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母乳育児と歯の健康【授乳期】

母乳育児には様々なメリットがあることが知られていますが、むし歯や歯並び、口腔機能に対してどのような影響があるか、ご存じでしょうか?

「母乳はむし歯を増やす」は本当?

むし歯は、細菌が糖分を分解して酸を産生することが原因で発生します。

しかし、母乳がむし歯リスクが高いかというとそうではありません。母乳はあらゆる飲料や食品と比べても糖分量は低く、母乳のほうが粉ミルクよりもむし歯の発生率は低いという研究結果が出ています。
具体的には、「生後 12 か月まで」は母乳育児で育てたほうがむし歯のリスクが低くなるようです。

母乳育児は歯並びにもよい影響

母乳育児(直接授乳)はあごや口の筋肉を発達させ、歯並びによい影響を与えることが報告されています。これについては、以下の記事でもまとめています。

直接授乳や、一部の「吸わないタイプ」の乳首の場合、一般的な哺乳瓶での授乳で育った場合よりも、離乳食で繊維性の食品の摂取ができるようになるのが早い傾向があるという研究結果もあります。つまり、授乳期に咀嚼筋を使っているかどうかは、そののちの離乳食の進み具合にも影響するといえます。

そうして身についた咀嚼の習慣や口腔機能の発達は、その先の歯並びにも影響します。
ただし、歯並びには、授乳方法以外にも多くの要因があり、母乳育児かどうかだけが決めるものではないことに注意してください。

まとめ

母乳育児は、むし歯や歯並びに悪い影響を与えることはなく、むしろ良い影響があるといえます。
あくまでも、むし歯予防や歯並びを改善するのに重要なのは、まずは親自身の口腔衛生の習慣(歯磨きなど)と、健康的な食生活です😤 母乳育児に限らず広い視野で子どもの健康を育んでいきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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参考文献
・イギリス政府. Delivering Better Oral Health 第10章
・Avila WM, Pordeus IA, Paiva SM, Martins CC.(2015). Breast and Bottle Feeding as Risk Factors for Dental Caries: A Systematic Review and Meta-Analysis. PLoS One. 18;10(11)
・sho「母乳とミルク。イデオロギー論争から離れて知りたい科学的事実。」https://note.com/sho_x/n/n797884ea168b


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