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「あの日のあなたと祝杯を」の通過が目標だった話(ネタバレなし)

マーダーミステリー(以下、マダミスという)については過去記事参照。

マダミス界隈ではシナリオをプレイしたり、試聴して内容を知った作品を通過済みと表現する。本稿では先日私が通過した「あの日のあなたと祝杯を」という作品への思いを報告する。作品内容には触れないのでネタバレなしである。

通過が目標だった理由

マダミスでは難易度に応じて通過数で制限をかけられる場合がある。discordを使用したマダミスでX作以上通過した人のみが応募可能といった具合である。募集を行っているGMは意地悪で通過数制限を設けているのではなく、一つのシナリオは一回しか遊べないため初心者のうちに高難度シナリオを遊んでも十分楽しめないから避けた方が良いという勧告である。逆に初心者向け卓では通過数Y作以下の方のみ応募可能とされることもある。

boothに表記があるように本作は高難度である。そのためGMからは通過数20作以上か30作以上の方のみ応募可能という制限をかけられる場合も多い。私がまだ初心者だった頃に本作の募集で「マダミス経験30作以上の方のみ応募可」という表記を見た際には、今はまだ遊べないけどもっとたくさんマダミスの経験を積んで本作を遊んだらきっと楽しいんだろうな…と思ったものである。それ以降、私のやりたいマダミスリストの中に本作はずっと存在した。本作を遊べるレベルに達して、実際に遊ぶことがマダミスプレイヤーとしての私の目標だったのである

実際に遊んでみて

2,3か月にわたってマダミスを続けてきて、ようやく本作を遊べる水準に達したので卓に参加させていただいた。開始前の自己紹介で通過数と推しシナリオを言う場面があったのだが、通過数でいえば私が一番少なかったね…。周りは80作とか100作越えの歴戦の猛者ばかりであった。余談だが、推しシナリオで周囲が「カミガミノヤカタ」とか「ある令嬢の幸せな結婚」をあげる中、私が「時計仕掛けの日蝕騎士(エクリプスナイト)」って答えたら微妙な空気が流れたのだが、そんなに知名度低いか?プレイヤーキャラ数が少ないシナリオほど知名度が下がるのは普通かもしれないが。あとエモシナリオじゃなくて推理重視のシナリオ上げても別にええやろ!

プレイ後の所感になるが、己の成長を実感できたというのが一番大きな感想である。というのも、私には大人数シナリオでは苦い記憶があったのだ。初めて知らない人と大人数シナリオで遊んだ際に、私は情報整理が上手くいかず、ココフォリアも使い慣れず(上下左右の移動ができなかった。これはココフォリアがバグっていたのが原因)、他プレイヤーに対して強い発言ができなかった。もう少しうまくできたら違うゲーム展開だったんではないか…?という思いを抱えていた。
※強い発言とは正しい/誤った方向を問わず、議論を進ませる発言を意図している。

本作の感想戦ではGMからはお褒めの言葉がいただけたので、強い発言ができたと満足している。主観になるが、経験豊富な猛者たちと同レベルのプレイをできたというのが私の所感である。それは数か月前の私にはできなかったことであり、今の私にはできたことである。他プレイヤーとの折衝、カードや情報のやり取り、キャラの心情を考慮したロールプレイといったスキルが今の私には身についたと思っている。それが何よりもうれしい。プレイすること自体が目標だった本作が、プレイ後には己の力量の向上を実感した作品に変わったのである。だからこそ本作は私にとって非常に印象深い作品になった。

マダミスは上手くなるもの

確固たる信念として私はマダミスは上達するものであると考えている。マダミスは演技の一種ではなく、ゲームである。ゲームである以上勝敗が存在する。勝利を目指して自分の考える最適な行動をとれるようになるというのが私の考える「上達」の定義である。

シナリオライターがハンドアウトに書いた目標を遵守しつつ、得点の最大化を狙うのがボードゲーマーである私の見地から見たマダミスの遊び方だ。では点数が低ければ負けなのかとか、他プレイヤーを蔑ろにしても勝利を目指すべきなのかと言えばそうではない。私はシナリオライターを信頼している。目標を遵守して得点最大化を目指した際にゲームは一番面白くなるように脚本が組まれていると信じてプレイしている

まだまだ発想力や観察力、ロールプレイ力に不足はある。が、私は自分が上達していると実感している。仕事との兼ね合いもあるが、できる限りこの趣味を続けていきたい。同卓してくれた皆さんと良い卓を形成して、楽しい思い出を共有しようという思いを抱えて卓に臨んでいる。今まで遊んでくれた方々、本当にありがとうございました。そしてこれから遊んでくださる方々、どうぞよろしくお願いいたします。

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