見出し画像

「神は細部に宿る」を実践してみる

お店を経営するようになってから、買い物やカフェなどに行くときにも経営する側の目線で店舗の作りを見るようになった。お店に入ったら「わぁ!おしゃれ」とか「落ち着くなぁ〜」とか「何か雑然としているな・・・」「汚い。。」いろいろな感覚が湧くが、どこからその感覚が湧いてきているのかを言語化しようとトライしてみる。それができれば、自分の店にもフィードバックできるようになるから。

わかってきたことは、細かなことにどれだけ気を配っているかによるということ。(当たり前だと言われるかもしれないが、自分で気づいたことが大きいので…)お店にあるもの、お客さんの目に触れるもの、一つ一つにどれだけ気を配っているかが、全体としての印象を生み出している。先日、ちょっとレトロな雰囲気のスープカレー屋に入った。概ね良い雰囲気なのだが、どこか雑な感じがするなぁと思ってふと見ると、テーブルの上に置いてあるスプーンやフォークを入れている入れ物が100均で買ってきたような安っぽいプラスチックの入れ物で油汚れで黒くなっていた。隣のテーブルのスプーン入れはスチール製のカゴっぽいものだった。ああ、こういうことか・・・と。よく見ると店内の至る所にそういうちぐはぐさというか「まぁ、これでいっか」としてしまっているモノが存在していた。別の日、札幌で有名な珈琲店「森彦珈琲」の本店に行ってきたとき、店内が本当に素晴らしかった。細かなところひとつ一つに気を配っていて、お店のコンセプトがしっかりと反映されている、とても素敵な空間だった。

どこまでお金をかけて、こだわるかというのは難しいところだが、ひとつひとつに対して、こういう理由だからこうしている、というのをこちら側がわかっておくというのはとても大切だ。ここは本当はこうしたいけど、費用対効果を考えたら、ここまでにしておく、これでもお店のコンセプトとしてはまだ許せる範囲だからとか、きちんと理由づけをしているかどうかだと思う。お客さんは、お店で過ごした時の印象を、言語化などしない。なんとなく過ごしやすかったとか、落ち着くとか、おしゃれとか、そんな感覚的なものでとらえるが、提供する側としてはそれらを言語化しておかなければならない。そしてそういう全体としての印象は、細部の積み重ねにより生まれているのだと心しておくべき。

それで、現在自分のお店を、そういう考えのもと細かなところに気をつけて改善していっているが、最近他のお店を学ぶ目で見るということがとても刺激的で楽しい。こういうところがこうなっているのか、と気を配っているポイントを発見して学ぶことが楽しい。やはり勉強はいいなぁ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?