見出し画像

安定

ゆらゆら帝国の『男は不安定』という曲が好きだ。

「ファンタスティックな夜だぜ」
「不安でスティックが折れたぜ」

世界で一番好きな韻の踏み方である。

自分が不安定になったときはだいたいこのがちゃがちゃした曲が頭を駆け巡り、このフレーズが永遠にリフレインする。
この曲のおかげで自分の精神の急降下の度合いがすこしはマシになっていると思うのでとてもありがたい。

わたしはそもそもあまり安定感がない人間だ。
いつも不安だしいつも悩んでいるしいつも苦しんでいる。かと思えば異常なまでに動きまわったり、まわりからは「いつも楽しそうだね」と呆れ半分に言われたりする。人一倍びびりだが調子がいいと思い切ったことをする。一貫性がないのだ。

そんな、ぜんぜん安定していないのが自分、なんだとずっと思ってきた。
そういう気質だし、それで良いし、欲をいえばそれを認めてほしいと思ってきた。今でもずっと思っている。

でもここ数ヶ月でいろんなことが重なり、なんというか、とりあえず一回やってみようという気分になってきた。ずっとずっとちょっとした刺激にびっくりして傷ついたり泣いたり恨んだりしてきたけれど、なんかもう疲れてしまった。
今がんばってみて、それでこの先そのしんどさを感じなくなるというならやってみる価値はあると思った。

安定がすべてとは思わないけれど、ぐらついたときに自分でさっと均衡を取れるような人間になりたい。

しんどいとき、つらいことがあったとき、だいたい恋人やら親しい友だちやらにすぐに連絡してしまい、だれともつながっていない瞬間に息ができなくなるような感覚におちいる。それを自分でもやめたいと思っていたのだけれど、これまでなかなかうまくいかなかった。

いま、はじめてzineを作ろうと思って文章を書こうとしている。
そもそも文章を書くのが好きなのだけど人に見せる文章はどうしても書けないという変なプライドを持っていて、でもなにか、やらざるをえないきっかけがないと私は一生このままだろうと思って、それでまず第一歩としてzineのために文章を書くことにした。奇妙なことに、それをきっかけに「やらなきゃいけないことがあると別のことをする」性質のわたしは、ずっと書けなかったnoteの記事を書くことができた。
(つまり、この時期を過ぎればきっとまたぱったりnoteも書かなくなるだろう、自分でもわかっている)

そしてそうしていると、いつもよりは友達や恋人を死にものぐるいで求めなくても大丈夫かもしれない、と感じた。
これまでも日記だけはぐるぐる同じことを連ねながら続けてきたけれど、日記とはまた別の効能があるかもしれない、という気がする。

別に安定した人間にならなきゃと思っているわけじゃない。安定してないのが自分だと今でも思うし、それが悪いこととも思わない。安定してない私のことを嫌いなひとは嫌いになってくれてもいいよ、しかたない、と思う。
だけどこれからほかにも安定できるものを見つけていって、自分自身があまりの不安定に苦しくなったときには最終的には、「ん?安定してますけど?」と安定しているふりをできるようになりたいな。


めちゃくちゃ良い曲です。
マラカスもいいけどベースも最高。
もちろん歌詞もギターもドラムもダンス(?)も最高。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?