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國語(普通話・台湾華語)既習者の広東語学習の軌跡①

香港人の同僚と働いていたあの時、私は広東語を一言も話せず、かといって英語も簡単な言葉を聞き取るので精一杯、話せるのは英語よりはまだマシな中国語だけだった。
香港人の彼女らは、私が日本人であり、英語が下手で、まだ普段学習している中国語なら少しは話せることを理解してくれていたので、彼女らにはいつも中国語か、私にも理解できそうな簡単な英語を話してもらい、私が中国語を話すことを理解と許容してもらっていた。
中国語が話せるようになればなるほど、英語がより出てこなくなり、より一層私は中国語に頼り切っていた。
同僚に限らず、香港からのお客様が来たときも、私はいつも英語があまり話せないので、中国語でレッスンさせて下さいねと挨拶していた。
スキースキル、レッスンスキルだけなら私がトップではあったが、言語の問題によって、受け持てる幅は台湾人のスタッフよりも香港人のスタッフは幅広かった。彼女らは中国語は不得意だというが、それでも広東語、英語、中国語の3言語を操れる彼女らは強かった。

Twitterで普通話既習者向け台湾華語の勉強会に参加した。元々私の中国語学習の大半は普通話ではあったが、四谷の東京中華学校に通ったり、台湾の中原大学へ3週間の短期留学に参加したり、スキースクールの社長や同僚の多くは台湾人であったこと等から親しみを持っていた。だから同じ中国語といえども違いがあることは認識があったし、機会があるなら学び、活かそうと思っていた。勉強会自体は単発のお試しではあったが、改めて普通話との差異に気付かされた。

そしてまたTwitter経由で香港ルーツの友人と知り合った。香港も中国語圏と言えはするものの、母語として広東語を使うことは知っていた。声調が6種類※もあることが難しそうな印象を私に抱かせていた。しかし、色々と話を聞いてみると、中国語を学んだ今だからこそ、学びやすいのではないかということを感じ始めた。
一つは普通話を学んだことで声調に慣れていること、もう一つは台湾華語を齧っていたことで繁体字への抵抗感がないこと。
香港人の彼女らと一緒に働いていたあの頃だったら、中国語で精一杯できっと広東語の学習もおぼつかなかったことだろう。
だけど今なら、何かわからないことがあっても、中国語で質問できるぐらいには中国語ができるようになっているし、中国語学習者仲間の友人達の中にも、広東語学習をしている友人もいるから、何らかのアドバイスを得られるかもしれない。

ちょっと広東語学習について聞いてみよう。聞くだけはタダ、何かアドバイスがあれば、いい先生が見つかったら、広東語学習をしてみよう。
そんな軽い気持ちで投稿したのがこのツイート。

この時はまだいい先生が見つかるとは思っていなかった。
私は広東語学習をするならば、最初は①日本生まれ日本育ちの日本語母語話者の先生に、②発音記号を使って、体系立てて発音を教えられる先生に習いたいと思っていたからだ。
広東語学習について調べると、中国語とは学習環境においても差異が大きいことに気付かされた。
①広東語の先生の多くが広東語母語話者や準母語話者(生育環境によるバイリンガル)だったこと、②発音を口の形から一つずつ、発音記号を交えて教えている先生が見当たらなかったことが、まず中国語とは違うなと思った。
だが、幸運にも天津外国語大学の超短期オンライン留学ともいうべき、漢語橋プログラムに一緒に参加したことから仲良くなったみんゆえさんから、一人の先生を紹介されて、一気に広東語学習へ舵を切ることとなった。

みんゆえさんが広東語学習も発音学習が非常に大事だと言い、私の広東語学習の先生探しの条件である③普通話との差異もわかる先生だと紹介してくれた時のツイートがこちら。

この紹介を受けた時、すぐに私はこのもら先生のblogに目を通し、広東語素人ながらも、このような記事を書くような先生ならば、きっと耳が悪い人にでも、語学のセンスがない人にでも、ちゃんと広東語の発音がどのようにしたらできるかを教えられるのではないかという期待を持った。
そして私の友人からも、所謂純ジャパながらもあんなにも綺麗な発音の広東語を話す人はいないよと聞き、これは是非にも習いたいと思ったので、広東語勉強会のLINEグループに入り、初回の学習相談の予約を取り付けた。
ここで更に驚いたことは、勉強会の案内にあった場所も十分に通える場所ではあったが、なんと今では私の住む場所から自転車で5分という驚愕の近さの場所でやられているということであった。
これはもう、学習相談で、勉強会の学習方針や先生の指導方針に納得できたならば、やるしかないと思った。

私にとって必要な語学学習の環境とは、①その言語を使ってコミュニケーションを取りたい友人がいることと、②その言語を丁寧に教えられる先生がいることだ。
どんなに良いテキストがあったとしても、どんなに素晴らしいアプリや動画があったとしても、言語学習は継続できなければ身に付かぬものだし、この2点が欠けていたら日々の学習へのモチベーションにも繋がらない。
私は自分が独学に向かない人間であるということを知っているからこそ、やるからには先生が見つかるか否かが鍵なのだ。

学習相談の日、まずはランチでも軽く食べながらお話ししましょうということで、もら先生のご自宅から近い中華料理屋で会った。
後から色んな人に聞けば聞くほど、広東語学習において、広東語教授についてすごい先生だということは更にわかっていくが、この日もランチの時間では飽き足らず、ご自宅にまでお邪魔して、みんゆえさんから紹介されたというだけではなく、何故私がもら先生のレッスンを希望するのか、などの話も含めて気楽に楽しく話せたことからも、もら先生から発音を習おうと決めた。

④対面でも、オンラインでもレッスンOKで、対面なら自転車で5分の距離
⑤プライベートは月2回までだが、グループと組み合わせれば、月4回までレッスンを受けられる。
⑥受講料が⑤で併用してマックスまで受けても、月1万円しないリーズナブルさ

どんなにいい先生でも様々な条件が合わないということも珍しくないのに、ここまで私に有利な条件が揃う先生はいないだろう、もうこれは広東語をやる運命だったのだと、広東語学習のスタートを切ることにした。

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