため、この調査の数字には含まれません。実際はもっと危機的な状況なのだと思います。
 
 キラキラ輝く子ども達を「無気力、不安」にしているのは何なのか。確かに「本人に係る状況」なのだとは思いますが、それをつくり出したのは子どもではないはずです。
 学校がしんどい。大人がこの問題に真剣に向き合わないといけないと感じました。

令和3年度小学校の不登校調査結果#DATASaberBridge | Tableau Public


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