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【LoR】WORLDS観戦ガイドが良かった話

『Legends of Runeterra』(LoR)にはがっかりさせられることが多い。
わずかな期待を抱いていた新環境も、「この環境でWORLDSやらされる選手たちがかわいそう」という感想しかなかったが、しかし、素晴らしい試みもあった。

それがこちらのWORLDS観戦ガイドだ。

知らない方のために説明すると、LoRには一年間のシーズン通して地域別に行われるゲーム内のトーナメントと、トーナメントを通じて選ばれた64名の選手たちが栄光を目指すWORLDSがあり、
つまり、世界一のプレイヤーがここで決まる
『League of Legends』や『Varolant』と同じように、この競技的な性質をこそRiotは非常に重視している。

その観戦ガイドが更新された。

観戦ガイドというとなにやらわからぬようだが、実態は出場選手たちへのリスペクトブックだ。彼らそれぞれの経歴や見どころに少なくない行数が割かれ、事細かに記されている。

この記述が良い。

茂里憲之氏chomosh氏を好き同士ということで私も内心推しているKeih選手についても、

Keih - 今年のグローバルポイントリーダーとしてWorldsに参戦するKeih選手は、私たちが想像しうる中で最もオフメタなデッキを見せてくれました。Keih選手が駆使するのはカリスタ/グウェンのビルジウォーターデッキかもしれないし、アニビアかもしれないし、はたまた複数の試合で9回使用された「英雄たちの鼓舞」デッキかもしれません。Keih選手はまさにデッキのワイルドカードであり、その特質はWorldsに出場する対戦相手を震え上がらせる脅威でしょう。相手が右を向けば、真上から打ち込んでくる──それがKeih選手なのです。

WORLDS観戦ガイド APAC地域より

とのことで、なんともかっこいい。確かな研究結果に基づいた思いもよらないメタを打ち込む、テクニカルなデータファイターとしての姿がありありと浮かんでくるようではないか。

さらにここから立ち入って、本人の言をも合わせれば、テクニカルな戦術経験を帯びながらもメタに対する理解と、それにある種の冷徹さを深めた、彼自身の物語も見えてくる。

物語を帯びた選手たちの姿はまるでプロゲーマーのようであるし、実際賞金を得ながらこのふざけたゲームの環境でしのぎを削り頂を目指す彼らはまさしくプロゲーマーだ。

そんな記述が実に64人分も用意されている。

これまでのDCGの一般人を対象にしたトーナメントというと私たちの脳裏にはもちろんあの事件が浮かぶのだけど(あえてリンクは貼らないが)、選手をこれほどまでにリスペクトしたトーナメントが、果たして今まであっただろうか。LoRには「これまで」とは一線を画す「新しさ」という最大の武器がある、ということが、改めて私には感じられた。

世界の甲羅 ヘイショー》からヘイショーを踏み倒せるのがヤバいなんて子供にも分かるギミックのミスが起こったっていいじゃないか。なにせこれは「新しい」カードゲームであり、新人がカードを何段にも渡って刷るという行為が、無謀な航海になりがちなのは避けようのない運命だ。

その海を越えた向こうに広がる景色が、今は見たい。

荒波に揉まれた宿命の航路は、一体どこに行き着くのだろうか。
私はもう、WORLDSから目が離せない。

(※WORLDSは12/15~12/17の三日間。こちらチャンネルで視聴できます)


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