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ニンテンドースイッチとサンタクロース

今年も我が家にサンタクロースがやってきた。
しかし、今年は例年とは少し違った結末が待っていたのだった。

小6息子はゲームが好きで、数年前からずっと「マインクラフト」にはまっている。4年生の時に親戚のおじさんから3DS版(買い切り)を買ってもらってしばらくはおとなしくプレイしていたが、どんどんバージョンアップしていくオンライン版との差が開くにつれ興味を失い、とうとうサンタへのプレゼントリクエストに「ニンテンドースイッチ」と書く日がやってきた。

私も妻もゲーマーというわけでもなく、あればまあプレイするかなという程度。スイッチに興味がないわけではないが、値段と相談した上で特にほしいと思えるものではなかった。何より、小学生のクリスマスプレゼントとしては高額すぎるのではないかと思っていて、初めてリスエストのあった5年生の時はスルーしていた(その年は自転車)。しかし、彼はあきらめなかった。うちでは基本的に欲しい物を手紙に書いて置いておくシステムを採用しているのだが、彼はその年の”叶えられなかった”手紙を一年中リビングの壁の目立つところに貼っておくという荒業を繰り出したのだ。

さすがにこれは買ってやるかと妻とも話をして、本体だけプレゼントしてやり(Fromサンタ)、ソフトについては自分のお小遣いやお年玉で自己調達してもらうことに、内部でのコンセンサスが取れた。

コロナの巣ごもり需要で既に普及が進んでいるせいか、意外と店舗に在庫はあり、スイッチ本体を手配するのは容易だった。会社帰りに梅田ヨドバシで購入し、ラッピングをしてもらって準備万端。あとは夜中に妻サンタにセッティングしてもらうのみ。2年越しの要求が実現する瞬間、彼はどんな顔をするのか楽しみである。

24日の夜は家族のみでささやかなパーティーを催し、毎年ながらもぞもぞしながら就寝。そしていよいよ当日の朝。平日だったので、いつものように6時には起きて出社準備をしていると、リビング横の息子の部屋から地味な歓声が上がるのが聞こえる。よしよし。数秒後、やや上気した顔でリビングに顔を出した彼の手には『ニンテンドースイッチ』の箱が。抑えてはいるが、かなり興奮しているのが見て取れる。毎年ながら、この瞬間がたまらない。サンタ冥利に尽きるというものだ。

妻も交えてひとしきり「どこからどんなふうに入ってきた」だの、「〇時まで起きていたはずなので△時頃じゃないか」などとプロレス推理合戦を繰り広げ、特に疑った様子もなく息子は学校へ。今年も『サンタはいる』に落ち着いた。。。かに思えた。

事件が起きたのはその3日後の12月28日。私は28-29と有給を取得し、一足早く休暇に入って家にいた。PC作業をしていると、息子がスイッチの外箱を持ってリビングに出てきて、私にある部分を見てほしいという。ここで勘の良い方はピンときたかもしれないが、息子が指さす部分には、そう、『ヨドバシカメラ梅田店』のゴム印があったのだ。「これって、買ってきたん?もしかして、お父さん?」。なかなか鋭い突込みである。

とうとうこの時が来たかと思いつつ、苦し紛れに「へー、そうなんだ。サンタもプレゼント確保のためにヨドバシと提携してるのかなぁ~」などと答える。当然、息子の目は納得していない。その場はごにょごにょとごまかしたが、さすがに気付いただろう。来年は中学生、まあそろそろばれても良い年かもしれないが。しかし、よっぽど嬉しくて箱を隅々まで眺めてたんだろう、よくそんな細かいところ見てたなと感心した。さすがに購入店舗保証の欄は見ないって!

ニンテンドースイッチ、大事に使ってね!
サンタより。


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