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犬が変わっている

こんばんは。ゆうきです。

先日、名も知らないサラリーマンと猫を奪い合った記事を書きました。

https://note.com/youkikou/n/ncc1235336e6d

猫の話をしたなら、犬の話もしたくなるのが動物好きの性です。

今回は、犬にまつわるエピソードをいくつか書いていこうと思います。


共犯者たち

わたしの散歩コースになっている公園のベンチに、中学生くらいの少年と、薄茶色の中型犬が仲良く並んで座っているのを見かけます。そろそろ夕餉の香りがし始める夕暮れ時から、日がすっかり暮れるまで、彼らは公園内を散歩せずに、ベンチに座って時間をつぶしてから帰っていきます。

男の子はいつも、公園のベンチで携帯型のゲームをしています。その隣に、薄茶色の中型犬が大人しく座っています。下じゃないんです。いつもふたりはベンチに並んで座るのです。

少年はおそらく、散歩中にこっそり内緒でゲームをしています。


彼らは家族であり、兄弟であり、共犯者なのです。

(どっちがお兄ちゃんだかはわかりませんが。)



チワワと後向きで歩くおじさん

たまに、後ろ歩きでウォーキングをしている方を見かけます。中には一切後ろ(前?)を振り返らず、滅茶苦茶速く歩く人が居てびっくりします。

えっ、す、凄い……。


そういった達人が存在する一方で、ものすごく、本当にもの凄くゆっくり、そろりそろりと後ろ向きで歩く年配の男性と出会ったことがあります。

そうだよなぁ、後ろ向きで歩くの、やっぱり結構恐いよなぁ。普通そんなに速く歩けないよ……。などと思いながら、こちらに背を向けて歩いてくる男性とすれ違いました。すると、男性の視線の先の先、ウォーキングコースの遥か遠くの方から、豆粒みたいな何かがこちらに向かって来るのが見えました。

老チワワが一生懸命歩いている……。

運動していたのはその男性ではなく、老齢のチワワだったのです。飼い主を追いかけて、思うように動かない足を一生懸命回転させて歩くチワワ。後向きでそろりそろりと覚束ない足取りで見守るおじさん。生き物の老いの切なさを感じつつも、家族の愛情を確かに目撃しました。



犬が変わっている

さて、表題の話です。「変わった犬」の話ではなく、犬が変わっている話。

こどもの頃、通学路にセントバーナードを飼っているお宅がありました。ハイジに出てくる、あのワンちゃんです。わたしの実家はマンションなので、大型犬には憧れがあり、羨ましく思っていました。

小さな階段を登った先が玄関、玄関ドアのすぐ前に犬小屋、という具合だったので、高い位置に大型犬が佇んでいる様はとても迫力がありました。そのセントバーナードは階段の上から降りてくることはなく、いつも犬小屋の前に居ました。

ある時から、セントバーナードの姿が見えなくなりました。

なんとなく、事情を察しました。


ある日、学校の帰りにお宅の前を通りかかると、玄関の前にセントバーナードのほぼ等身大の置物が置かれていました。






令和2年 5月9日

ゆうき けい

我が家は、ザリガニと2年、ハムスターと3年、うさぎと12年、一緒に過ごしました。





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