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長電話

 懐かしい人と、長電話をした。
 こんなにゆっくりと話したのは、それこそ20年振り、とかかもしれない。
 面白かったのは、ノリとかテンションが、まったく変わらないと感じたことだった。
 それぞれ、異なる時間で、異なることを経験しているのだけれども、社会の波に揉まれながらもどうにかこうにか自主独立を守ってやっていくなかで、ある種の共通体験もしているように感じた。

 人間の、普遍性と個別性、ということを、思った。
 普遍であるからこそ、古典が成立する。
 個別であるからこそ、古典は、常に新しい。

 古典に近づきたい。それはきっと、己のなかにもあるはずの普遍の井戸を、掘っていくことなのだろう。

 最近は、そんなことを思う。

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