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国民の大多数がワクチンを接種したのにロックダウンが延長になってしまった英国について考える


 現在、英国はワクチンの接種率が高く成人の80%に相当する4千3百万人がワクチンを少なくとも1回接種済であり、

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約60%に相当する3千万人がワクチンを2回接種している。

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 ワクチンの効果のおかげでコロナが収束したように思えたのだが、予想に反して、感染者の増加が始まった。

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 一方、あまりワクチンの接種が進んでいないお隣のアイルランドでは感染者は増えておらず、人々は平常の生活に戻りつつある。

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 また、アルバニアでも、ワクチンの接種率は低くても感染は収束している。


 ワクチンの接種が進んでいない国々では、人々がウィルスに自然に感染することにより、流行の平衡状態に到達し、感染が収束に向かったようだ。

 果たして英国で多くの国民がワクチンを接種したメリットはあったのだろうか? 本来、集団免疫の理論によれば、ワクチンの接種者が増えれば、感染が収まり、ワクチンを接種していない者の感染が抑制され、保護されるはずである。ところが、英国は、お隣のアイルランド等と比べれば、ワクチンの接種率を上げてもあまり感染拡大の抑制に役に立っていない、または、逆効果になっている可能性さえある。

 ワクチンの接種率が増えているのに感染が拡大している。これはおかしな現象なのだが、デルタ変異株の割合が増えているということだ。



  良く調べてみると、英国では、コロナの新規感染者数のうち、既にデルタ株によるものが90%を超えている。

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 英国のお隣のアイルランドでもデルタ株が増えていると騒がれているのだが、その割合は、20%ほどだ。

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 どうやら、ワクチンの接種率が向上するとデルタ変異株が拡大しやすくなるという傾向がありそうだ。この点に関し、ウィルス学の専門家であるBossche博士は、ワクチンの大量接種により、コロナの進化が加速すると述べている。

”On going mass vaccination experiment drives a rapid evolutionary response of SARS-CoV-2”


 このことについて、Bossche博士は、論文の形式で、ワクチンの大量接種により、コロナの進化が加速する理由を説明している。

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 Bossche博士の論文は、当方にとってもかなり難解な内容なのだ。読んでいると挫折しそうになる。でも、頑張って気になったところを抜粋してみよう。

・コロナワクチンの大量接種キャンペーンにより、コロナのスパイクタンパク質に対する免疫選択圧が高まり、ワクチンによる免疫を回避するようなコロナの適応的進化が促進される

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・WHOとそのアドバイザーである「専門家」たちは、「ワクチンを接種すればするほど、ウイルスの複製が減るため、変異株が発生し、割合が増加することが懸念されるリスクは低くなる」という、おかしな説明を続けている。

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・ワクチンの大量接種キャンペーンによってウィルスの感染性が高まれば、もはやそのようなウィルスに対しては、現行の感染対策(ワクチンの大量接種)などは役に立たなくなる。

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・ワクチンを接種した人は、自然感染した人よりもはるかに免疫回避型の変異株を発生させやすい

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・コロナがコロナワクチンに対して耐性を持てば、感染圧力が高くなり、ワクチンの未接種者がコロナに感染しやすくなる

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・ワクチンの大量接種キャンペーンにより、ワクチンの接種によるS特異的T細胞反応が自然免疫を回避させやすくする

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・ウイルスの適応的な進化が進めば、無症状の感染者や軽症のワクチン接種者による自然淘汰された免疫回避型の変種株の複製と感染がますます頻繁になり、最終的には、ワクチンの未接種者で以前に無症状で感染した人が急速に再感染するリスクが高まる

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・最終的には、ワクチンによる抗体を回避できる変異株の割合が高まって感染が広がるようになり、ワクチンの接種者も病気になりやすく、死にやすくなる

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・パンデミックが鎮静化しているときにワクチンを接種するとADEのリスクが高まる

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・傲慢で科学的知識のないファクトチェッカーに、説得力のある科学的証拠をデマだと誤認させ、極めて重要な情報を広く一般に公開することにキャリアを賭けた専門家を論破するように仕向ける人がいる

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 Bossche博士の話は難しい内容だが、当方の漠然とした理解を整理すると・・

 ウィルスが自然に感染していく環境とは異なり、ワクチンの大量接種を推進した不自然な方法で感染を抑制した環境では、「感染性の弱いウィルスの株が生き残れなくなり、感染性の高い変異株のみが選択的に生き残り、割合が増える。その傾向が進むと、ワクチンを未接種の人がより感染しやすくなり、今まで無症状や軽症だった人(自然免疫を持っていた人)が再感染しやすくなり、最終的には、ワクチンによる得られる免疫が効かないような変異株が発生する」ということだろう。


 このことは、やはり、モンタニエ教授の言っていた、「コロナワクチンが変異株を生み出す」ということと関係しているのかもしれないな。


 このような話は、ワクチン接種を推進する体制側にとっては大変不都合な話だ。メディアのファクトチェッカーにより、デマだと決めつけられていることがあるが、大抵の場合、そのようなファクトチェッカーは専門的な知識を持っていないことが多い。


 ところで、問題の英国だが、感染者は増え始めたものの、今のところ、死者はあまり増えていない。

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 Bossche博士はワクチンの大量接種により、ウィルスが凶悪化することを懸念しているが、死者や感染者が多少増えたところで、致死率は極端に低くなっており、このウィルスはやはり殺人ウィルスなどと呼べるようなものではない。今のところはそれほど「心配するほどでもない」というのが当方の率直な意見だ。

 それでも、ワクチンを2回接種していても、感染を完全に防ぐことができない点が判明してきているという問題がある。英国では、デルタ変異株で亡くなった若干のコロナ死者の30%近くが、ワクチンを2回接種している。

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 米国のマサチューセッツ州では、ワクチンを2回接種した4千人がコロナに感染したという報告もある。


 感染した状態で亡くなってしまえば、たとえ、他の持病により寿命で亡くなったとしても、コロナ死とされてしまう場合がある。

 この状況で、「高齢者がワクチンを接種したところで、若者がワクチンを接種しなければ、若者が感染を拡大させることになり、結局は、ワクチンの効き目が不十分な高齢者にリスクが及ぶ」と主張する人達が現れてきてしまっているのだ。

 英国で主流となっているインド型(デルタ変異株)のコロナは、既に風邪化しているという報告がある。

 

 死者数も深刻ではない以上、本来は、ロックダウンのような有害な感染対策は不要である。そして、多くの英国人は、ロックダウンを延長するという理不尽且つ不穏な動きを察知し、抗議活動を行った。

 

 しかしながら、残念だが、民衆の抗議活動は無視された。英国では、ワクチンを大勢の人に大量接種したものの、感染者数が再び増え始め、結局は、何の得をすることもなくロックダウンが延長されてしまったのだ。


 ワクチンの接種率が上がれば、見掛け上は、コロナの感染者数は減る。ワクチンが本当に効いているのか?という声もあるだろうが、これは、否定しないでおこう。ワクチンの接種に効果があるようにみせるデータを、公衆衛生当局やメディアが作り上げているから当たり前なのだ。例えば、米国では、ワクチンの接種者は、無症状の感染者と接触してもコロナ検査の必要がなくなった。ワクチンの効果があると感じさせられるデータを巧みに作成する体制やメディアの宣伝には勝てないのだ。

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 ここからが問題だ。感染者が減り、コロナ死が減ったとしても、その被害がゼロにならない限り(もしくはゼロになったとしても)、小さなリスクを煽り続け、パンデミックを継続させようとする輩が存在する。そのため、有害なマスクの着用やロックダウンなどの感染対策が継続されてしまう。さらに、高齢者や成人だけがワクチンを接種しただけでは感染が収まらないため、若年層、最終的には、小さな子供にもワクチン接種が必要であるという圧力が高まる。ワクチンを接種した人は良い人、接種しない人は悪い人という印象、思想が植え付けられてしまうのだ。

  これはマスクの時と同じだ。日本では、小さな子供にマスクを着用させるのは有害だと分かっていながら、実質的にマスク着用を強制している。


  現状は、ワクチンを推奨するWHOでさえ、子供にワクチンを接種すべきではないと勧告しているのであるが、ワクチン接種を推進する体制下では、このような勧告が大きく報道されることはない。



 要するにワクチンの接種率が高まれば高まるほど、ワクチンの強制接種圧力が高まる。そして、ワクチンを接種するのが当然と考えだす人達が増える。



  よって、英国では、現状、ロックダウンの継続や、リスクのない子供に対して有害なワクチンを接種しようとする圧力が依然として存在しており、民衆が抵抗を続けている。




 ところで、イスラエルはワクチンでコロナパンデミックが収束しているかのように思えていたのだが、ワクチン接種者の中でのコロナの感染者が増加しているという情報が少しずつ現れ始めてきた。




 この結果、イスラエルでは、子供達にワクチンを接種したり、マスクの着用義務を復活させたりしようとする圧力が高まっている。英国と同じことが起こっているのだ。





総括

 現在世界で共通して発生している問題が分かっただろうか。最後におさらいで、もう一度流れを説明しておく。


 ワクチンの接種率が上昇する

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 ワクチンの抗体を回避するために、感染性の高い変異株によるコロナ感染の割合が自動的に増える。(感染性の高い変異株の割合が増加していくことは、ワクチンの接種の有無に関わらず発生する。ただし、ワクチンの大量接種がきっかけでその進化が早まるということはあるだろう。)

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 感染が完全には収束しない

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 ゼロリスク派や、リスクを過度に見積もってパンデミックを煽ろうとする者達が騒ぎ出す

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 日本でも同じことだ。リスクが低いことは分っていてもゼロでない限り無駄なのだ。ゼロリスク派や、リスクを過度に見積もつてパンデミックを煽ろうとする者達は、本来はそれほど多くはないはずなのだが、なぜか世間では重用されている

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 ↓

 マスクやロックダウン等の有害な感染対策を継続しようとする動きが生まれ、元の平常な生活に戻ることができなくなる。ひいては、ワクチンの接種率をさらに高めようという圧力が生まれ、ワクチンを接種した者が良い人、ワクチンを接種していない人が悪い人、という思想宣伝が行われるようになる

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 子供に対するワクチンの接種が推奨され、ワクチンパスポートを導入しようとする流れが生まれる

 自由が制限され、生活しずらくなる


・コロナのリスクが過度に煽られたパンデミックが続いたため、リスクとベネフィットをまともに計算できない人々が増加した

・「感染してはいけない」という世間の風潮はいつまでたっても終わりそうにないが、ワクチンの接種率が高くても感染が収束するとは限らないことは、チリの例でも分かる


 ワクチンの本来の目的は重症化を防ぐことだったはずであり、感染を防ぐことが目的ではない。重症化を防ぐことが必要な人のみがワクチンを接種すればよいのだ。ワクチン接種やコロナ感染のリスクやベネフィットを計算することなくやみくもにワクチンの接種を推奨するのでは、正常なバランス感覚がなくなってしまうだろうね。

 今回は、国民の大多数がワクチンを接種してもパンデミックが終わるとは限らないというお話だった。次回のお話は何にしようかな?

いつも読んでいただき、ありがとうございます。なんとか続けていければと思っています。