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コルビジェは建築基本法令集を読んだか?

ぼんやり何かが違うと感じていた学部時代


大学での設計デザインの授業が好きで、建築家に憧れた学部生時代。

その憧れを持ちながら、アトリエ建築設計事務所にオープンデスクへ行った。

希望を胸に、事務所のドアを開けると、

自分が想像していた雰囲気と何かが違う。

事務所の雰囲気は、明らかに、’’どんより’’ していたのだ。

自分が想像していたデザイン事務所はというと、

みんなが立った状態で、ホワイトボードや模型を囲んで情熱的に議論をする風景や、

クリエイティブな思考が勃発するような空間的な仕掛けが随所に存在する風景だった。

一方、現実はというと、

一人がパソコンの前に対面で座り、だれとも喋らず図面を書いたり、建築法規の本を参照する風景。

唯一声が聞こえるタイミングといえば、先方からかかってきた電話に出るときだけ。

事務所空間は、事務所によって異なると思うので、ここでは言及しないが、

魅力的と言える空間には程遠かった。

二週間のオープンデスクを予定していたが、

一週間に差し掛かるくらいのタイミングで苦痛を感じ始め、

一日だけ仮病を使って、親友と遊びにでかけてしまった。

元カノからの衝撃的な言葉

当時付き合っていた彼女も、建築学科の同級生で、建築設計に興味がある子だった。

だから同様に、アトリエ事務所に出入りしたり、組織設計事務所でバイトなどをしていた。

ある日、

そのような経験をしていた彼女の、ある言葉に、衝撃的を受けた。

それが、

自分:設計の仕事って結局何なんだろうね。

彼女:うーん、建築法規合わせとか、材料の微調整とかじゃない?事務所の所員の方々とかは、そうやってたし…


自分の脳内に戦慄が走ったのがわかった。

そんなはずはない、そんな仕事のわけがないと反論したい気持ちが芽生えたとの同時に、

自分もそういう風景をオープンデスクで見てきていたから、

悔しいけど、その言葉に納得するしかなかった。


それから設計者の業務内容を上記のように、認識を自分の中で、片付けてしまったので、

どうも設計事務所に対するイメージをポジティブに持つことが難しかった。

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