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小説

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#本名

充電器

                    
「はあ、金足りっかな…」
電柱の明かりだけが辺りを照らしている。人影の乏しいコンビニエンスストア。電気だけが存在するコインランドリー。どこかから聞こえるバイクの音。そんな中に一人、俺はない行く先を探して迷っていた。そう。いわゆる俺は家出少年なのである。簡単に言えば、親と進路の方針が一致しなかった。医学部に行って自分の後を継いでほしい父と、法学部に行って弁護

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