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ネタバレ無しで「エレファントヘッド」を語る

Amazonでも書いてあるが、本作は「謎もトリックも展開もすべてネタバレ禁止!」である。なので私の所感を表面的に述べるだけにとどめる。

妙にグロテスクなのさえ我慢できれば本作は傑作。感想としては以上。

白井先生の作品は本作に加えて「名探偵のいけにえ」と「名探偵のはらわた」しか読んでいないが、どれも面白い。

本作「エレファントヘッド」も圧倒的な面白さを持っている。万人受けする作品ではないだろうが私は本作が今年の最優秀ミステリとして選抜されても驚かない。

ただ、白井先生の作品は妙にグロが前面に押し出されるのでうへぇ…となる。「『名探偵のいけにえ』はグロテスクさが鳴りを潜めているので白井先生の初読としてはオススメ」という書評を書いている人がいたが、本当にその通りだと思う。本作ではぶり返しており、妙にグロテスクな場面がある。私としてはこんなに面白い作品が書けるのであればグロテスクさは消してもいいんじゃないかと考える。それで面白さは損なわれないという主張だ。

とある文学賞の書評にて「ミステリはエンタメであるので〇〇という要素だけを変更すればこの作品は賞を取らせても良い」という強い主張をしている審査員がいて、事実その作品は当該要素を削られて賞を取ったそうだ。私も理屈は同じで、エンタメなんだから別にここまでグロくしなくても十分面白いだろう、と考えている。

そうは言うが、「鬼畜系ミステリ!!!」みたいな宣伝方法をしているwebサイトもあったので、①グロさをキャッチーさと捉えて販売戦略として意図的にグロくしている
あるいはまったく別の理由で、②作者・編集共にこの程度のグロさは全く問題ないと考えている③グロさは変えることのできない作者の美学…等の理由があれば、まあ許容できるんじゃないだろうか。

少し気が早いが、2023年最優秀ミステリが決まったところで今年は終わりにとなった。簡単ではあるが、感想としてはこんなところだ。


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