デンマークはマスクの着用義務とワクチンパスポートを段階的に廃止 デンマークのパンデミックを振り返って~
デンマークでは、コロナ規制が徐々に解除されていく見込みだ。保健大臣のMagnus Heunicke氏は、マスクの着用義務とワクチンパスポートを段階的に廃止すると発表した。
https://www.thelocal.dk/20210610/danish-parties-agree-to-scrap-face-masks-from-monday
マスクの着用義務は、6月14日より、公共の交通機関で立っているときのみ求められ、座っているときは不要となる。9月1日にマスクの着用義務は完全に廃止される(このNoteの説明では、デンマーク語を英語に機械翻訳した記事を参考に引用することがあるが、デンマーク語のマスク(mundbind)は、英語に機械翻訳すると、”bandage”とか、”mousepiece”とか、”napkin”と訳されてしまうようだ。これらの単語をマスクと読み替えれば理解できる)。
ワクチンパスポートは、6月14日より公共の図書館への入館、自主的なアクティビティ等の参加には提示不要となり、8月1日には、劇場やコンサート、室内スポーツ活動で提示不要となり、9月1日には、レストラン、理髪店、ジム等で提示不要となる。10月1日にワクチンパスポートの提示は完全に不要となる。
マスクの着用義務とワクチンパスポートを廃止する表向きの理由は、ワクチンの接種者が増えれば、コロナの感染が広がらなくなるということだ。
しかしながら、ワクチンの接種者が少なくても収束している国もあるし、接種者が多くてもなかなか収束しない国もある。本当の理由は別にあるだろう。デンマークでは、科学的なエビデンスがない状態でマスクの着用義務を導入したり、自由を不当に制限するワクチンパスポートを導入したりしたことで国民から猛烈な批判を浴びていたのだ。当局が批判に耐えられなくなり、マスクやワクチンパスポートの弊害を理解した可能性がある。
この機会において、デンマークの今までのコロナ状況について振り返ってみよう。まず、マスクについてだが、日本とは異なり、デンマークでは元々、マスク信仰というものはなく、マスクを着用すればインフルエンザやコロナを防ぐことができるなどという迷信は誰も信じていなかった。
そのため、当初は、デンマークの当局も科学的なエビデンスが乏しいマスクの着用には否定的だったのだ。
元々のデンマークの当局の指針によれば、
・マスクがウィルスの感染を防ぐかどうかについては不確定であるため、マスクを日常生活で着用することを推奨しない
・マスクは、害の方が大きい。マスクを正しく着用していないと、感染リスクが増える
その後、残念ながら、デンマークは、科学的なエビデンスを無視して他国の政策に同調するような形でマスクの着用義務を導入した。
それでもまだ、デンマークには科学や常識を尊重する最低限の姿勢が残されていた。日本とは異なり、小学校の子供達はマスクを着用しておらず、依然として小さな子供達のマスク着用は禁じられていた。
ところで、マスクの着用を義務化を導入したデンマークにおけるコロナの感染状況がどうなったか知っているかな?知らなければ確認してみよう。
世界のマスク着用義務化の事情に詳しいIan millarさんは、デンマークの感染者の推移をグラフにしている。一目瞭然であるが、マスクの着用義務化後、感染が収束するどころか、恐ろしい感染爆発が発生してしまったのだ。
また、マスクの義務化後には、勿論、死者数も増えてしまった。
要するに、デンマークでは、弊害があることを分かっていた上で他国の真似をしてマスクの着用を義務化したものの、何の得をすることもなく、逆に感染爆発が発生し、大惨事を起こしてしまったのだ。
実は、デンマークでは、マスクが実社会で効果があるかどうかを確認するために、6000人が参加したランダム化比較試験(RCT)による高品質な研究が行われていた。当局はその研究結果に基づいてマスクの着用義務を導入するかどうかを決定しようとしていたのだろう、と推察されるが、その研究結果の内容は秘密にされ、なかなか公表されなかった。当局がマスクの義務を導入した後にその研究内容が米国内科学会(ACP)の論文上で発表された。このマスク研究により、残念ながら、マスクには期待された効果が存在しないことが白日の下に晒されてしまった。
そして、デンマークのメディアは、このマスク研究が発表されると、一斉にマスクの着用にコロナの感染防止効果がないことを報道したのだ。
このデンマークのマスク研究は、オックスフォード大学の「エビデンスに基づく」医学センターCEBMのCarl Heneghan教授など、世界の著名な専門家には大変重要な研究結果として取り上げられた。
しかしながら、このマスク研究の結果は、マスクの着用を推奨する各国の当局にとっては不都合な真実である。この真実が広まらないように、世界のメディアは報道規制を行い、徹底的な検閲が行われた。
デンマークのマスク研究については、Lancetを含め、多くの権威があると言われる医学ジャーナルは、世界各国のメディアの圧力を恐れ、公衆衛生当局の方針とは逆の内容を示す研究結果(マスクの着用には効果が無い)を公表することはできなかった。このことで、一流と言われた医学ジャーナルは、多くの人からの信用が失墜し、もはやその役目を終えたのだ。
勿論、 デンマーク国内では、マスクの科学、真実を隠すことはできなかった。このため、実際には効果がないマスクを意味もなく義務化している当局のコロナ対策に対する国民の信頼が低下し、デンマークでは大きなデモが発生するようになったのだ。
デンマークではワクチンパスポートついても大きな反発があった。元々デンマークの国民は実験的なワクチンの安全性を懸念し、ワクチンの強制接種に対する反対運動が起こっていたのだ。
当然、ワクチンの強制接種につながり、自由を不当に制限するようなワクチンパスポートに対しても大きな反発があった。
総括
デンマークの当局は、マスクの着用の効果に科学的なエビデンスが存在しないのにも関わらず、マスクの義務化を導入し、感染者と死者を増やしてしまった。そして、その後の高品質なマスクのRCT研究の結果から、マスクの着用にコロナの感染を抑制する効果などは存在しないことが判明してしまった。経験則や科学的なエビデンスに裏付けられることなく、他国の政策を真似して同調するという愚かな判断を下し、国民の信頼を失ってしまった。
さらに、デンマークの当局は、ワクチンが実験段階にあり、安全性に懸念があるのにも関わらず、ワクチンパスポートを導入し、国民の自由を不当に制限してしまった。
結果として、デンマークの当局は、国民の信頼をすっかり失ってしまい、MEN IN BLACKという名の市民団体を主導とする大きなデモが頻繁に起こるようになってしまったのだ。
デンマークでは、マスクの着用やワクチンパスポートだけでなく、ロックダウンのような極めて有害なコロナ政策も採用された。その弊害により、国民の基本的人権が奪われ、国民生活が脅かされ続けてきた。
保健大臣のMagnus Heunic氏はようやく誤りに気がついてマスクの着用義務とワクチンパスポートを廃止することにしたのだろう。
なお、デンマークでマスクの着用義務がなくなることについて、勿論多くの人は喜んでいるのだけれど、
残念ながらデンマークにも、海外の誤った風習に感化されてしまったのか、マスクを着用していないと怖いと思ってしまう臆病な人がいるらしい。
マスクが有害で役に立たないということを頭では理解していてもなかなかマスクから離れない人がいるようだ。ハーバード大学の研究者が説明していたように、そのような人にとっては、マスクは単にお守りの役目を果たしているのかもしれない。
マスクから離れられないというのは本当に困ったことだね。保健大臣のMagnus Heunicke氏の現在の目標は、夏までにできるだけマスクの使用を減らし、有害なマスクを撲滅していくということなのだ。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。なんとか続けていければと思っています。