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「『想像力』の授業をしたら、子ども達が想像の上を行った話」

好きな人達の、好きな言葉

ある方の書かれる文章が好きです。
noteでも、Twitterでも活躍されている、“サクちゃん”こと、桜林 直子さん

その方の Twitterだったと思うのだけど…
見つけられなかったから、曖昧だけど。
こんなことをおっしゃっていたような気がします。
「子どもの頃、“それ”にどんな仕事が関わっているか想像する遊びをしていた」
「中々想像できないような仕事を見つけられた方が“カッコいい”遊び」
(*発言者さんも、内容も、うろ覚えであることを、ご了承ください)

それから、あるマンガが好きです。
MatofrossoというWEBメディアで連載されている「カイニスの金の鳥」

その中で、小説家である主人公が、友人と親しくなるきっかけになったやりとりがあります。「想像力がなければ」「世界は地獄」
“体験したことでなければ書けない”という小説家仲間に対する言葉だったかと思います。

何が言いたいかというと

「想像力」って、とても大切だと思うのです。

目の前にブドウがあったとする。それはお母さんが、スーパーで買ってきた。
でもそれは海外のもので、実は遠い海を、船に揺られて運ばれてきた。
栽培している農家の方々は、どんな生活をしているんだろう。
どうしてわざわざ、遠くから運んでくるんだろう?

人の心は目に見えない。でも想像することはできる。
「こう思っているかもしれない」って。
それは大きく違っているかもしれないし、気がつかないうちに独りよがりになっているかもしれない。
だけど、「独りよがりかもしれない」と、「想像」することはできる。
相手が笑っているから、と、一緒に笑うこともできるし
もしかしたら心で泣いてるかも、と、思いを寄せることもできる。

想像力があれば、視野が、世界が広がる。
心が見えなくても、お互いに寄り添っていける。
なければ、地獄だけど。
…そんなわけで。

小三のオンライン授業(社会)に取り入れてみました。

教科書や学習指導要領を斜め読みした限りでは
「地理的環境と人々の生活」「現代社会の仕組みや働きと人々の生活」という項目があって、身近なところ(教科書では自分の住む町)から興味を広げて社会を知ろう、みたいなカンジ、だったから、大きくズレてないはず大丈夫…!

なにより、「想像力」を鍛えることは、子どもたちにとって
けして悪いことではないはず。

って、「はず」を自分に繰り返しながら。


「○○店に関係する仕事をつなげていこう!」

幸いなことに、オンライン授業に参加してくれている子ども達の中で
おうちが「お菓子屋さん」をしている子どもがいました。
よし。ここを起点にすれば、皆の興味を惹けるかな?

私「○○店(お菓子屋さんの店名)では何が買えるかな?」
Aちゃん「××(お菓子の名前)〜!」
Bちゃん「△△〜(お菓子の名前)!!」
私「そうだね。××や、△△。おいしいよね」
Cちゃん「私、△△が好き!」
私「うんうん。Cちゃんは△△好きだもんね〜。今日はこれで授業をするよ」
皆「「「「?????」」」」
私「××を作るには何がいる?」
Dくん「たまご!」
Aちゃん「牛乳!!」
私「うん、よく知ってるね〜。(書き書き)牛乳は、どこで買うかな?」
Bちゃん「スーパー!」

こんな感じで最初にできあがった図がこちらです。

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ちょっと見にくいけど…
ここで、子ども達の発言で、とても面白いものがありました。

「宅配便屋さんに線がたくさんつながってるね!」
「お金が大事。人も大事」
「えっとね。(つながるのは)店長さん、スタッフさん、お客さん…人だ!」

うん。宅配便屋さんに線がたくさんつながってるね。着眼点すごくない?
お金大事だね。よく分かったね。あれ、それ貨幣経済って奴じゃない?
人が大事だね。そうだね。あれ、それってもしかして社会の本質じゃない?

子ども達の本気、すごくない?
私、そんなこと、考えもしなかった。
こんな結果になることも、考えもしなかったよ。

「一人ぼっちの女の子」

そこで前半の授業終了。
皆に、10分休憩すること、時間になったら再集合してほしいことを伝えてZOOMを切りました。

そして、私は猛然とイラストを描き始めました。

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白い世界に、女の子が一人ぼっち。

やがて、休憩時間が終わり、子ども達が戻ってきて。
私はこのイラストを見せながら尋ねました。

私「一人ぼっちの女の子がいるね。ねえ、ほんとに一人ぼっちかな?」
皆「「「「「??????」」」」
私「(言い方が悪かった…!)今度はこの子につながるものを考えてみようか」
Bちゃん「スーパー!!」
私「うんうん。スーパーがあるね。一人でお買い物に行く?」
Bちゃん「家族と行く!」
私「そうだね。家族と行くね〜。」

そこで、二枚目のイラストを見せながら。

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私「女の子のそばには、家族がいるね。皆にもいるかな?」
皆「「「「「いるよ〜〜!!!!」」」」
私「そうだね、いるね〜。
  忘れないでね。この先、一人のような気がする時があっても
  皆のそばには家族がいるよ。それから、誰がいるかな?」
Dくん「友達!」
私「そうだね〜!」

ここで、三枚目のイラスト。

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Cちゃん「なんでマルなの?人じゃないよ?」
私「(ごめん時間がなかったんだ)ごめん!人だと思って!」
皆「「「「「ぶーぶー(笑)」」」」」
私「ごめんて!でね。この女の子は、女の子達は、生きていけるかな?」
Bちゃん「うん!」
私「食べ物は?着るものは?病気になったら?」
Bちゃん「スーパー!!」
Dくん「お医者さんがいるよ!」
Aちゃん「お金もいる〜」
私「(やっぱりこの子達すごい…!)そうだね〜」

ここで、最後のイラスト。

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私「女の子は、色んな人やものにつながっているね。
  こういった、人と人とのつながりの集まりを『社会』と言うよ」
皆「「「「「社会〜〜〜〜!!!」」」」
私「(可愛いなこの子達…!)」

ここで、授業時間終了。

「忘れないでね」

私「今日のまとめだよ。」

①人は色んな人やものとつながり、支え合っているよ。
②そのつながりのことを『社会』というよ。
③一人では生きられないよ。

それから

④一人ぼっちな気持ちになるときがあっても、そばに家族がいるよ。
⑤「想像力」を働かせてみよう!

私「『宅配便屋さんにたくさん線がつながってる』、よく気づいたね。
  『お金が大事』『人が大事』とても大事なことだね。
  皆、すごく良いところ見てると思うよ!
  見えないところを、よく『想像』できたね!」
皆「「「「「えへへ〜〜〜〜!!!」」」」
私「(可愛いなこの子達…!)」

宿題は「もっと想像してみよう」

そして、やり残したところを宿題にしました。
「女の子につながっているものを、もっと想像して描こう!」

その結果もまた、とても、とても面白いものになったのですが…。

また次の機会に。ぜひ、ご紹介させてください!



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今日の記事は、こちらでマンガを描いている
「オンライン授業始めました〜教育素人ママのドタバタ記〜」の番外編。
実際の授業風景です。
もし興味を持っていただけたら、マンガの方もご覧いただけたら嬉しいです!


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