見出し画像

PolkadotのParachain、Bifrost Financeについて知ろう

【2021/11/12】SALPにfDOTについて追記

こんにちは、you425です。

今回はParachain紹介シリーズ第五回、Bifrost Financeについて書きたいと思います。

Polkadotって何?という方はこちらをどうぞ。

※個人の解釈や感想が強めに出ますのでお気をつけください。


1.Bifrost Financeとはどんなプロジェクトか?

画像1

まず基本情報です。

Polkadotでの名称:Bifrost Finance($BNC)
Kusamaでの名称:Bifrost Finance($BNC)

KusamaはPolkadotのカナリアチェーンとして作られているため、Polkadotに実装前の機能を先行して実装していきます。
その為、各Parachainもそれに対応したり自分たちも実験的な機能を実装するためにKusama用にParachainを用意することが多いです。

これからPolakdotのPLOに参加するという方は、Kusama用のチェーンがどのようになっているかをチェックするといいでしょう。

といいつつ、今回のBifrost Financeは同じチェーンをそのまま使いますので参考ではなく内容そのままです。
詳しくは後ほど。

Bifrost Financeはステーキング等でロックされる資産に流動性を提供するクロスチェーンネットワークです。
Financeとついている通り、DeFi系のParachainプロジェクトです。

スマートコントラクトプラットフォームではないので、自分たちでプロダクトを提供しています。

キャプチャ

キャプチャ2

ご覧の通り、今まで紹介したプロジェクトと負けず劣らずの充実っぷりです。
流動性の開放はPoSタイプのブロックチェーンにおいては超重要課題ですし、BifrostのクロスチェーンはPolkadotに限らず色々なチェーンに対応していく予定なのも有り幅広いパートナーがいます。

W3Fからの出資は1回ですがsubstrate builders programやweb3.0 bootcampの参加メンバーですし、Polkadot系のイベントにもよく出てきていることから主要プロジェクトの一角であることがわかります。


2.PoSタイプの課題

PoS系のブロックチェーンでは、ステーキングしてもらうことでチェーンのセキュリティを担保することが出来ます。
これは、各バリデーターのステーキング量=ブロックへの合意投票力になるためです。(PolkadotのNPoSは少し違いますが今回は割愛)

しかし多くの場合バリデーターにステーキングするよりDeFi等で運用した方が利率がいいため、ステーキング量が減りセキュリティ能力が落ちやすいという問題を抱えています。

Bifrost Financeはこの問題を解決するため、バリデーターの間に挟まって一度トークンを受け取り、ステーキングを代わりに行い債権のような形でトークンを渡します。

このトークンは売買することが出来るため、ステーキングをしながら他のDeFiで運用したり一度法定通貨に戻して買い物すること等様々な運用ができるようになります。

まだまだこの領域は発展し始めたばかりで、全てのPoSチェーンには必須だと思われます。

Fantomでは垂直統合型で実装されていますが、プラットフォームが自分たちで開発しているのはほとんどありません。

最近ではリキッドステーキングでLIDOが流行り始めていますが、実はBifrostは去年12月のEthereum2.0ステーキング開始の時点で始めていました。
かなり動きが早いです。


3.SLP(Staking Liquid Protocol)

Bifrostではステーキングの流動性を開放するプロトコルをSLPと呼んでいます。

SLPではステーキングされるトークンに対し、vTokenというものを発行します。
vはvoucherのvで、証明や引換券の意味を持ちます。

例えばETHをSLPでステーキングするとvETHを受け取けとります。
既にvETHはUniswapで流動性が提供されていて、ETHにスワップして運用することが出来ます。

注意点として、1Token=1vTokenではありません

vTokenは、本体+利回り分の価値があるため、徐々に価格が上がっていきます。

例として、1ETHステーキングして1vETHを受け取とるとします。
ステーキング中に利回りで0.05ETH発生した場合、1vETH=1.05ETHという風になります。
まさしく債券ですね。

BifrostはEthereumやPolkadot、KusamaだけでなくEOS/IOST/Cosmos/Solana等様々なチェーンにまたがりSLPを提供しようとしています。


4.SALP(Slot Auction Liquid Protocol)

画像4

Bifrostが解放する流動性はPoSのステーキングだけではありません。
PolkadotとKusamaの最大イベントである、PLOでロックされる資金の開放もし、この機能のことをSALP(Slot Auction Liquid Protocol)と呼びます。

BifrostのDAppからSALPに対応しているパラチェーンのクラウドローンに参加することで、vsToken(vsDOT/vsKSM)とvsBondを受け取ります。
vsはvoucher slotの略です。

画像5

vsTokenはSLPのvTokenとほぼ同じで、DOTやKSMとスワップしたり流動性の提供等の運用ができます。

大きな特徴はvsBondで、トークンの名前はオークションに買ったとき決まります。

命名法則は以下のようになります。
vsBond + プロジェクトネーム + スロットリース期限
例) vsBond-Bifrost-2022-06-01

ややこしいですね…!

重要なのは、クラウドローンに使ったDOT/KSMを償還するにはvsTokenとvsBondが1対1で必要なところです。

2つに分けて分かり辛いことになっていますが、vsBondを作成したアドレスがクラウドローン参加者リストに含まれ報酬を受け取ります。

また、vsTokenだけでなくvsBondも売買することができます。
こちらはAMMのようなスワップではなく、NFTの様にリストで販売します。

vsBondの売買期間は3か月のみなので、もし販売した場合は3か月以内に買い戻す必要があります。
失ってしまった場合は、vsTokenを売って元のトークンに戻すことが出来ますが、おそらく損失が出ます。

ポイントはvsBondさえ保持しておけばvsTokenの価格がいくらになっていても1:1で元のトークンに戻すことができるので、うまく売買できる自信がない場合はvsBondはそっとしておくのが得策だと思います。
スロットのリース期限がトークン名に書いてあるので、メモ帳くらいのノリでもいいかもしれません。

画像9

今現在はvsTokenとvsBondのマーケットがまだ開かれていないので、実装されればもう少し詳しく分かると思います。
その代わりにvsTokenとvsBondをステーキングすることでファーミングをしていました。

画像7

【追記】
追加でfDOTの発表がありました。
vsDOTとvsBONDを合体させることで発行することが出来ます。
vsBONDと同じようにfDOT-2022-06-01というように日付が入ります。

vsBONDが非常にわかりづらいので、合体させて取引できるようにした、という認識です。
fDOTとDOTは1:1で償還することが出来ます。

vsDOTとの住み分けは以下のようになります。
vsDOT:流動性が高い・他のプロジェクトのvsDOTもあるため価格が読みづらい
fDOT:日付ごとにプールが別れるので流動性が低い・最大量が決まっていて価格が読みやすい(割引率が決まっていて償還日が近づくとfDOT:1DOTの価値に近づいていく)


5.クラウドローンの情報

Bifrostは今のところ初回のPolkadotのPLOに参加するか表明していませんが、おそらくまだ参加しません。

Bifrostは現在KusamaのParachainとなっていますが、メインネットの運用は一つとしているのでKusamaのスロットリース期間が終わったタイミングでPolkadot側へと移行すると発表しています。

その為、PolkadotのPLOに参加するのは来年の第3バッチ以降だと僕は予測しています。(もちろんすぐ参加する可能性もある)

ですがPolkadotの第1バッチでSALPの提供をすることを発表しているので最初はParathreadとしてつながって機能を利用できるようにするのだと思います。

それではKusamaの時のクラウドローン戦略を見ていきましょう。

BNC分配比例2021-06-12

総発行量の3.75%がKusamaのクラウドローンに割り振られました。
基本報酬は11BNC/1KSMです。

これだけ見るとかなり少なく感じますが、発行したvsTokenとvsBondをステーキングすることで$BNCを得ることが出来るのでもう少し多くなります。

画像10

他にも事前登録をすることで参加することが出来たMint Dropというものがあり、こちらでもエアドロップがありました。

それと恒例の招待ボーナスが5%です。

オークション中にここにさらに追加ボーナスが発生しました。
BifrostはKusamaPLOの第1バッチ5戦目で勝利したのですが4戦目でKhalaとかなりの接戦を繰り広げていたのでインセンティブを増やしたということですね。
そのあとのBasiliskとも接戦だったので大盛り上がりでした。

画像13

画像11

基本報酬を+100%したうえで、オークション勝利時に2番目と一定量の差があると最大50%の追加ボーナス、その後さらに追加BNCのおまけまで付けました。
本気を感じますね…!

画像13

報酬は50%がすぐにリリースされ、残りは48週間のロック解除です。

おそらくPolkadotのPLOも同じようなことになると思います。


6.まとめ

というわけで今回はBifrost Financeのお話でした。

SALPがかなりややこしいですが、実際に触ってみればそんなに難しいこともないと思います、多分(まだ機能全開放されてないので…)。

多くの人は、PLO参加時のロック期間にネックを感じると思いますが、それに対してのソリューションを持つだけではなく様々なPoSチェーンの流動性を開放するのも大きなポイントです。

PLOの流動性開放にはAcala(Liquid Crowdloan)やEquilibrium(xDOT)などありますがBifrostのように二つのトークンに分けるということはしていないので、この部分でどのような差別化がされていくかが注目です。

またBifrostは毎週のレポート提出や頻繁なガバナンス投票など、コミュニティやDAOの部分を大事にしているのも好印象です。

Bifrostのクラウドローンに参加しないにしても、プロジェクトの動向をチェックしておくことをおすすめします。

それでは今回はここまでです、お付き合い頂きありがとうございました。
次回はKILTの紹介予定です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?