見出し画像

今日本人が見るべき映画は『フクシマ50』ではなく『家路』である

 福島第一原発事故の時の作業員達の決死の奮闘を描いた映画『Fukushima50』が大きな話題となっています。中には「日本人全員が見るべき」なんて絶賛の意見もあるそうですが、私は今、日本人全員が見るべき福島第一原発事故の映画は別にあると思います。
 その映画は『家路』です。

 『家路』は原発事故で故郷を追われた家族の再統合を描く映画です。避難し仮設住宅で暮らす兄は町議会議員で原発を呼び込んだ立場でもあります。そこに町を去ったはずの弟が失った故郷でやり直したいと帰ってきます。

『家路』は2014年に公開されました。兄弟を演じるのは内野聖陽と松山ケンイチ。他にも田中裕子や安藤サクラも出演しています。
 事情を抱えた家族を中心に描くことによって、福島の過酷で複雑な状況をストーリーの中に組み込んでいます。
 この『家路』、大変な名作だと思うのですが、これだけの豪華キャストのわりに世間的にはほとんど知られていません。

 福島について今、日本人全員が見るべきは原発事故と立ち向かった作業員達の映画ではないでしょう。もちろんそれも大事です。しかし、原発事故は実際に起き、多くの福島県の人々の生活と人生を壊してしまいました。多くの人が今もその中にいるのです。アルファベットのFukushimaやカタカナのフクシマでは見えない福島の人々の人生です。それこそ日本人全員が今思い出すべきものです。

 日本人全員が見るべき映画は原発事故当時を描いた『Fukushima50』ではなく、原発事故後の人々の人生を描いた『家路』なのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?