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突然の失業と再就職奮闘記①

青天の霹靂である。

2022年3月×日、社長からの一言で私の日常は一瞬で、いつもと違った少しくすんだ色に変化したのだ。

正直、予感がないわけではなかった。2021年秋ごろから社の業績は急激に悪化し、新たにリリースする予定だった商品にも大きな欠陥が見つかったため、回復の目途がたたないまま数か月が過ぎていたころでもあり、社内にも不穏な雰囲気が漂っていた。

私は2020年の夏から当社にお世話になっており、入社当初は順調そのもの。大手相手の利益率の高い事業が売上の大半を占めており、内部留保を使って、社長の悲願だった自社ソリューションの開発を進めていた。

そんな矢先である。主要取引先の某大手通信会社の大規模な組織改革が始まり、子会社間の主導権争いの綱引き大会に巻き込まれ、独占していた高利益率事業がいっぺんに吹っ飛んでしまったのだ。

しばらくはまだまだ内部留保が残っていると楽観視していた役員たちの間に不安が広がってきたのは自社ソリューションのリリース予定がどんどん遅れて、ついには大きな欠陥が見つかったあたりだろうか。2022年が明けたあたりから連日のように役員が集まりすったもんだが繰り広げられたが、ソリューションの完成が思ったより絶望的に遠いことが現実味を帯びてくると白目をむき始め、他にこれという打ち手もなく会社縮小へと舵を切ることになった。

さて、私も今年48歳。今まで様々な業界を経験してきたが、実は転職は知り合いの紹介や引き合いのみで、次が決まってから退職してきた。しかし、今回は次が何も決まっていない状態で退職日のみ決まっているという、初めての体験である。退職日は5月末。退職までの2ヶ月で、果たして再就職先は決まるのか?最悪、失業給付のみで生活できるのか?私の新たなる冒険が、ここに幕を開けたのである。

→②へ続く

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