【#34】学校教育における漢検(一年の総まとめ)
このブログは国語教育と漢字教育に焦点を当てたブログとして一年間にわたって更新を続けてきました。
当初は自分の記録用として始めたブログですが、漢検職員の方や国語教育に携わる方など自分が想像していた以上に多くの方に見ていただき、それによってコミュニティも広がりました。
今日は一年の締めくくりとして、「学校教育における漢検」という教員目線で自分にしか書けない内容を書いていきたいと思います。
1 漢検はそもそも漢字学習に有効か
中学校・高校レベルになると、小学校の時とは違い、漢字は知っていて当たり前。授業で改めて学習をすることはありません。大学入試で求められる漢字のレベルも高くて漢検2級レベルです。
ただ、小学校の時とは違い、多くの学校で漢検の検定級を参考にした漢字テキストが使用されています。(漢検◯級相当など)
生徒にとっても教員にとっても測りづらい「漢字能力」を把握するための手段として、漢字検定はやはり有効なのでしょう。生徒も「漢検取得」を一つの目安として学習をするので漢字学習にも意欲的に取り組むようになります。
2 漢検の課題
先述したように漢検には生徒の語彙力向上に大きなメリットがあります。県立高校でも入試の際に加点対象になるなど活用事例も多々あります。ですが他検定に比べ、大学受験におけるメリットが少ないのも事実です。
私立学校では、広報的な意味合いでも学校内で検定を受験できるか否かは実は重要な要素で、生徒にとっても学校にとってもwin-winなのです。もちろん校内実施は教員の負担は大きいです。
ただ、あくまでも個人的な推測ですが、公立中学校や公立高校では教員の異動もあり漢検に精通している教員がいない、または漢検の準会場実施をとりやめてしまうケースもあるのではないかと思います。学校現場では少しでも仕事を減らそうとする動きがありますので。
3 学校内での漢検の活用事例
自分が勤めている学校では、毎年一回、準会場実施で検定を受験できます。受験級には限りがありますが、国語科の先生方のお声がけをいただき、例年全校のおよそ40%程度が受けています。
また、本校で行なっている体験授業では「漢検×リアル脱出ゲーム」を使用させていただいています。この教材に関しては体験授業でも好評をいただいており、来年度も引き続き使用したいと考えています。詳しくはこちら👇
漢検は学校における活用事例を検定協会の公式HPにて掲載していますので、気になる方はぜひご覧ください。自分の取材記事も公開されています。
4 総括
つらつらと所感を書いてきましたが、結局のところ学校教育の現場で漢検を普及させるには教員の働きかけ次第と言わざるを得ません。
来年は検定関係の仕事から離れ、新たな分野にも活動の幅を広げていきたいと思います。生徒にとって挑戦することで確実にメリットとなる漢検がさらに普及していくといいと思います。
来年度は漢検の10月の広報誌に自分のコラムを掲載していただけるかもしれませんので、そちらについても掲載されたらこちらで紹介したいと思います。
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