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結果に於いては日記(2023年11月9日)

早めの夕飯を食べにガストに入る。タブレットでメニューをスライドさせていると、そばの厨房出入り口からどでかい白い何かがスムーズに出てきた。猫型配膳ロボットである。常々かわいいの頂点にいるのは猫か子犬かと思っているが、猫に愛想よくされた経験はない。犬にも噛まれた経験しかない。動物と相性が悪い、が今回はロボットである。

彼もしくは彼女は、向こうのテーブルにデザートを届けている。
まるで本物の猫を見かけたときのように、わたしは注文も忘れて猫だけを見つめていた。

まるで道端で鳴き声を真似して猫を呼ぶも興味なさげに去っていかれ、でもそれすらどこか猫の気高さにあてられたようで嬉しい傍から見れば変質者のわたしである。ここはファミレスだというのに、猫型ロボット一台でわたしは突然猫だけを目で追うロボットになった。

もう一度言うが、彼もしくは彼女は向こうのテーブルにデザートを届けていた。パフェ美味しそう。

(ハッ……!? 注文すればロボットがきてくれる!?!???!)
(突然のIQ300)

やっと目の前の景色を脳が理解したのである。遅い。IQ300ないし、IQ2である。

すかさずタブレットに戻り、注文。
わくわくしながら猫型ロボットを待つと、軽快にやってきた。
「お待たせ致しました」

流暢な丁寧語。人間だった。


人間…………オデ……ニンゲン、キ…

いや待て待て、そういう、……そういうこともあるね!

さてお食事。

腹八分目というところ。デザートを注文。
いつもは食べないのに、もう一度チャンスを!と願った。


きたのは人間だった。



猫は!?!?!?!?!!?!??!?!?!??!?!
猫ちゃんは!?!?!??!?どうして?!?!!どうしてなん?!?!?!?!??!?!?!?


泣けるのである。
向こうのテーブル、いくつかにはひっきりなしに猫がいく。
どうして……どうして…愛してくれないの……

人間の配膳は所作素晴らしく。
笑顔も言葉遣いも申し分ございませんでした。
ありがとう素敵なガスト。素敵な接客でした。

結局、本物の猫にも、ロボット猫にも塩対応されるさだめなのかも知れない。そういうものですかね。
えぇえぇ、焦れますわね。また来て差し上げますわよガスト!!(IQ2)

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