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ライターのメリット・デメリット


ライターをやめようと思ったあの瞬間の気持ちを、たまに思い出します。


読者の気持ちがわからない。

世の中の人が何を求めているのかわからない。

クライアントの要望が読めない。

私には書けない。もう書きたくない。


毎日泣いていました。悔しいのか悲しいのか苦しいのかわからないけれど、書こうとすれば涙が止まらなくなっていたのです。

もうダメだ。もうダメだ。と、心の中で叫んでいました。

それでも本屋に行けば自然とライター向けの単行本を開き、スマホを持てばライターのブログを覗く日々。

私は辞めたいのか?辞めたくないのか?

どうしたいのかが自分でもわからない。

書けない、書きたくない。それなのに書かない時間が不安でたまらなくて、どんどん自分だけが取り残されていくような恐怖を感じていました。


結局私はその答えを出すことを先延ばしにして、ライターを細々と続けながらパートとしても働くことを決めました。

でもふとした時に、「ライターとしてもっと頑張るべきなのでは?」「本当はライターなんて辞めたいのでは?」と、相反することを考えてしまうのです。

もっと自分の気持ちにじっくり向き合う時間が必要なのだなと思います。

自分の気持ちと向き合うための方法として、まず私が感じるライターのメリット・デメリットをまとめてみます。

ライターのメリット

・自宅で働ける
パジャマ姿ですっぴんでも、働こうと思えばその瞬間から仕事をスタートできます。子どもが突然発熱!という場合も職場へ連絡する必要もなし。子どもが寝てから、その隣で仕事をすることだってできてしまいます。

・いつでも休める
パートやアルバイトの場合、決められた時間内はきっちり働かなければなりません。でも自宅でできるライターであれば、疲れたなと思ったらすぐに休めます。今日は気分が乗らないと思えば、その日1日休んでも構いません。自由ですね。

・子どもを優先できる
自宅で働けるので、子どもが帰って来たときに必ず「お帰り」と言えます。留守番をさせたりさみしい思いをさせたりする必要はありません。急な参観日やPTA活動等の学校行事にもいつでも参加できます。子育て中の方にはとても便利な働き方だと思います。

・書けば書いた分だけお金になる
1文字でも書けばそれがお金になります。仕事時間を増やしてどんどん書けば、報酬は上がる一方です。頑張れば頑張った分だけ返ってくるのでやりがいがあります。

・自分の価値が上がる
ライターとして稼ぐためには、多くのことを学び、吸収していく必要があります。文章の書き方や構成はもちろんのこと、多くの情報を取り入れ、理解しなければ記事は作れません。すると自然と書く能力・読解力・表現力・構成力などの力が備わっていきます。それにより自分自身を高めていくことができます。

・何歳になっても働ける
ライターに定年はありません。知識や記事作成能力を身につけることで、何歳になっても働き続けることができます。

・いつでもトイレに行ける
トイレに行きたいと思ったらいつでも行くことができます。過敏性腸症候群や頻尿に悩む方には、いつでもトイレに行ける環境はとてもありがたいと思います。何度トイレに行っても誰かに迷惑をかけることもないので安心して働けます。

ライターのデメリット

・休むことを忘れてしまう
「休みなさい」「今日は休日です」と知らせてくれる人は誰もいません。そのため、「書けば書くだけお金になる」「納期が迫っていると不安になる」などの理由から休まずに頑張りすぎてしまうことがあります。意識的にお休みをとる努力をしないと体も心も疲れ切ってしまいます。

・学ぶことに疲れてしまう
毎回新しい依頼が来ると、その都度そのタイトルに合わせた内容の情報収集を行わなければなりません。興味がなくても書きたくなくても知りたくなくても、学ばなければなりません。常に頭の中はフル回転です。学ぶことが楽しいと思える方でなければ、疲れを感じてしまうでしょう。

・終わりがない
記事を仕上げても「よし終わった!」という瞬間は訪れません。記事に絶対的な正解はないからです。「あれでいいのか」「もっといい記事にならないか」と、さらなるリサーチを繰り返し、夜中まで考え続けて修正を加えることもあるでしょう。無事提出しても、それがどのように公開されるのかを確認し、クライアントにより削除された部分があれば、なぜその部分が不要だったのかを考える必要もあります。ライターに終わりはありません。

・正解がない
「終わりがない」でもお話しましたが、どんなに頑張って書いてもその記事に正解はないのです。自分が正解だと感じてもクライアントにとっては不正解かもしれません。私とクライアントが正解だと思っても、読者にとっては不正解かもしれません。どこまで行っても本当の答えは見つからないのです。だから楽しいのかもしれませんが、答えを探し続けることは大変なことでもあります。

・大変さを理解してもらえない
毎日頭の中はフル回転なのに、周りの人からは「好きな音楽を聴いて、コーヒーを飲んで、愛犬を膝に抱えてパソコンに向かっている、楽なお仕事」と思われることが多いです。私の場合は家族にそう思われていたので、悲しかったです。

・家族に仕事中だと認識してもらえない
仕事部屋があればいいのですが、ない場合は家族の協力が得られないと仕事への集中力を保つのが大変になります。私の場合、リビングにしか仕事スペースを作れなかったため、気が散って大変でした。子どもたちは仕事中でも構わず話しかけてくるし、夫は私の隣に座って、気にせずテレビをつけてしまいます。さらに大音量でお笑い番組を楽しむのです。

・運動不足になる
仕事が立て込んでいると、朝から晩までパソコン前に座りっぱなしということもよくあります。1日1000歩程度しか歩かないこともしばしば。その為、働く時間とは別に、体を動かす時間をあえて作らなければ運動不足になってしまいます。しかし仕事が忙しい最中、体を動かす時間を確保するのは大変です。

・老け込む
パソコンばかり睨みつけていると、表情筋を使わなくなります。目つきも悪くなります。意識的に笑顔を作ったりオシャレをしたりなど、自分のメンテナンスをしないと、一気に老け込みます。

・スケジュール管理に悩む
たくさん稼ぐためにはたくさん依頼を受けなければならないけれど、出来ると思って引き受けても色々な用事が立て込み、納期に間に合わなくなってしまうことも考えられます。クライアントが増えれば増えるほどスケジュール管理に悩みます。

・仕事がなくなる恐怖心と隣り合わせ
複数のクライアントから依頼を受けていれば、突然報酬がゼロになることはないと思いますが、月に何度も納期がやってくるため大変です。しかしクライアントを減らすと、そのクライアントから次依頼が来なかったらどうしようという不安が発生します。正社員ではないので、突然仕事がなくなることも珍しいことではありません。

・人の役に立っている実感がない
クライアントにもよると思いますが、私の場合は記事を納品しても、クライアントからは「ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします」という形式的なメッセージが届くだけでした。以前は女性の担当者が細かいアドバイスや記事についての良い点などを教えてくれていたのですが、女性担当者が退職してからは細かいアドバイス等はもらえなくなりました。そのため、私の記事がどれくらいの人に見られているのか、クライアントの要望通りの仕上がりだったのか、その記事がどう役立っているのか、というのが全く見えなくなってしまいました。役に立っている実感がないと、モチベーションも上がりにくくなります。

私にとってライターとは・・・

メリット・デメリットをまとめようとすると、デメリットと思えることの方がどんどんあふれてきました。これも嫌だった、あれも嫌だった・・・と。

ライターにはライターの良さがたくさんあるのですが、やはり私はライターという職業に少々疲れを感じていたようです。

まだ上限5万円までではあるものの依頼は引き受けているので、そのお仕事に関しては精一杯努力していきます。でもしばらくは自分からライターの活動を広げることはないだろうなと思います。

ゆっくり休んで、いつか「また書きたい!」と思うことができればいいな・・・。

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