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2021年6月に摂取したおもしろのまとめ

いろいろあってエンタメも気軽に摂取できないことが多々ある世の中になってしまいました。

特にその影響を受けたのもののひとつは間違いなく映画でしょう。気軽に摂取できないから気軽に公開できず、いろんなものが延期、延期……

その結果、某宣言明けの6月になった瞬間ひたすら弱パンチでため続けたゲージをすべて全力の超必殺技でぶっぱなすがごとく大量のオモシロ映画たちが一気に公開されててあれも観なきゃこれも観なきゃで大忙しかと思う今日この頃ですがいかがお過ごしでしょう?

実際これでもかってくらい映画館に何度も行ってるし、しかも大体全部すごいおもしろい。あとついでにテレビアニメも今期はすっごいのばっかりだったし、なんかすごいマンガも色々あったりで、6月のエンタメ摂取濃度が異常ですごかったんですよ。

そんなわけでせっかくめちゃんこオモシロをいっぱい摂取したからざっくり感想でもまとめておこうかなと思った次第です。やるぞ。無差別級でいろいろあります。あ、ネタバレ要素は控えめでいきます。

劇場版 映画大好きポンポさん

ついに公開されましたその1。

ポンポさんの原作はPixivに公開された当初くらいに読んで、それ以外の杉谷庄吾さんの作品についても個人ブログに感想文書く程度に好きだったので、今回のアニメ映画化はとても楽しみにしていました。

……いや、正直言うとポンポさんに関しては、楽しみ半分・不安半分というのが本音のところだったと思います。

ポンポさんって、映画作り、ひいてはエンタメについてのかなり強烈な哲学をかわいい絵柄でオブラートしてポップに仕立てたマンガなわけですけど、これを映画そのもののフォーマットで表現されたときに果たしてエンタメとして受け入れられるのか、なんか説教臭いものになっちゃいやしないか?みたいな、いやお前何様なんだよっていう謎の不安があったんですよね。

そんな二つの気持ちでワクワクそわそわしながら観たわけですが……

んまぁーーー見事に原作のポップネスも強烈さもどっちもパワーアップ。足立慎吾デザインでさらにかわいくなったポンポさんをはじめとするキャラたちに、見てるだけで楽しい映像演出と、シナリオ面でも原作にないオリジナルエッセンスをたっぷり盛りつけた豪華な出来。映画でポンポさんをやるならこうなるかなって期待してたものがそれ以上の形でお出しされてしまったので平伏するほかありませんでした。

特に映画オリジナルで登場した新米銀行マンのアランくんの好感度がとても高かった。彼の存在のおかげで原作でちょっと荒いかな?と思っていた部分が丁寧に塗り整えられた印象があります。っていうかそもそも原作のストーリーラインはかなり早々に終わっちゃって映画オリジナルパートがかなりリッチだったし。

欲を言えば劇伴がちょっと軽いというか、ちょっとJ-POP染みててハリウッドモチーフの作品世界観と若干合わなくない?と思わなくもなかったんですが、それを上回るシナリオの強烈さと実験的な映像表現の数々でお腹いっぱいになりました。

見た直後のふせったー感想たちも置いときます。

劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライト

ついに公開されましたその2。

テレビアニメはリアルタイムでは見てなかったんですが、TLに流れてきたこれをきっかけに視聴。

今井哲也さん、クサダさん、zinbeiさん、ハンバーガーさんが公式アンソロに参加するような作品だったらそれは見ないとじゃん……

というわけで一気見してアンソロも読んでなるほどおもしろかったとなっていた矢先に劇場版が公開。

正直↑みたいな書き出ししておいてアレなんですが、ぶっちゃけテレビ版の段階ではそこまでハマりきってはいなかったんです。

いや、確かに大場ななにぐちゃぐちゃのめちゃくちゃにされましたけど、あと一歩刺さり切ってなかったというか。やりたかったことは理解できたけどもう一押し、あともう一押し欲しいぜ!っていうのが最終回まで見た後の率直な感想でした。なので劇場版についてもテレビ版も履修したしせっかくだから見ておこうくらいのノリだったんです。

んで、いざ映画館で観てみれば、もうあんまりにもおもしろくて二時間半ずっと座ってたのに足ガックガクで立ち上がれないほど。テレビ版であと一押し足りないと思った部分を見せてもらえたというか、この作品はここにたどり着きたかったんだぜ!っていうのを見事に見せつけられました。なんだよやりたい放題かよ!!最高!!

決定的だったのが双葉と香子の怨みのレヴュー。

もう映像も演出も何もかも過剰な上にやってることは犬も食わない痴話喧嘩なんですけど、これがもうこの作品の楽しみ方を何よりもわかりやすく表現してくれていて。

もうめちゃくちゃなんですよね、デコトラは突っ込むわセクシー本堂だわ。過剰すぎるくらい過剰に双葉と香子のすれ違いつつも思いやり合ってる面倒くささをありとあらゆる手段で演出しておもしろおかしくバンッ、バンッ、って繰り出してくる映像の洪水。

舞台演劇の表現エッセンスをアニメに落とし込み、さらにアニメじゃなきゃできないレベルに昇華する、ぱっと見実験的でありながらその実かなり理屈を伴った外連味こそがレヴュースタァライトの神髄なんだ!その全力で痴話喧嘩させるとこんなにも面白いんだぞ!!っていう。そのフルパワーが俺は見たかった!ありがとう!!

そんでやっぱり劇場版も見た上で自分は大場ななと星見純那なんだなってなりました。あーあ、泣いちゃった。

あとマッドマックス、特に怒りのデスロードを見てないことを非常に後悔しましたね。

以下こちらも直後のふせったー感想たち。

↑なぜかレヴュスタの前にリマスター上映してたガメラ3も観に行ったんですよ。足にきたのはそれもあるかもしれん。

漫勉neo(安彦良和先生ゲスト回)

急に漫勉neoです。マンガ家さんの作画作業を定点観測した映像を見ながらご本人と企画者の浦沢直樹先生がトークするという、NHKにお金払ってて良かったと思える贅沢な番組。

何で急に漫勉かというと、安彦良和先生ゲスト回があんまりにも良かったんですよ。いや、よかったというか、もうただただ安彦良和という人は尋常じゃなく絵がうまいっていうのを延々とつきつけられるものすんごい回だったんです。

まずネームもなくいきなり下描きから始まり、コマ割りや構図に悩む時間も10分かそこら。超複雑な俯瞰で複数名がいるような大ゴマでもいきなり人物の、しかも眉毛から描き始めて一切破綻しない。身体のアタリ線も特になし。おまけにペン入れはどんなに細い線でも筆のみ。40分で1ページ描きあがって最高の絵が出現。はぁ?!?!

漫勉は毎回超一線級の作家陣がゲストなので毎回その技術に唸らされるんですが、安彦良和先生はちょっとただ事では無さ過ぎて開いた口が塞がらないままでした。趣味レベルですけど多少お絵描きをたしなんでいる者からすると心に傷を負うレベル。衝撃映像すぎてもう。

7月7日に安彦先生回の再放送があるみたいなのでもう一回心を負傷できます。傷つきましょう。

劇場版 閃光のハサウェイ

ついに公開されましたその3。安彦先生からのガンダムでいい流れですね。

いやーーーよかった閃光のハサウェイ。久々にガンダムが楽しいモードになれてめちゃくちゃよかったですよ。

原作小説は未読だったんですがなんとなく話の顛末とかは知っていて、それでもがっつり楽しめました。っていうかまったく原作を読んでいなくても「あ、これは純度の高い富野節だ!!」ってわかるというか、ちゃんと逆シャアの続きを見てるぜ!っていう充実感。

そんな原作リスペクトを感じる脚本でありつつ、同時に画作りが逐一かっこよくて。リアル路線で等身高めのキャラデザにも合わせて地球の街中の描写なども匂いを感じるほどで、全力でお金かけて作ってるぜ!っていう気迫を感じる絵が続々飛び出してきて嬉しくなりましたね。パンフで解説されてましたけど難しいレイアウトなどはかなりがっつり3Dを活用して作成しているみたいで、納得の出来栄え。

あとこれは長年の疑問だったんですけど、Ξガンダムとかペーネロペーってとにかくめちゃくちゃデカいし造形はド変態じゃないですか。特にペーネロペー。こんなのでどうやって戦うんだよっていう。

これをまさに映画の見せ場も見せ場で存分にやってくれた上に超かっこよかったのが一番の満足ポイントだったかもしれません。ウルトラ怪獣のラスボスみたいな奇声を放つMSと悪い顔したバカデカガンダムによる重力下なのにミノフスキークラフトで高速移動しちゃうわけわかんない夜戦、しびれるほどかっこよかった。

っていうかハサウェイっていつの間にそんなに熟練パイロットになったんだよ。ビームライフルを囮にするのとか逆シャアでアムロがやってたレベルのやつじゃん。

そうそう、ハサウェイ見た後に何年振りかわからないくらい久し振りに逆シャアも見たんですよ。見返したことでそういえばアムロとシャアってこんなやつらだったなとかいろいろと思い返しつつ理解が深まってよかったんですが、なによりクェスと一緒にシミュレーションやった幼き頃のハサウェイが「おれ2機撃墜したぜ!」とか無邪気にはしゃいでる様子を見てハサウェイ…………ってなったりしました。

閃光のハサウェイは今回が三部作の一つ目ということで、続きが見られるのがいつになるのか分かりませんが期待値をかなり高めて待っていようと思います。

こちらも見た直後のふせったー感想たち。

メトロイドフュージョン

全然2021年じゃない。

なんで今更ゲームボーイアドバンスのソフトをやったのかというと、話は単純でニンテンドーダイレクトで2Dメトロイドの新作が発表されたからですね。

メトロイドシリーズ大好きかと聞かれると実際にやったことあるのはスーパーメトロイドだけ、しかもスーパーファミコン Nintendo Switch Onlineでわりと最近やった超にわか。いや、スマブラでは64時代からサムス愛用してましたよ。当時メトロイドやったことなかったけど。

ただスーパーメトロイドだったり、インディーゲーのCARRIONだったりをやって、どうもいわゆるメトロイドヴァニアが好きらしいぞということに気付いたんですね。CARRIONもめっちゃ面白いですけど話がぶれるんでここの解説は泣く泣く割愛します。

と、いうことでその本家本元である2Dメトロイドの新作が出るとあらば過去作を履修して備えておこうじゃないかと思い立ち、さっそく時系列的な意味で現行最新作のメトロイドフュージョンを中古で購入。かろうじて生きていたDSLiteを引っ張り出してきてプレイしました。

いやー面白かったですね。

メトロイドフュージョンは傑作といわれるスーパーメトロイドのシステムを基本踏襲しながら、「次にどこに行くのかはコースから察して自分で見つけな!」という骨太だった前作とは違って、サムスがアダムと(勝手に脳内で)呼んでいるナビゲーションシステムによってクリアするべきステージを導いてもらう形式です。

これゆえに探索の難易度は少し下がっているんですが、とはいえそこから外れた隠しルートを発見する楽しみだったり、アクションそのものの難易度は相変わらず。結果的にゲームとしてはいいバランスに落ち着いたんじゃないかなと思いました。

むしろこのナビゲーションのおかげでテキストを定期的に見ることとなり、シナリオへの没入感を大いに深めてくれていてかなり良かったですね。そう、メトロイドフュージョン、シナリオが本当にいいんですよ……

アダムだったりゼーベスで救出した原生生物たちなど過去作の要素を盛り込みつつ、メトロイドの特性を得た新しい姿のサムスがXという未知の生物に対峙していく。フュージョン(融合)の名に恥じない集大成的なタイトルでした。

そういえばメトロイドフュージョンクリアしたぞーってつぶやいたら友達から「次はゼロミッションだね」って言われたので近々やります。

クロシオカレント

ちょっと気分を変えてマンガの話。こちらはおもしろかったというか、なんなんだこりゃ?!ってなった作品です。

青騎士読んでますか?角川から今年新創刊されたマンガ雑誌で、ハルタ・ASUKA・電撃マオウの編集部が集って制作されているなにやらすごいやつです。

先述した三誌の連載経験者を中心とした豪華作家陣をあつめ、目次は最小限、広告も次号予告も一切なしの全ページマンガのみ、おまけに特殊サイズでめっちゃいい紙で表紙は箔押しというたくさんのこだわりが込められた雑誌です。

まだ創刊して間もないんですが、2号にしてなんと掲載作品が溢れかえったのでAとBの二冊出しますという早速の破天荒ぶり。

そしてその2号から連載開始となったのがこれまた破天荒すぎるこかむもさんの新作「クロシオカレント」なんですが……これがどう説明したらいいのか分からない謎の構造をしているんですよ。

冒頭に貼った告知ブログでも触れられていますが、A号に掲載された1話では3姉妹と母となぜか父親と入れ替わった魔王が暮らす家庭のほのぼの話。そしてB号の2話では死体遺棄途中の男が巨大怪獣に一目ぼれしてしまうというダークなラブコメ?が展開されます。

2号がAとBに分裂したのも、もしやこのためだったのか?ってくらい全然違うマンガが掲載されていて大混乱。なんなんだこのマンガ!

しかも両方ともそれぞれはちゃんと単品で面白いんですよね。こかむもさんのデフォルメの効いたかわいらしいタッチの絵柄も相変わらず素晴らしいし。

実は青騎士1号では連載前の「ローンチトレーラー」として第0話が掲載されたんですが、こちらがテレビのザッピングみたいな、いろんなマンガを切り抜いてコラージュしたみたいな内容になっていてその時点でも混乱があったんですが、2号のABに掲載されたものはまさにそのコラージュ元それぞれのフル尺1話といった印象。そして現在分かっている共通事項は舞台が高知であるということだけ。

果たしてどこへ向かおうとしているのか、まだ始まったばかりの高知(ハイ・インテリジェンス)マンガの続きを楽しみに待ちたいと思います。

児玉まりあ文学集成

引き続きマンガの話。こちらはバリバリ連載途中の作品ですが、先日公開された最新話がものすごかったので。

児玉まりあ文学集成は本当にすごいマンガで、新しい話が公開されて読むたびにすごすぎて椅子からひっくり返ってるんですが、この20話はちょっとすごすぎて読み終わった後ひええええしか言えなくなってしまいました。

連載途中のマンガの20話ではあるものの、もういきなりこれを読んでも十分面白いんじゃないでしょうか。

未読の方向けにあらすじを少しだけ解説すると、ひとりぼっちの文学部員の児玉さんとその部員候補の笛田くんが繰り広げる文学的活動の様子を描く、という作品なんですが、この2行だけなんとなく頭に入れてまずは20話の「いとこエクソシスム」を読んでみてください。私からは以上です。

ゾンビランドサガ リベンジ

春アニメ一気見その1。このキーヴィジュアルめちゃくちゃ好き。

いやーおもしろかった、おもしろかったけどなんなんだよこれは?!ってなるのがゾンビランドサガの楽しいところですね。なんなんだよあの最終回???

まあそれはいったん置いておいて、2期全体を振り返ってみれば1期からのマンネリもなく見事にめちゃくちゃ楽しめました。

1期で唯一深掘りされなかったゆうぎりのエピソードもまさかのたっぷり2話使っての特大ボリュームな上にこれまでとはガラッと雰囲気の変わったシリアスストーリーで間違いなく白眉でした。いろんな音楽へのリスペクトを欠かさないこのアニメらしく、完全に某バンドが意識されたであろうエンディング曲の「佐賀事変」も素晴らしかった。

音楽という意味では4話もすごかった。前話の純子のアコギから流れを一転してのラップメタル→ギター破壊には大笑いしたし、そのあと披露されたもう一曲、「目覚めRETURNER (​Electric Returner Type "R")」の演出には完全に一本取られたと膝を打ちました。ゾンビィなら帯電すればケロケロボイスになるんじゃい。

どっかの探偵に声が似てる裏表のある少年やら全然名前を隠しきれてないホワイト竜やらと謎に豪華な客演もあったりで相変わらずずっと遊園地みたいなアニメでしたね。3期もやるのかな。やれんのかなあの最終回の後で。

オッドタクシー

息切れが見えてきましたね。これで最後です。春アニメ一気見その2。

いやものすんごいアニメでしたねこれ。最後まで見て拍手しちゃいましたよ。もちろんYoutubeで公開されてるオーディオドラマも聴きました。血の気が引きました。

これはマジでネタバレがNGというか、13話を通じて完成するパズルみたいな作品なのであんまり余計な感想が述べられないのが難しいですね。

とにかくキャラがいいんですよ。全員会話が面白い。

ストーリーの構造的にはかなりスリリングでキャラクターたちの配置もかなりカッチリ計算されていて、繰り返しになりますがピースがきっちりそろったパズルみたいなんですけど、コントや漫才みたいなクスリと笑える会話がいい潤滑油になっていてキャラをちゃんと愛せるんですよね。計算高い作品でありつつ展開的にこのセリフ言わされてるなとはあまり感じないというか。むしろ掛け合いセリフを目当てにしても十分楽しめるくらい。

あとこういう伏線がすごい系の作品って一通り見た後でもう一回見直して「あの時のアレってこういうことだったのか!」ってなりたくなる性分なんですが、そんな自分に優しいのがこれまたとても上質なコミカライズをやってくれてるんですよね。

マンガの方もすごく良くて、掛け合いセリフはマンガ版の方がさらにテンポよく感じる部分もありました。こういう二度おいしいタイプの作品をメディアミックスでやってくれるのはありがたいし正直商売が上手いなとも思いました。いろいろと掌の上で泳がされまくってる。でもその泳ぐのが心から気持ちいいんじゃ。

おしまい

軽い気持ちで書き始めたら大分長くなっちゃったのでこの辺で。

っていうかまだあとゴジラSPとかダイナゼノンとかも観たいし、シャニマスのシーズイベントのシナリオまだ読んでないし、7月入っちゃったけどゴジラvsコングもバカ楽しかったし、まだまだエンタメ摂取が渋滞し続けてるんですよ。

解消したら改めてまたこういう感じで書こうかな。できたら定期的にやっていきたいと思います。

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