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おうち時間 YouTubeで演劇観ましょ。【演劇ソムリエいとうゆうか】

演劇ソムリエのいとうゆうかです。この記事は、私がYouTubeで投稿している『【演劇ソムリエ】おうち時間を彩る、YouTube観劇のすすめ。』という動画を書き起こし、加筆したものです。音を聞くより文字を読む方がお好きな方や、YouTubeを聞いてくださって、もっと考えを深めたい方に向けて。

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特に今、おうちで過ごす時間が増えていると思うのですが、普段演劇を見られる方だけでなく劇場に行ったことがないという人にもおすすめしたいのが、各演劇団体がYouTube上に上げている公演映像なんですね。各劇団も、この状況を受けて、公演を自粛するなどの対策を取っているだけでなく、ネット上で作品をシェアするという方向に動いています。

これってすごい事だと思います。今これができるというネット環境も、自分たちの財産である作品を公開に踏み切ったということも。

今日はそんな中でも私がオススメする劇団3つを紹介します。
どれも私が生でも観たことがあって、かなり面白い作品を作り続けている団体さんたちで、普段演劇は観ないという人も気軽に観られるこの機会に、是非ご覧いただきたいです。

※団体名にYouTubeチャンネルへのリンクを貼っています。ここから雰囲気を覗いてみてください!気になった団体さんはチャンネル登録!

柿喰う客:早口で誇張された独特の台詞回しやそこはかとなく漂うダークな世界観が魅力。4月12日まで演劇作品を全編まるごと公開中で、常時公開しているものもあるけど今ならいつもは公開していない作品も観られます。

悪い芝居:ドキッとさせられる台詞が多く、音楽とともに勢いよく展開されるポップな物語が小気味良い。
こちらも4月15日まで過去映像無料配信中。さらに4月4日から4月26日まで、毎日動画を配信する企画もやっている。作品解説などもあるので併せて観るとおもしろいかも。


範宙遊泳:舞台上に文字を投影して俳優の身体との化学反応を起こす作風で有名、私が劇場で観た『もうはなしたくない』は文字はなかったけどサイケデリックな音と光に酔いしれた。
常時配信してるのは動画としては2本だけだけど、時々期間限定で配信されてたりするので要チェックですよ!
※追記※4月10日以降、毎週金曜日の20:00に1本ずつ作品を公開していく予定。


素晴らしい作品をおうちで手軽に観られるのはたしかに喜ばしいことなのですが、演劇を映像で見るデメリットももちろんあります。そのひとつは、自分で視点を変えられないこと。全体を見ていたいのに、その時話している登場人物のアップの映像に切り替わって疲れてしまう、といったこともよく起こる。

それに演劇って、「今、自分の目の前で」起こっていることを目撃できる臨場感や興奮が醍醐味なのに、動画ではその前提が満たされない。私も地方に住んでいたころは劇場へなかなか行けなかったので、家でDVDを見ていればある程度満足できてました。でも、劇場という空間で観ることの魅力を知ってしまったのでもう戻れません…。

好きな時に劇場に行けないのがこんなにも精神を擦り減らすのかと、上京してからあまり感じることのなかった渇きを感じています。何のためにここで生活しているんだろう…とまで思うこともあります。

でも、色々な団体がそれに負けないように活動をしているんです。


演劇は創る人だけのものでもなければ観る人だけのものでもない、
関わる全ての人が互いに支え合ってやっと成り立つ芸術です。


私は、この状況だからこそ今できることを考えて実行する演劇人を讃えます。私もこういう活動を通じて何かに寄与できてたらいいなと、日々考えを巡らせます。演劇に救われてきた方、演劇に興味はあるけど全然詳しくないう方、演劇は人生だという方、どんな方でも構いません。せっかくこのような場があるんです、交流しましょう。演劇で私たちがつながれたら、その先で何か新しい価値を生み出せたら、素敵なことだと思いませんか。

〈LINK〉
いとうゆうかが演劇と日常を呟くTwitter


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