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PolkadotのParachain、Parallel Financeについて知ろう

こんにちは、you425です。

今回はParachain紹介シリーズ第十回、Parallel Financeについて書きたいと思います。

Polkadotって何?という方はこちらをどうぞ。

※個人の解釈や感想が強めに出ますのでお気をつけください。


1.Parallel Financeとはどんなプロジェクトか?

まず基本情報です。

Polkadotでの名称:Parallel Finance($PARA)
Kusamaでの名称:Heiko Finance($HKO)

KusamaはPolkadotのカナリアチェーンとして作られているため、Polkadotに実装前の機能を先行して実装していきます。
その為、各Parachainもそれに対応したり自分たちも実験的な機能を実装するためにKusama用にParachainを用意することが多いです。

これからPolakdotのPLOに参加するという方は、Kusama用のチェーンがどのようになっているかをチェックするといいでしょう。

Parallel Finance(以下Parallel)はマネーマーケット(レンディング)&リキッドステーキングプロトコルです。
他のリキッドステーキングプロトコルと違い、レンディングの機能があるたレバレッジをかけたステーキングが可能で、NPoSのスラッシュに対して保険をかける構造もついています。
Polkadot以外にEthereumでも稼働予定です。

かなり大手のVCから出資を受けており、期待値の高さがうかがえます。
W3FからのGrantも1度受け取っています。

パートナーもメイン所のParachainは抑えています。
後述するLiquid Crowdloanを見ても分かりますが、多くのParachainと協力してクラウドローンを促進しています。


2.全部盛りリキッドステーキング

リキッドステーキングに関してはBifrostの記事で解説していますので、今回は触れません。詳しくは以下リンクから直接項目に飛びますのでどうぞ。

Parallelの場合、リキッドステーキングだけではなく様々な機能を追加しています。

Insured Staking

PoSタイプのブロックチェーンの多くは、バリデーターが悪意のある行動(停電などの事故的なシャットダウンも含む)をとるとステーキングしているトークンがスラッシュ(罰金、内容によって割合が変わる)されます。
これは、DPoSやNPoS等でバリデーターにステーキングしている一般ユーザーも同じようにスラッシュされます。

ParallelではDAppからステーキングする場合に少額の使用量を徴収し、万が一スラッシュが起きた場合に徴収した使用料からスラッシュ分を補填することが可能です。

Algorithmic Staking

上記の通り、バリデーターによってはスラッシュを繰り返しユーザーの資金を危険にさらす可能性があります。
また、コミッション(手数料)はバリデーターごとに設定できたり、NPoSではノミネーターの上限が決まっている(上限オーバーしていてもステーキング自体は出来てしまい、上位のアカウントから報酬を得る権利が発生する)ためどこにステーキングしても最良の報酬が貰えるというわけではありません。

そこでParallelでは設定されたアルゴリズムにより各バリデーターを評価し、ユーザーがステーキングしたトークンを自動で割り振る機能があります。

Margin Staking

リキッドステーキングの機能を利用し、ステーキングしたDOTに対してxDOTを獲得します。
そしてxDOTを担保にDOTを借りて再度ステーキングすることでレバレッジをかけたステーキングをすることが可能です。


3.Money Market

所謂レンディングプロトコルです。
貸し借りや上記のリキッドステーキングで取得した合成トークンも担保に出来ます。
将来的にはステーブルを発行する計画も有ります。


4.Auction Loan

PLOのクラウドローン用DAppです。

通常はクラウドローンに参加するとPolkadotでは最大96週間、Kusamaでは最大48週間トークンがロックされますが、ParallelのクラウドローンDAppを利用するとcDOT/cKSMという形で合成トークンを受け取り、上記のMoney Marketで運用可能です。

画像の通り、今回は初回ということもあり追加のボーナスがかなり出ます。
今後もこの数値で続くとは考え難いですが、Paralellからのボーナス+各プロジェクトのボーナスということもあり、ほとんどのプロジェクトで最高率を出すことが出来ます。
このDAppから参加した第1バッチのプロジェクトがPLOで勝利できなかった場合、DOTを回収せずに引き続き参加して第2バッチで勝利することで$PARAのボーナスを25%増やすというアナウンスはありました。

ただし、Parallelのマルチシグアドレスを使う都合上、Parallel側から各プロジェクトにアドレスの共有をしない限り貢献者として認識されることが無いのは注意が必要です。
また報酬はウォレットに直接配布されず、Rewordページブロックごとにロック解除されるトークンを自分で取りに行く必要があります。

実績としてはかなり高く、Binanceより少し少ないくらいの量がParallelを利用してクラウドローンにロックされています。
分析ページから確認可能です。


5.クラウドローン情報

残念ながらこの記事を書いている段階でPolkadotのPLO第1バッチの第4オークションで勝利しています、間に合わんかったよ…。
Parallelおめでとう!

参考までにどのようなキャンペーンを行っていたかは書いておきます。

総供給:100億PARA
クラウドローンアロケーション:12.5%、2.5%は将来のクラウドローン用にリザーブとパートナープロジェクトへの参加ボーナスへの割当
基本報酬:33PARA/1DOT(公式から参加)・25PARA/1DOT(ウォレット等から参加)
貢献上限:40,000,000DOT
ボーナス:
・公式ページから参加で最大+40%(10万DOTまで)
・リファーラル 紹介者5%・被紹介者5%
・ランダムで1000アカウントにNFT配布(プラットフォームでの特典有)
・公式DAppから他のプロジェクト参加で4PARA/1DOT
・12.5億枚で余った分は貢献量に応じて配布
配布:
・2年かけてロック解除

ボーナスを見ると分かりますが、おそらく第1バッチのクラウドローンでは最大のボーナス量だと思います。
また、Astarと同じくトークンセールを行っていないというのも特徴です。

Astarとは第3オークションで接戦を繰り広げ、惜しくも敗れましたが第4オークションでは危うげなく勝利しました。

大口のクラウドローン参加が多く、バックの強さがうかがえます。


6.まとめ

ということで、今回はParallelについての記事でした。

内容的にはAcalaやBifrostと被る部分があり、足して2で割ったようなプロジェクトに感じます。
ステーキングをアルゴリズムで最適化してくれるのはうれしいですね。

ドキュメントを読んだ範囲だと詳細が分からないところが多々あり、獲得できる合成トークンの償還レートが不明だったり、HPに唐突に出現したxpDOTという謎の合成トークンがあったりと、もう少し痒い所に手が届くと嬉しいと個人的には思いました。
多分HeikoのPLOが終わった直後にPolkadotのPLOの発表があり、即第1バッチに参加したため手が回りきってないんだと思います。
クラウドローンDAppの都合上、色んなプロジェクト連携必要だし…。

とはいえクラウドローンDAppのインターフェイスは分かりやすいし、それなりに作り込まれてるので好印象です。
頑張って間に合わせたんだね…!

内容的にも重要な部分を抑えており、バックが強い事もあり今後も影響力を持つプロジェクトであると思います。

今回はこれで終わります。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
次回はInterlayについて紹介する予定です。

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