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デビルマン

緑色のデビルマン

あれは誰だ?誰だ?誰だ?私が幼いころにテレビで放送していた緑色の体に赤い翼の奇抜なヒーローがデビルマン。当時は永井豪の原作アニメが多数放送されており割と見慣れた絵柄だった。日常生活の中でデーモンに襲われてそれをデビルマンが退治するのが基本的なお話だった。当時は純レギュラーの妖獣ララが急に焼死とか普通にある時代でなかなかショッキングな回もあったのだが、マジンガーZなんかと同じく普通のアニメとして見ていた。思えばキューティーハニーでも少女が焼死してた気がするが、同じく永井豪の作品であったことにしばらくしてから気づいたものだ。

肌色のデビルマン

中学生くらいのころだっただろうか?「デビルマン誕生編」というOVA(テレビで放送しないでビデオで発売されるもの)で、肌色のデビルマンの出会う。我々の世代はデビルマンと言えば緑色なので違和感があったが、後に「激マン」という永井豪が当時を振り返る漫画を読んだときに、緑のデビルマンと肌色のデビルマンは同時進行だったことを知る。子供アニメとして緑のデビルマン、そして原作の肌色のデビルマン。実は両者の内容はかなり異なる。

鬼才 永井豪

永井豪と言えばハレンチ学園やけっこう仮面などのお色気ものも有名で、その他の作品でも高確率でお色気シーンがある。幼いころに見ていれば「なんかエロい漫画だ・・・」くらいの印象だったかも知れないが、デビルマンの原作をしっかりと読んだのはそこそこ大人になってからだったので、永井豪のテーマというか表現力を驚愕しながら見たものだ。漫画から感じるエネルギーがすごい。鬼才という言葉がぴったりと当てはまる。漫画を読んでじっとりと汗をかく。そんな感じだった。

繋がる世界

永井豪の漫画では混沌・暴力・そしてコミカルな世界が多いようだ。そしてバイオレンスジャックなんかではデビルマンもキューティハニーもあばしり一家もみんな出てくる。なぜかスケバン刑事も出てた。全然違う作品のはずなのだが、デビルマンの続編と言っても過言ではないのかも知れない。実際、デビルマンがキーマンだったし。その後のデビルマンレディでも不動明(デビルマンの人間体)が登場する。同じ世界でありパラレルワールドであり、時間軸も超越したなんだかすごく壮大な物語。ぜんぶ合わせて一つの作品であるようだ(ん?ヤダモンは違うか?)。

人間というもの

人間というものを考えるとき、デビルマンの原作はバイブルとなる。人間こそ悪魔である。自らの内側に悪魔を棲まわせながらそれと戦う非力な理性。人間の強さ・弱さ・脆さ・優しさ・残虐性その他がぐちゃぐちゃに混じりあう世界を描くのが永井豪の世界。経典として後世に残すべきものだと思う。

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