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【15回連載! インタビュー企画 Vol.7】 ~インターン生から、インターン生達へ

ようびでは、地域人材の育成や、ものづくり、ブランディング等について実践的に学ぶことができるスクール事業やインターンシッププログラムをコーディネートしています。

そんなようびの様々なプログラムに、インターン生として参加してくれた就実大学·教育学部3年の由藤さんが、同じようにプログラムに参加された他のインターン生や、事業者様に、学生ならではの視点でインタビューをしてくれました。 現在連載で記事をお届けしています。ぜひご覧くださいませ。

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今回インタビューさせていただいたのは、「京もの担い手育成事業」のプログラムに昨年度参加していただいた、「池内友禅」の池内真広さん

京もの担い手育成事業のインターンシッププログラムでは、京都の若手伝統産業職人さんが抱える課題をインターン生と一緒に解決するワークショップを実施しています。

池内友禅では主に、「手描友禅染」という技法を用いて、着物や帯など様々な作品を制作されています。
また、池内さんは池内友禅から派生して生まれた「SOMEA」という、友禅染と財布やスカーフなどの服飾小物を掛け合わせたものを制作しているブランドも立ち上げられています。
どちらのブランドも、設立には「友禅染の可能性を広げたい」という想いが関係していました。

 ――今回のプログラムで一番印象に残っている活動は何ですか?

(池内さん) 全体的に、僕のことをたくさんの人がみんなで知恵を出し合って考えてくれた、ということが印象に残っていますね。自分には想像できていない考え方や意見があって、とても勉強になりました。

――今回インプットする機会が多くありましたが、1番驚いたことは何ですか?

(池内さん) 最後の振り返り会の時に学んだ「経営者の心得」ですね。経営者のするべきことや、経営者と社員の違いなどが理解できてすごく面白かったですし、自分が経営者として今後どうしていくべきかを教えていただけました。

あとは「お金のワークショップ」も価値観について今一度考えることができて印象に残っています。

――参加する前と後で何か変化がありましたか?

(池内さん) 自分の潜在能力のようなものを引き出してもらえたなと思います。

例えば、自分は人前で話すことに苦手意識があったのですが、今回のワークショップでは発言する機会が多く、ワークが進むにつれて自然と話せるようになっていて、自分は話すことが苦手なんじゃなくて、話すことに慣れていないだけだったんだなと気づかされました。そんな感じで自分に対して無意識に持っていた「できない」というバイアスを取り除いてもらえてとてもすっきりしました。

――ブランドができた経緯を詳しく教えてください。

(池内さん) 池内友禅の方は、手描友禅染は着物で用いられることが多く、着物以外でも自分たちの仕事を知ってもらう機会や窓口みたいなものを作りたくて創設したと聞いています。それまでは使う機会が和装の時しかなく、自分自身ももっと自分で作ったものを普段から使いたいという気持ちがあったので、SOMEAでは財布やスカーフなど日常生活に使えるものの商品化に挑戦しました。

――池内さんは大学で商学部に通われていたそうですが、それまでは家業を継ごうと思われていなかったのですか?

(池内さん) そうですね、就活するまで全く考えていなかったです。親の仕事について詳しく知らなかったですし、他の作家との違いとかも当時は正直あまり分かりませんでした(笑)

就活を始めたときに、もともと絵を描くことが好きだったので、そういう系統の仕事がないか探していた時に、家業について少し意識し始めました。そこから池内友禅の作品展に初めて行って、親の作品を見たときに「すごくきれいな仕事やなあ」と感じたんです。それが決め手になりましたね。

――作品に対するこだわりや強みを教えてください。

(池内さん) 池内友禅の方もSOMEAの方も「彩り」「潤い」「調和」が表現された作品になっているのがこだわりであり強みですし、着物などの和の雰囲気と相性がいいのは強みかなと思います。

――新しく作品を制作するときに、どのようにアイデアを出していますか?

(池内さん) 基本的に、お客様と対話しながら要望に沿ったものを作らせていただいていて、そこから新しいものが生まれていますね。お客様の求めていることと自分たちのやってみたいことを大まかに出し合って、すり合わせしていきながら商品を制作しています。その中で生まれた課題を解決して修正するごとに、新しいものが生み出されています。

――今後の目標や展望を教えてください。

(池内さん) 伝統工芸の「形」にとらわれないというか···こだわりすぎないことを意識しながら、人を感動させるような新しいものづくりをしたいです。自分たちの仕事は人を感動させる役割を担っていると思っているので、驚きがあったり、面白いと思われたりするようなことを、これからもどんどんしていきたいなと思います。

京もの担い手育成事業に関することから、池内さん自身のことまで、様々なお話を伺うことができました!

インタビューの回答の中で、お客様をとても大切にされているんだなと感じることが多々ありました。実際に池内友禅ではお客様の雰囲気や個性に合わせて着物を制作する「お誂え(おあつらえ)」をされていたりと、お客様に寄り添った考え方を持つとても素敵な工房だと思いました。

また、伝統工芸の技術や良さを生かしつつも、伝統工芸自体が少し身近に感じるような新しい方向性を開拓されていて、それは「伝統工芸の進化」という新しい魅力になるんじゃないかと思いました!
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京もの担い手育成事業を通じて、「『できない』というバイアスが取り除かれ、潜在能力のようなものを引き出された」、とお話しされる池内さん。
さらなるご活躍を楽しみにしております!
ご参加いただき、本当にありがとうございました。

※できるだけプログラム参加者様の思いや言葉をそのままお届けしたいという考えから、インタビュー内容についてはほぼ未修正で掲載しています。

SOMEA 

京もの担い手育成事業  https://jirei.youbi.me/2022/03/31/1667/


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