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【詩】記憶の柩(ひつぎ)

ひび割れた 十月の空に
曼珠沙華が 突き刺さる

窪んだ眼窩の 翳りの海に
記憶の波は 揺らめいて

可憐な花が 最後に見せたのは
微笑みという名の 毒だった

十月の ひび割れた空は
真紅の花弁に埋ずもれた 記憶の柩


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