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正体隠匿系ラブコメ「真夜中ハートチューン」の感想

見切り発車になるが、「真夜中ハートチューン」という作品が面白かったので短めの記事を書いておく。将来的にアニメ化したら先見の明があったということになるのでたまにはこういう記事もいいだろう。
見切り発車と言っているのは、執筆時点では第1話しかこの世には存在していないためである。基本完結してからブログ記事にする私にとっては珍しい。

マガポケというアプリでは「週刊少年マガジン」「別冊少年マガジン」「月マガ」「シリウス」「ヤンマガ」「アフタヌーン」「モーニング」そしてオリジナルの作品が読めるのだが、中でも週刊少年マガジンはラブコメばっかりである。

はじめの一歩やブルーロックみたいなスポーツ漫画も確かにあるんだが、甘神さんちの縁結び、カッコウの許嫁、カナン様はあくまでチョロい、彼女、お借りします、黒岩メダカに私の可愛いが通じない、それでも歩は寄せてくる、女神のカフェテラス、よわよわ先生あたりはラブコメと言ってしまっていいだろう。ラブコメ専門誌かよ。大昔はヤンキー物とスポーツ物ばっかりだったらしいが、時代は変わるもんだ。

にもかかわらず、新連載「真夜中ハートチューン」もラブコメでまたか…という気持であったが、読んだら面白かったので記事にしようと思い立った。
私は本作は正体隠匿系ラブコメと呼んでいる。「五等分の花嫁」しかり、

「正体不明と恐怖」としかり、ヒロインサイドが何かしらを隠蔽しながら話が進むラブコメ全般を私はそのように(勝手に)呼称している。

正体隠匿系ラブコメが面白いかは作品によるが、真夜中ハートチューンは第一話としては必要なことを全部書いたんじゃないかっていうぐらいきちんと漫画を書いている。
それは主人公のキャラクター性や目的であったり、正体を隠しているヒロインの思惑であったり、今後の展開(ラジオがスタートして幕引き)への布石であったり。
今後に期待できる一話であったのでぜひ読み続けようと思う。

さんざん言っているけれども一話しかないので、今後どういう展開になるかは全くの未知である。五十嵐正邦先生の前作「川柳少女」は4コマが主体でたまに普通の漫画形式になるタイプだったが、ヒロイン観察系ラブコメで話の起伏で楽しませるのではなく可愛いヒロインを描くぞ!という気合の入り方だったので私にとっては好みではなかった。
が、本作ではヒロインたちの夢を主人公がバックアップする形になるらしいので、一体どんなドラマが描かれるか楽しみである。主人公の性格・目的からすればヒロインたちと無理に接点を持とうとしそうだし、うまく話を転がせば面白い作品になるのではないだろうか。

ツッコミどころを挙げるのであれば、女子制服が現実ではありえない形状だし、なぜかへそ出し状態がデフォルトといういかれたデザインなのだが、ま、漫画だからええやろの精神で読んでいる。
あと、放送室前にファンたちが詰めかけていたのに、数ページ先にはいなくなっているのは編集さんは何も言わなかったのだろうか?まあ作品の面白さには無関係なのだが。

最後にアポロの正体について1話時点での考察をしておく。
主人公が「『アポロ』がいたら手を上げてくれ」と言っているのに対して、井ノ華だけは「誰?」と疑問を呈している。これは不自然に思う。
というのも、アポロという名称だけでは、「ハンドルネーム」なのか何らかの「属性」を示すものなのかは不明であるので、ここでは返答としては「誰?」ではなく「何?」とか「なんて?」が順当であるだろう。アポロと聞いただけで人名であると想像できていえるのはやや不自然であり、そのコマで井ノ華の表情が描かれていないのも故意に思えてしまう。

また、作中で井ノ華は「彼の声 私好きだし」と主人公の声を褒めているが、アポロの独白シーン「もう二度と聞くことはできないと思ってた声」と合わせて考えると、主人公の声に着目しているのは井ノ華だけであり、井ノ華がアポロである傍証になる。

そんなことを言っているが、これはあくまでの第1話時点での話なので、単なる想像に過ぎない。というより、ヒロイン当てパズルをやりたいのではなく、漫画でドラマを見せてくれればいいので、そちらに期待を寄せる。読者として楽しみに次回を待とう。

追記:第15話時点で井ノ華が「もう見せてあげない」と言っているのは服ではなく顔のことだろう。糸電話越しに顔を見せる提案を断られたことを意図した発言と考えている。


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