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香川県ゲーム規制条例はこのままでいい

 香川県が子どものゲームのプレイ時間等を規制する条例を提案している。努力義務でそれを守らなければ罰せられるということはないのだが、かなりの物議を醸している。私もこれはけしからんと思い、さっそく香川県のホームページから条例の素案を見てみたのだが。。。

 結論から言うとこの条例はそのままでOKだと思う。

 その理由を述べる前に、昨今のゲームを巡る状況を確認する必要がある。
 ここ数年のゲーム業界は無料でプレイできてゲーム内で課金するシステムのゲームが大きな売り上げを上げていることが特徴である。以前のゲームとはその中毒性は比べ物にならない。

 そんな昨今の無料ゲームで一番のヒット作である『フォートナイト』はあまりにも中毒性が高すぎるということでカナダでは訴訟の準備が行われている。フォートナイトの製作会社であるEpic Gamesはゲームの中毒性を上げる為に心理学者を雇っていたというのだから、確かにゲーム会社の責任は重い。

  ここまでの情報を前提に改めて香川県のゲーム規制条例の素案に戻ろう。
 この条例は決して子どもにゲームは1日1時間を守らせるだけのものではない。県や市はゲーム依存症対策を推進する責務が生じ、さらにゲーム会社などの事業者にもゲーム依存症にならない為に自主規制などの努力が求められるのである。

 この条例が実際に施行された時のことを想像してみよう。
 その瞬間に香川県はEpic Gamesに対しフォートナイトの自主規制などを求めなければいけない。フォートナイトが意図的に中毒性を高めていることは周知の事実なので、ゲーム依存症対策を推進する義務を負うべき香川県はEpic Gamesと対峙して何らかの行動を起こす義務が生じるだろう。既にカナダの法律事務所が訴訟を検討していることを考えると、香川県も同様の訴訟を検討する義務も生じる。
 もちろん子ども達にゲームは1日1時間の義務も生じるが、それはあくまで努力義務。県自らが正しく条例を守ることの方が優先される。もし県がEpic Gamesに対して行動を起こさないのだとしたら、県が守らない条例を県民が守る義務など全くない。

 行政がゲーム依存症対策を推進するということは、意図的にゲーム依存を引き起こしている巨大なグローバル企業と対峙するということである。
 香川県のゲーム規制条例はこのままでいい。ぜひ香川県にはEpic Gamesと戦ってもらいたい。


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