_はやしの読書ログ__1_

経営とデザインの幸せな関係

経営とデザインの幸せな関係』中川 淳 (著)
本日から開催している「大日本市」。マクアケも出展させていただいております。そんな契機もあり、もともととても大好きなブランドである「中川政七商店」さんのことをもっと知りたいと思い、読ませていただきました!

<目次>

【1】会社を診断する1−1.現状把握
 ∟1.決算書を読む
 ∟2.事前ヒアリング
 ∟3.視察とヒアリング
1−2.中期経営計画
 ∟1.なぜ中期経営計画が必要なのか
 ∟2.中期経営計画書(定性)
 ∟3.中期経営計画書(定量)

【2】ブランドをつくる2−1.ブランドの建て付け
 ∟1.セグメント
 ∟2.単品ブランドか総合ブランドか
 ∟3.課題を解決する
 ∟4.そもそも論から考える
 ∟5.強みを活かす
 ∟6.流通
 ∟7.価格
 ∟8.ゴールの設定
2−2.ブランドの組み立て
 ∟1.志
 ∟2.ストーリー
 ∟3.らしさ
 ∟4.ブランドコンセプト
 ∟5.ブランドステートメント
2−3.ブランドの仕上げ
 ∟1.ネーミング
 ∟2.ロゴ・グラフィックデザイン
 ∟3.ギミック

【3】商品をつくる
3−1.商品政策
 ∟1.ブランド確立期の商品政策
 ∟2.ブランド安定期の商品政策
3−2.商品企画
 ∟1.リサーチ
 ∟2.組み立て(商品編)
3−3.知財
3−4.デザイン

 ∟1.内製か外注か
 ∟2.デザイナーをどう選ぶか
 ∟3.「意図」を伝えるためのデザイン
 ∟4.それを見たお客さんがどう感じるかの想像
 ∟5.色展開
 ∟6.パッケージ
3−5.設計
3−6.上代決定

 ∟1.単品の利益最大化
 ∟2.ブランドも価格戦略
 ∟3.お客さん目線で考える
 ∟4.一物二価はNG
 ∟5.原価計算ロジック
 ∟6.標準原価率
 ∟7.製造ロット
 ∟8.初期投資をどう考えるか
 ∟自分の価格に対する感覚の傾向を正しく理解する
3−7.予算と初期製造金額

【4】コミュニケーションを設計する4−1.コミュニケーション設計とは
4−2.コミュニケーションを設計する

 ∟1.元ネタ(伝えるべき対象のこと)
 ∟2.狙い / 切り口
 ∟3.手口(流通 / タッチポイント)
 ∟4.制作_コミュニケーションの精度
 ∟5.現場への落とし込み
4−3.コミュニケーション設計のコツ
 ∟1.情報をクロスさせる
 ∟2.ひっかかりをつくる
 ∟3.たとえる
 ∟4.メッセージを絞る
 ∟5.並べる
 ∟6.主役から外す
 ∟7.論争を見つける
 ∟手口は素直に
4−4.コミュニケーションとして「流通」を考える
 ∟1.直営店
 ∟2.卸売
 ∟3,EC
 ∟4.ポップアップストア

【5】対談
嶋浩一郎 × 中川淳

<学び>

①強みを考える時のポイント。自分たちに「単にあるもの」と自分たちの「本当の強み」とを区別すること。

「本当の強み」は他社と差異化されたポイントであり、商売の起点となるもの。
・・・
「強み」として挙げるものは、”商売に何らか関係すること”っであること。
明るい職場や社員の仲の良さ、整理整頓ができるというのもよいことですが、競合に勝てる会社の直接てきな強みにはなりません。

②戦略と戦術

戦略=何をやるか、何をやらないかを決めること
戦術=どのように実行するかを考え決めること

勘違いしてはならないのが、戦略があってその下に戦術があるという構図です。

③中期経営計画の定性フェーズでは、会社の向かう方向性が書かれたグランドマップを整理する。

定性的な戦略では、ヒアリングを通じて把握してきた「今の環境」「市場の環境」と「自分たちの強み」を踏まえ、最後に大切な「どうなりたいのか」という意思を加えて、「志」といえるレベルの「どうなりたい」を作っていきます。

④テンションの上がるゴールの設定には、「標語」をつくることも大事な要素

単に「今よりももっと工芸業界をよくしたい」では頭に残りづらく、さらなる伝播は望めません。「工芸大国、日本」という心に刺さる「標語」にすることで、聞いたひとの頭の中に一気にイメージが広がり、記憶に残るのです。

⑤事実より印象

コミュニケーションで誤解や失敗をしがちな点の一つに、事実を正確に伝えようとすることが挙げられます。コミュニケーションでは「伝わる」ことを重視し、思惑通りの印象を持ってもらえたら成功と考えるので、事実を正しく伝えることがすべてではないと考えます。もちろん嘘をついたり意図的に情報を曲げたりすることはありませんが、お客さんや受け手が抱く印象やイメージが、こちらの意図に近い状態でなければ意味がないと考えています。


<個人的な感想>

体系的に書かれていたため、すごくわかりやすかったし、学びになりました!
あと、印象深かったところでいうと、最後の中川さん×嶋さんの対談のところで、嶋さんが、「すでにほしいとわかっているものを見つけてくれるサービスに対してひとはそれほど感謝しないけど、何をほしいか教えてくれるサービスには感謝する。買いたい本が決まっている時にAmazonがその本を届けてくれても、当然と受け止める。だが、たまたま入った本屋で、買うつもりの無かった本を買うと、なんがかよい気分になる。本屋は大量の本を短時間で見れるから、自分の興味関心を刺激して、ほしいものを発見しやすい場所だと思います」、と書かれていて、Makuakeもまさにそれに該当するなぁと。
アタラシイに出会える場所ってやはりワクワクするもんな〜と思いました笑。


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