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小さい組織のマネージャーは『プレイングマネージャー』から離れられない?

10名以下くらいの比較的規模の小さい組織でマネージャーをやっている方に「うちは小さいからマネージャーも現場をやらざるをえないんだよね」とか言われることがあります。

そういう言い方をするくらいなのだから本当は現場を離れてマネージャー専業でいきたいのかと思い、「そんなことないですよ、やり方次第でしょ。」って返答するんですが、「いやいや、そういってもねぇ・・」みたいな感じでそれ以上話が進みません。「いつまでに現場を離れたいんですか?」と聞いても「売上や人が増えてからかなぁ・・」「いまのメンバーがもっと成長してからかなぁ・・」などという始末。

この場合、おそらく本気でマネージャー専業でいきたいって考えていませんね。本気で考えているのであれば、期限を決めてタスクをつくって計画的にひとつずつやっていけばいいだけのことです。「(自然に)できたらいいなぁ」という程度だとおそらくその願望は実現しません。


・・とはいえ、僕も『目的』ができるまでは同じような考えでした。
いわゆる『Goalからの逆引き思考』ではなく、『現状からの積上げ思考』で考えると、「(自然に)できたらいいなぁ」という結論になりがちです。

僕の場合は当時10名程度の部門(自分はプレイングマネージャー)だったときに、ほぼ全員が同じような活動(攻め)をしていたため、あまりにも組織を創る動き(守り)がなにもなされていなかったことに危機感をもったことがきっかけでした。「このままこの活動を続けて最終的に何が残るんだろう?」と考えたときに、仲間がいずれ疲弊して辞めていくイメージしかわかなかったんですね。

仲間のことは好きだったし、彼らの行きつく先がこのまま不幸になってしまうのであればなんとか現状を変えなければいけないと思い、・・とはいえ見渡しても自分以外にその活動ができそうな人はいなかったので、現場から離れようと決断することができました。
このときに『目的』ができたんだと思います。

先般の質問をしてきた方もそうなのですが『目的』が明確じゃないんです。『なぜ(なんのために)プレイングマネージャーをやめてマネージャー専業でいくべきなのか?いく必要があるのか?』が明確になっておらず、必ず実現しなければという覚悟もなければ、そりゃ行動には移りません。
・・なので、まずは『目的』を明確にする必要があります。

マネージャー専業である必要性もないのであれば、そのままプレイングマネージャーとして続けるというのも別にアリです。その代わり「現場を離れられない」とかいうのはやめてもらいたいものです(苦笑)。
※あと、規模を求めていく会社なのであれば、いずれいまのやり方は限界がきます。


『プレイングマネージャー』であっても『マネージャー』という役割を担っているのであれば、少なくとも数名の部下はいるはずです。
※部下0名で『マネージャー』とか言っても意味ないですもんね。

自分以外に数名いるのであれば、役割分担ができる状態ということです。
もちろん、現状の仲間のスキルがまだ戦力にはなっていない(だから自分は現場を離れられない)状態ということもあると思います。
そういう場合は期限を決めてひとつずつ解決をしていくしかありません
教育をして一定程度までの戦力にしていき、少しずつ業務を渡していくというやり方もあるでしょう。ちょっと背伸びして多少高給でも即戦力の人材を採用する方法もあるでしょう。
Goalさえ明確になっていればやり方はいくらでも考えられると思います。
大事なのは本気でそうしたいと思ってひとつずつクリアしていくことです。
※『Goalからの逆引き思考』のために期限は必ず決めた方がいいです。


また、『マネージャー専業になるのが不安なのでプレイングマネージャーを離れられない人』もいます。これ実はけっこう多いんじゃないかな(笑)。
特に現場のエースとして認められてきた人ほど顕著に出てくると思います。現場での実績でみんなから評価&尊敬されていたのに、それがなくなってしまったときに自分に何が残るんだろう?という不安ですね。
※僕もこの気持ちはありました。それもしばらくの期間。

稀に『部下が自分の言うことを聞いてくれるのは、現場で自分の実力をみせられているからだ』という人がいます。要するに自分の実力をもって部下に言うことをきかせているというものです。
わからなくもないのですが・・・実際に経験してきた身としてこれは「そんなことはない」と言えますし、その考えだとまったく組織は成長しません。その考えの人はそもそもマネージャーに向いていないと思います・・。
※そもそも『マネージャー』は現場の実力で指示をする役割じゃないです。

たしかにクリエイター系の企業だと現場での実力(実績)がない人の言うことは聞かないという人も多いように思います。
でもだからといっていつまでも現場にい続けるのとはちょっと違うかなと。

マネージャーになる前から(プレイングマネージャーの期間でも)周囲に実力をみせつけて認知されていた人なのであれば現場を離れても特に問題ないでしょうし、そもそも『現場のエース』と『マネージャー』では役割が違う(そこを理解せずに、混在してしまうとこういう考えに陥りがち)ので、『現場での活躍』ではなくて『マネージャーとしての活躍』をみせないと、どちらにせよいずれ部下は言うことは聞かなくなると思います。
※「この人、現場ばかりやっていてマネージャーとして機能してない」と。

あと、本気でマネージャー専業になりたいと思っていないけど、ただ言っているだけって場合もあります(笑)。現場が大好きで離れたくないけど、上が「専業でやれ」っていうのでなにかしらの理由をつけて長引かせているってパターンです(苦笑)。この場合はもうどうしようもないので粛々と結果に対して評価を出せばいいと思います。


現場で活躍していた人がマネージャー専業でやっていくのってけっこう勇気がいります。同じ組織のなかで役割変更なだけではあるものの、ある意味転職(ジョブチェンジ)しているのに近いです。このため、明確な目的意識と一定の覚悟をもっている人でなければ一歩踏み出すことは難しいでしょう。

でも、よくよく考えればたいしたリスクはありません
マネージャー専業でやってみて、ダメだったらプレイングマネージャーに戻るかマネージャーをやめて現場に戻ればいいだけのことです。
マネージャーを本格的に経験することで自分が今後進む道がみえることもあると思います。

『マネージャーとしての真の覚醒』は現場をやらなくなって退路を断ってからだと思うので、ぜひその機会を与えられている状況にある方にはチャレンジしてみてもらいたいと思います。

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