質問で伝わるメッセージ
「おまえんとこの部署なんか暗いよな。」
新設部署へ異動して3カ月くらいのときでした。
元々同じ部署で働いていた先輩社員からの一言です。
職場の雰囲気は、上司によって大きく変わります。
その当時のオフィスフロアはオープンで、部署内はもちろん、他部署同士でも横断的に、数百人がすぐにコミュニケーションがとれる環境でした。一方で、部署内でのやり取りの姿や、話していること、雰囲気も同時によくみえてしまう環境でした。ある部署は明るく、ある部署は暗く、ある部署は殺伐とした、、、といったように。
新設部署での部長は課長から昇進した直後の配属のため、ある課の仕事については精通していました。そのため、会議の場面、仕事での打ち合わせや、課長への相談など、部長の意見が強く反映されていました。
毎月の会議では、進んでいないことがあると、こうしろああしろという指示だけが飛び交い、課長や社員へ発言を求める事はありませんでした。結果、新しいアイディアが生まれることはなく、進捗確認に終始していました。
課長のこの一言に悲しくなりました。
一方で部長は、新設部署で成果を出したいという思いがありました。
しかし、これまで課長だった自分と違い、マネジメントする仕事の範囲が広がり、人数も増えました。経営に近い立場となったことから、新しい会議や報告などが生まれました。
どのようにマネジメントしたらいいのか悩んでいる状態でした。
部長のこの一言には、焦りと迷いと葛藤を感じました。
先ほどの言葉の後に、この質問がありました。
これは、今までになかった質問です。
この時、部長に変化が起き始めていました。
人事異動があり、部長より年上のベテラン社員が異動してきました。
しかし、その社員は、部署の雰囲気が暗く、異動後は毎日文句を言っていました。
どうも、部長の事も嫌いな様子です。
会議で、部長はベテラン社員に質問しました。
この質問が、徐々に部署の雰囲気が変わるきっかけとなりました。
質問するので答える。
また質問するので答える。
社員も自分で考え意見をのべるようになります。
部長に対してはもちろん、異動後ネガティブだった社員に対しての見方が部署全体を通して変わってきました。
ベテラン社員とのランチでの一言です。
この一言に、質問の効果が集約されています。
最後までお読みくださりありがとうございます。
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