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フードデリバリーの普及、クラウドキッチンの台頭とか。

新型コロナウイルスの影響により、「おうち時間」の増加がフードデリバリー普及の追い風になっています。需要の増加だけではなく、自粛により収入源となった方々の収入源としても活用され始めています。

フードデリバリー市場について

さてさて、フードデリバリーの普及度合いを見てみましょう。以下の記事がわかりやすいです。

エヌピーディー・ジャパン株式会社が発表した「外食・中食 調査レポート」によると、日本における2018年の出前市場規模は、前年比5.9%増の4,084億円だった。同調査が定義する出前市場とは、外食・中食市場のうち、小売店や自販機、社員食堂、学生食堂を除き、宅配ピザを含んだもので、一般的なフードデリバリーの市場と言い換えられる。
同市場は2016年に+5.8%、2017年に+2.3%と、近年、安定的かつ継続的に成長しており、2015年と比較すると500億円(約15%)も規模が拡大しているという。外食・中食市場全体の年成長率が約2%前後と言われるなか、驚くべき成長を続けているとわかる。
一方で、日本の外食産業におけるデリバリー比率は2017年時点で約3%と、先導する韓国(10%)や中国(8%)、イギリス(8%)などに比べ、低い水準にとどまっている(2018年「外食・中食 調査レポート」より)。
高い数字を示す中国では、日本以上に目覚ましい市場の拡大がはじまっており、2010年に約9,200億円だったデリバリー市場規模が、2018年に約10兆円まで拡大する見通しだ。まだ成長の余地を残す日本もこれに続くと推測される。

日本のデリバリー市場は着実に成長している一方で、諸外国と比較すると普及率は低位のようです。つまりは市場規模の拡大と潜在需要、双方のアップサイドがまだまだ十分にあるものと解釈できます。

Withコロナにおける飲食店の課題

前述のように、フードデリバリーは今後着実に伸びるであろう有望な市場です。既存の飲食店は、自粛要請に応じながらも休業だけでは生き残っていけないので、テイクアウトやデリバリーにも手を出しています。

とはいえ、既存店舗はこれまでのオペレーションやプライシング、ビジネスモデルが店舗内飲食に最適化されたものであり、利益をあげるというよりかは費用回収のためという色合いが強く、サステナブルとは言い切れない現状です。

まず、飲食店は中に顧客を収容するキャパシティが必要となりますが、テイクアウトが多くなると、店舗の稼働率が減り固定費の回収が滞ります。今後もテイクアウトやデリバリーが根付くすれば、既存の設備の経済合理性は保てなくなるでしょう。

このような状況で飲食店はどうやって生き残っていくのかという課題があります。

デジタル時代に最適化された設備=クラウドキッチン

以上のような課題をどうするかというところで、最近話題になっているのがクラウドキッチンという設備携帯です。

クラウドキッチンとは何か。それは、「オンラインに最適化された出前専用の調理施設」を意味します。いやいや、それは前から出前専用の店舗とかあるやんけ。言いたいことは分かります。ただ、絶妙に意味合いが異なっているので説明しましょう。

クラウドキッチンの特徴

クラウドキッチンは、出前用のレストランを開店させるために、必要となる調理機器やスペース、設備などが揃っている施設のことです。シェアオフィスのように複数店が区画ごとに入居するイメージです。

特徴として①オンラインデリバリーに特化した設備であること、②固定費を抑えられること等があります。

①については、米国の例ですが、貸出スペースには、料理を提供する椅子や机は存在せず、オンラインで注文を受け、調理するキッチンのみで完結してしまう点です。既存の出前専門店は電話注文や配達員等の手当てが必要ですが、オンラインかつUber EatsやGrubhub等のフードデリバリー事業者を活用する事で、純粋に料理を作ることのみにフォーカスできます。

②については、出前専門店であっても今までは自前で店舗を持つ必要がありましたが、クラウドキッチンを活用すれば店舗を持つ必要がなくなるため固定費の削減が可能です。

以上のように、これまで当たり前にかかっていた配達の人件費や店舗固定費などを他のサービスを活用する事でライトにして、純粋な調理のみで飲食サービスを提供できるようになる大きな武器としてクラウドキッチンが今後活用するようになるのでしょう。

レストランの負担軽減が図られ、その分顧客への価値提供に注力できそうです。

ちなみに、クラウドキッチンの先駆けを作ったのは、Uber創業者のトラビス・カランック氏です。以下のようなコメントを出しています。

利用率の低い駐車場、死にかけの小売店。我々はこれらのような苦境に立つ不動産を再開発し、オンラインビジネスを支える物理的な場所として甦らせます。(以下リンクより抜粋)


フードデリバリーの今後

新型コロナウイルスの現状や、デジタル化の進展を考慮すれば、フードデリバリーの成長は不可避的です。新型コロナが終息したとしても、フードデリバリーの利便性の向上によって、普及率は上がり続けるでしょうし、クラウドキッチンの活用で、今まで費用的に飲食ビジネスに参入できなかった方々も参入することで、盛り上がる可能性があります。

外食産業は、全体で25兆円規模の市場ですが、売上高トップのゼンショーですら2%を占めるに過ぎません。つまりは、大手企業による寡占が少ない産業です。開業コストさえクリアできれば、個人でも戦いやすいフィールドなのは間違いないでしょう。

また、以下の記事でもあるようにタクシー事業者もフードデリバリーへの参入を狙っています。配送プレイヤーが増えることで、今後更に安く宅配サービスが利用できるかもしれませんね。

投資家の視点で考えると、クラウドキッチンや注文プラットフォームのような、個人の企業を後押しできるようなプラットフォームサービスの会社が魅力的に移ります。こうした視点で今後もフードデリバリー市場をウォッチしていきたいです。

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