【観劇レポート】2018/07/28『消えていくなら朝』@新国立劇場小劇場
この日の東京はすごい大雨と強風で。家を出た途端ずぶ濡れで、なんでこんな日に劇場行かなきゃいけないの~~とブルーになりながら劇場へ向かいました。でも劇場と駅が直結しててまだ助かった…!
↑公式サイト。
チケットはU25優待メンバーズで¥3000。席はD列の下手側。
最近会話劇が偶然続いて、そろそろ派手なの観たいな~とも思ったけど、むしろハマっちゃう。言葉が丁寧に織りなす世界に。
上演時間もテンションも、ちょうどいいボリューム。今まであまり特別に意識してなかったけど、蓬莱さんのホン好きなんだって気づいた。
作家の自伝的な物語で、主に家族の問題を扱った話。
現実のニヒルな感じ。現実をどこまでそのまま舞台にのせるか、という匙加減。メタ発言で劇世界と現実が微妙に混乱する感覚。どんな作品だって、現実の延長線上にあることを実感する。
この作品の家族はある部分では多少変わってはいるけど、どんな家族にも大なり小なり問題は生じる。他人の家の問題を覗き見ているようで、自分の家を顧みていた。
関係が上手くいくようにするためには、表面上は上手く立ち回らざるを得ない。家族という一番近くて単純で全然特別じゃないコミュニティの中でさえ、それぞれの主張が鬩ぎ合うのに。社会では皆もっと分厚い仮面を被って、その下では不満を抱えてるんじゃないか、と考えさせられる。
他にも既成観念に囚われて自由になれない人が、そこから抜け出して自由を手に入れた人を見て、勝手に妬む風潮の風刺など、筆が冴え渡っている。
演出に関しては、あえて戯曲の言葉面だけじゃ未完成にしてるところを、作家の意思を汲み取って舞台化できる演出家の手腕が光ってた。作家と演出家の間に強い信頼関係を感じずにはいられない。
終演後。
今日のは良かったなーと思いながら帰ろうとしたら同じく観に来ていた後輩に会った。久々で嬉しかったけど、すっぴんで来たことを激しく後悔しました!!!
でも劇場で偶然会うのって素敵。この後食事して色々話せた。演劇のこととか大学のこととか。観劇行為のここがいい。
以下はピンポイントな感想。観た人以外にも読んでほしいけど、ネタバレ含むので隠します。
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