28.あなごの美味しさに気づいた夜。
俵万智さんの超有名な短歌を思い出した。
これに乗っかるならば、ぼくは、ぼくの人生の中で今日1月29日を「あなご記念日」と名づけようと思う。
奥さんと4時ごろから買い物に出かけた。
食材を買いに近くのショッピングモールへ出かけた。
本命の食材を探しつつ、道草を食いつつ、他の気になったものも買いつつ、時間が過ぎていった。
2時間ほどブラブラして、本命の買い物も終了。
さて、帰りましょか、となって、ついでに時間も時間やし、晩飯食べて帰ろうかとなった。
こうなったときの選択肢は、大体寿司か焼肉かラーメンだ。
そして、3択の結果、今日は寿司に軍配が上がった。
帰り道にある回転寿司へ向かった。
土曜だけれど、「まん防」が出ているからかお客さんは少なめで、名前を書いて待たずとも席へ案内された。
タッチパネルで注文をしていく。
ぼくは、ダイエット中だ。
夜の炭水化物は極力控えている。
しかし、今日は回転寿司。
米粒を食わないというわけにもいかない。
とうことで注文の際、「シャリこま」のオプションにチェックを入れる。
これがちょうどいい。
腹八分目大事。
いくつかネタを注文して食べた。
どれも美味しくて、きっと脳内では「オキシトシン」とかそういうなんかが分泌されていたと思う。
それもあったのだろう。
タッチパネルのメニューを見ている時、ふと「あなご」が目に入った。
いつもは完全にスルーだ。
なぜなら、僕の中の絶対的王者「うなぎ」があるから。
うなぎ最高、めちゃおいしい。
だから、あなごに用はない。
そう思ってた。
だって、あなごって必要以上にふわふわしていて、なんか苦手だったから。
いつそういう味の記憶を覚えたのか定かではないが、ぼくの中の記憶があなごを遠ざけていた。
でも、今日のぼくには、なぜか「あなご」が魅力的に映った。
それも「煮あなご一本にぎり」が。
気づくと、普段なら絶対に注文しない「煮あなご一本にぎり」を注文していた。
少しすると、あなごがやってきた。
でかい。
なんなら、ちょっと前までこのままの姿で海の中を泳いでたんちゃうかと思った。
それぐらいでかい。
あなごの表面には控えめに甘だれが塗られていた。
ぼくは、それを箸で掴み、一口で口の中に放り込んだ。
もぐもぐ。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!!!
なにこれ、めちゃくちゃおしいやないですか!!!
え、あなごってこんなにおいしいの!?
口の中に広がるあなごの香り。そして味。
ふっくら煮たあなごの味は口の中に優しく広がった。
噛むたびにあなごの豊かな風味が口いっぱいに広がる。
美味しい…いや、もう、このほどけていくうまみは、おいひい。(どっちでもええわ)
気づくと、ぼくが今日食べた寿司ネタの中でこのあなごを1番咀嚼していた。
あんなに柔らかいのに。
咀嚼回数No. 1。
飲み込む直前、喉の奥あたりで「蛍の光」が流れた、気がした。
それぐらい飲み込むのが名残惜しかった。
ごっくん。
ご馳走様でした。
人はなかなか変わらないっていうけれど、実は、日々その説とは逆に、小さな変化を起こし続けているのかもしれない。
ぼくが、苦手だったあなごをこんなに美味しいと感じたように。
人の細胞は、数週間?数ヶ月で全て入れ替わると聞いたこともある。
ぼくには、まだまだぼくが知らない可能性が眠っているのかも知れない。
だから、踏み出すって大事だ。
知識としてではなく、体が、本能が、今日それを実感した。
これからも自分の可能性に蓋をせずに、色々チャレンジしていこう。
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