思いつき小説


生存確認半分、暇だったので割と適当に。
いつもよりも見切り発車なので、生暖かい目でお願いします。



からん、とコンクリートの床に薬莢が落ちる。
目の前に居た男は、ぐしゃりと崩れ落ちる。
ソレを少しの間見つめ、足につけたガンホルダーに拳銃をするりと戻す。

「…甘い男。」

後ろを向き、会場に戻る前にちらりとソレをにらみつける。

自分をおびき出すにしても分かり易すぎだ。
これで同業者とは嘘のようだ。
しかし、事前に見ていた写真によると、間違いなくコレは”暗殺者”だ。

戻る途中に、会場から壮大な物音が響いてくる。

……面倒な仕事を受けてしまったようだ。本当に、面倒だ。

首をふるふると振り、がっくりと肩を落とす。
自分で受けてしまった依頼だし、最後まで責任は持たねば。

「はーあ…。もっと楽な仕事ほしーい…」

ぼそりと呟き、隠していたナイフと、先程戻した拳銃を取り出し、くるりと回す。


会場に入る両扉を開け放つと、そこはすでに血の海。
一瞬でこちらに飛んでくる鉄の匂いと殺気と男達に、ニッコリと微笑む。

「あーら、そっちから来るなんてウレシイこと。」

武器を装備した敵達に、こちらも武器を構えて待つ。

「でも、私乱暴なのはキライなの」

舌なめずりをし、ナイフを振るいながら後ろへ飛ぶ。
動かないと思っていたであろう男達はその行動に驚いたのか、止まれずにナイフの斬撃を食らう。
とはいえ、相手も比較的戦える人間達なのだろう、つけられたのはかすり傷程度だ。

「めんどくさい男もキラーイ」

呆れた顔をしながらも、拳銃を撃ち込む。ナイフの攻撃と動きに翻弄された三人の人間が心臓に風穴を開けて倒れる。

「くそが…」

男の一人が痺れを切らしたように舌打ちをし、ナイフを片手にこちらに向かってくる。

「あーら、頭の弱いヒトねぇー。正面から来たって返り討ちにされるだけよぉー?」

わざと煽るように良い、腰を落とす。
この男は、彼らのリーダーだ、ということは写真で確認している。
完全に無力化しなければ。
煽りに乗った男は怒りに塗れた形相で何も考えずに突っ込んでくる。
それを軽くいなして後ろに回り、背中にナイフを突き立て、抜く。

「ぐあっ!?」

勿論これだけで死ぬとは思っていない。完全に無力化するために倒れた男の背中をヒールで思い切り踏む。

「さて、貴方達のリーダー様はここで倒れているけど、どうしましょうね?」

拳銃を彼らに向けながら問う。
その言葉とリーダーの様子に、彼らは困惑した様子だ。

「今すぐその刃物を自分のお腹に突き立てるのと、私にリーダー様みたいに殺されるの、どっちがマシ?」

こてん、と首を傾げ、先程よりももっとニッコリと笑う。
知り合いからは怖い笑顔、と言われるが、自分は問いかけているだけだ。

その笑顔を見た彼らは震えながら自分のナイフを自分自身に突き刺していく。

「あーあ、血みどろねぇ…」

全員が全員、苦しみたくないのか、刃物を奥まで突き刺し、引き抜く。
そのお陰で会場の血溜まりがどんどんと広がっていく。

「さてと、お仕事も終わったし、早くシャワー浴びたいし、かーえろ」

ふんふんと鼻歌を歌いながらまっすぐと出口へ向かう。

時々ぐちゃり、ぬちゃりとナニカを踏みつけながら、しかし振り返らずに、避けずに歩く。面倒くさいし、さっさと帰って体を洗いたい。

「あーあ、でも、靴も汚れちゃったし、新しいの買おっかなー…」

ぴちゃぴちゃと雫の垂れる靴を忌々しそうに見ながら、出口の扉を開き、会場を出る。

ああ、次はもっと楽な仕事が良いなあ…。



思ったよりも血みどろになってしまった。申し訳ない。
でも今までよりかはアクションが書けている気がする。多分。

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