高橋 悠 クレプトマニア(寛解中)

クレプトマニア(窃盗症)で、万引きがやめられませんでした。今は盗っていません。「万引き…

高橋 悠 クレプトマニア(寛解中)

クレプトマニア(窃盗症)で、万引きがやめられませんでした。今は盗っていません。「万引きの被害者を減らすために加害者を減らす」・「万引きを未然に防ぐ」ことを目指して情報発信します。これが私なりの贖罪です。 https://kleptomania-dakkyaku.com/

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「クレプトマニア(窃盗症)」当事者だからできることをやりたいんです。

「クレプトマニア」をご存じですか? 日本語では「窃盗症」・「病的窃盗」などと言われます。 簡単に言えば、「盗みがやめられない」状態です。 万引き、置き引き、スリ、ロッカー荒らし…。 その窃盗行為は多岐にわたります。 クレプトマニアは依存症の一つです。 「わかっちゃいるけどやめられない」、簡単に言えばそういう状態です。 考え方がずれてしまっている、認知のゆがみがある状態です。 「お店のものはお金を払って買う」とか、 「他人のものは盗ってはいけない」という 当たり前のことが

    • 生きづらさがひょっこりと顔を出してきてくれた

      ずいぶんと久しぶりの投稿です。 先日、飲食店内にいる時に駐車場に停めてあった車が接触事故に巻き込まれ、警察に対応していただきました。 店内にいたら警官に声をかけられ、駐車場に行くことに。近くにいた年配の4人組の人が「荷物見ておくから貴重品もっていっておいで」と声をかけてくれたのでお礼を言って外に出ました。 その4人は駐車場で対応している場面を店内からガラス越しにちらちら見てました。 「何でそんなに気にするのかな?」というくらい、こちらを見る。 そして、その4人組が退店する

      • 生きづらさの原因と向き合うー性自認について

        久しく更新していませんでした。 既に自分のHPで投稿した内容ですが、わたしの性自認について書いてみました。 「100%女」ではない感覚 わたしは以前から、自分の性にしっくりこない感覚がありました。「100%女」ではないのです。でも男でもない。それをうまく表現する定義に出会ってきませんでした。それが入院時のサイコドラマをきっかけに、Xジェンダーという表現に出会いました。そして、「わたしはXジェンダーだ」と認識するようになりました。 Xジェンダーとは? X ジェンダーとは

        • 犯罪を続けたわたしが炎上騒動で感じる不安

          先日話題になった、自称メンタリストの動画。 生活保護やホームレスの問題が大きく取り上げられていますが、発言の中に「犯罪者は社会にいるのは問題だし、皆が迷惑する。だから〇すんですよ。」というものがあります。これは、「一度犯罪を犯したら、はいおしまい。」と言われているようで、クレプトマニアになり万引きを繰り返していたわたしにとってはなかなかきついです。そのような「一発アウト」的な考え方が、全体を通して伝わってきます。 「一発アウト」はキツい生活保護受給者やホームレスにはその状

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          「摂食障害の女性受刑者、7割が窃盗罪」 万引きを繰り返したわたしが今思うこと

          2020年12月27日の毎日新聞に、次のような記事が掲載されました。(有料記事です) 「全国の刑務所に収容されている女性受刑者のうち、食べ吐きを繰り返すなどの摂食障害がある受刑者が2018年で181人いた。5年前の調査時の1・5倍に増加。そのうち窃盗罪が約7割を占めている」というものです。 この窃盗罪での受刑者の多くがクレプトマニアだと思います。クレプトマニアとは万引きなどの窃盗行為を繰り返す依存症です。また、摂食障害とクレプトマニアはかかわりが深いと考えられています。

          「摂食障害の女性受刑者、7割が窃盗罪」 万引きを繰り返したわたしが今思うこと

          万引きに依存していたことを再認識

          クレプトマニアのわたしが盗らない日々を送れるようになって約1年半が経ちました。最近感じるこころの変化を記録しておこうと思います。 やたらと凹むようになったあるとき、仕事で失敗をしました。以前から自分の中で課題だと思っていた、他人とのやり取りでの出来事で、自分の主張を押し通そうとしすぎてしまいました。自分でも「言い過ぎてしまった」、「相手のことを考えられていなかった」などと思っていましたが、案の定先方から苦情が来てしまったのです。 以前から改善に取り組んでいた問題で、また同

          万引きに依存していたことを再認識

          わたしのクレプトマニア経歴がマンガになりました!

          わたしのクレプトマニア経歴をマンガにしていただきました! 摂食障害体験記 高橋 悠の場合作品はこちらです。 作者のおちゃずけさんとの出会い今回、わたしのクレプトマニア経歴をマンガにしてくださったのは、漫画家のおちゃずけさんです。 ご自身も摂食障害を経験されていることもあり、摂食障害についての作品も多く公開されています。 おちゃずけさん:ブログ / twitter おちゃずけさんとの出会いは、2020年6月の日本摂食障害協会主催のオンラインイベント「摂食障害を考える ー

          わたしのクレプトマニア経歴がマンガになりました!

          摂食障害を考える ー私たちの主張2020ー クレプトマニアについて発表しました!

          2020年6月7日(日)に、一般社団法人日本摂食障害協会主催のオンラインイベント「摂食障害を考える ー私たちの主張2020ー」に、発表者の一人として参加させていただきました。 発表までの経緯今回のイベントは、「世界摂食障害アクションディ 2020」に関連するものです。 もともとは通常のイベントとして企画されたものでしたが、新型コロナウイルス感染拡大によりオンラインイベントになりました。 このイベントでは、摂食障害で困っているご本人とご家族、治療や支援に関わる人々など、様々

          摂食障害を考える ー私たちの主張2020ー クレプトマニアについて発表しました!

          会食機会が減るのは摂食障害であるわたしにとってありがたい気もする

          わたしはクレプトマニア(窃盗症)でもありますが、長く摂食障害を抱えています。 摂食障害もクレプトマニアも依存症の一つで、このふたつはかかわりが深いと考えられています。 「摂食障害とクレプトマニア」 今回は摂食障害に対するコロナの影響について、考えてみました。 コロナの影響で摂食障害の症状悪化コロナによる外出自粛などの行動変容の影響により、摂食障害患者の症状悪化が懸念されています。 日本摂食障害協会が行ったインターネットによるアンケートでは、6割以上の患者が症状悪化を訴

          会食機会が減るのは摂食障害であるわたしにとってありがたい気もする

          依存症が深刻化しやすい世の中 クレプトマニアも同じです

          コロナウイルス感染拡大により非常事態宣言が出され、日常生活に大きな影響を及ぼしています。 先行きの見えない不安の中、アルコール依存症やギャンブル依存症が注目されています。 精神的なストレスが強くなることで、依存症の症状が強くなりやすいからです。 同じ依存症であるクレプトマニア(窃盗症)も症状が悪くなりやすい状況にあると言えます。 わたしは定期的にクレプトマニア専門医を受診していますが、そのとき主治医から、万引きをやめられていたクレプトマニアが再犯し、捕まってしまった人が何人

          依存症が深刻化しやすい世の中 クレプトマニアも同じです

          ラジオ体操のススメ

          新型コロナウイルス感染拡大防止のため、外出自粛要請が出されていいます。 家にいる時間が長くなれば、運動不足になりやすいですし、ストレスもたまります。 身体を動かすことは気分転換にもなるので、定期的に行いたいところです。 そこで自宅でもできる運動として是非お勧めしたいのが、ラジオ体操です! みんなが知っているラジオ体操ラジオ体操のすごいところの一つは、その認知度の高さです。 老若男女、多くの人があのラジオ体操の音楽を聴くと自然と身体が動きます。 正しくできるかと言われる

          コロナウイルスの影響 仲間とのつながりの大切さ

          2020年3月、世界のあちこちで新型コロナウイルスの感染拡大が報告され、日本では2月頃からいろんな場面で生活への影響が出てきました。 クレプトマニアという依存症患者の一人として、新型コロナウイルスの依存症への影響を考えてみました。 依存症の回復には自助グループが有効今回の新型コロナウイルス騒動の影響で一番強く感じたのは、自助グループへの影響です。 自助グループは同じ悩みを抱えた当事者同士が集まり、依存症からの回復に向けてお互いに励ましあいながら活動をしている団体です。

          コロナウイルスの影響 仲間とのつながりの大切さ

          新型コロナウイルスの依存症への影響

          世界のあちこちで新型コロナウイルスの感染拡大が報告されています。 日本では2月頃から、いろんな場面で生活への影響が出てきました。 クレプトマニア(窃盗症)という依存症患者の一人として、新型コロナウイルスの依存症への影響を考えてみました。 依存症の自助グループとは?今回の新型コロナウイルス騒動の影響で一番強く感じたのは、自助グループへの影響です。 依存症の自助グループは同じ悩みを抱えた当事者同士が集まり、依存症からの回復に向けてお互いに励ましあいながら活動をしている団体で

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          映画「PRISON CIRCLE」 語り合い・コミュニケーションで犯罪を抑制する

          現在、渋谷のイメージ・フォーラムで映画「PRISON CIRCLE」が上映されています。 映画の舞台は島根県の「島根あさひ社会復帰促進センター(島根あさひ)」という、官民共同の新しい刑務所。 その中で行われている再犯防止プログラム「回復共同体(TC)」に2年間密着取材した、ドキュメンタリー映画です。 窃盗という犯罪行為に依存してしまったわたしにとって、とても興味深い内容であり、短期間に2回観てしまいました。 もう一度見たい、そう思わせる内容でした。 TCユニットとは?こ

          映画「PRISON CIRCLE」 語り合い・コミュニケーションで犯罪を抑制する

          依存症は「否認の病」 社会的偏見が否認の病を助長する

          クレプトマニア(窃盗症)を含む依存症は「否認の病」と言われます。 その理由や、社会背景による影響について書いてみました。 依存症はなぜ否認の病と言われるのか?依存症における否認とは、「自分が依存症であると認めないこと」であり、依存症の人は多かれ少なかれ誰もが持っている心理とされています。 「自分は依存症ではない」と依存症を全く認めないことに加え、「やめようと思えばいつでもやめられる」、「依存症だと思うが、それほど重症ではない」などと考えることも、実際よりも問題を軽く考えて

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          両親の旅行が決まったことで思い出したクレプトマニア的思考

          両親が6月に海外旅行に行くそうです、10日ほど家を空けるとのこと。 そんな状況で思い出すのは、前回両親が海外旅行に行った頃のことです。 前回両親が旅行に行った頃のこと両親が前回海外旅行に行ったのは約1年半前。 その頃わたしは、毎日万引きをする生活を送っていました。 そして、それを誰にも言わずに来る日も来る日も万引きをしていました。 通勤途中も、仕事中も、お風呂に入っていても、そして夢の中でも、万引きのことを考えていました。 万引きのことが頭から離れず、文字通り寝ても覚め

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