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『俯瞰(多方面からの視点)でみる』ということ。

俯瞰してみる』という言葉があります。『高いところから見下ろして眺める』というような意味で、自分(目先)のことだけではなく広い視野で全体像や物事を見れるようになるということですね。『優秀な人材』と言われる方は、たいていこのスキルが身についていると思います。

このスキルは仕事の経験を積み重ねることで身についてくるものだと思いますが、身につく人とつかない人がいます。その差ってどこからでてくるものだろう?と思うのですが、僕が思うに『周囲への理解/配慮』と『先を読む力/妄想(想像)力』の掛け合わせからくるものではないかと思うのです。
※『客観的に物事をみる』というのにも似ていますね。

例えば、発言や行動が『自己中心的な人』っていますよね。
これはある意味『俯瞰して(客観的に)自分をみれていない』ということかと思うのですが、自分の周囲にどのような性格の人がいるか理解(把握)ができておらず、また、自分が発言する/行動することによって、周囲や自分にどのような影響がでるかの想像力にも欠けているため、結果として『自己中心的な(配慮ができない)人』ということになっているんだと思います。


『自己中心的な人』でなくても、自分の発言や行動によって誰にどのような影響を与えるかをどこまで想像できるか個人差があると思います。

こちらも例えですが、昨今話題の『リモートワーク』を実施して思いのほか自分にとっては快適な環境だったとします。本人にとっては有事の状況が終了したとしても、今後もそのままリモートワークが続いても何の問題もない、と思うでしょう。同僚ともすでに信頼関係ができているので場所が離れても円滑に連携できるとします。そうなると直近の業務では確かに大きな影響はないですね。でもここで『今後も問題なし』で結論づけてしまうと『全体を俯瞰してみれていない』と思います。
※誤解のないように言うと、ここではリモートワークの是非を問うていませ
 ん。現状のような有事の際のリモートワークはやって然るべきです。

『会社』は様々な人たち(職種/年次/性別/性格/人種/生活環境の違い・・等々)によって構成されています。では『自分』と『同僚』以外の人たちからしても同じ想いだと言えるでしょうか?

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上図をみていただければと思いますが、中央の『自分』と『⑤同僚』が現状でOKだとします。

では『④後輩』はどうでしょう?
隣に座っていたら状況をみてちょっとした質問も気軽にできたかもしれませんが、リモートの状況では相手がいまどんな状況かもわからないので質問することにちょっと躊躇してしまうかもしれません。
新卒や中途採用者であれば、まだ仕事もわからず信頼関係もできていない状況なのでなおさら心理的な壁は高いかもしれません。
※ここは相手の性格にもよりますね。そのためにも相手の環境や性格を理解
 しておくことは大事だと思います。

①社長』『②上司』はどうでしょう?
直近の業務で支障はないのでひとまずOKだとしても、経営者やマネージャーは短期と長期の両方で事業をみます。「メンバーをもっと教育してほしい」とか「新しい仕事/役割をお願いしたい」という期待があってもリモートでは自然に入ってくる情報量が少ないため、任せて大丈夫かどうかの判断がつきにくくなる可能性があるかもしれません。また、目に見えない状況になったことで、評価についても正しくされるのか不安になりますよね。
※環境が変わるのですから、評価される側もいままでと違ったアピールの方
 法が必要になるでしょう。
よく「物事は自分の1~2階層上の立場から考えよう」とか「相手の立場にあになって考えよう」って言いますよね。あれもこの一種かなと思います。

他にも視点としては『③先輩』『⑥異性』からみたときはどうか?という点や、さらに社外(クライアントやパートナー企業等)からみられたときにどうか、といったところまで考えられるかもしれません。もちろん、それらステークホルダー全員が「このままでOK」と思うかもしれません。ただ、直接聞かない限りはそこはもう『妄想(想像)力』の世界なのかなと思います。

ここで大事なのは最初に記載した『自分』と『⑤同僚』までで終わらさずに、『どの範囲まで周囲の人たちのことを考えられるのか?(周囲への理解/配慮)』『いまのまま進むと周囲にどのような影響がでることが予測できるのか?(先を読む力/妄想(想像)力)』ということかと思います。
※『自分がOK=他人にも問題ない』と判断しないようにすべきかなと。

毎回そんなにいろんなことを考えるのは面倒くさいし、全方位に配慮していたらなにもできないとも思いますが(苦笑)、少なくとも『俯瞰してみれる』人たちは自然にパっとこれらのことが頭に浮かんでいると思います。
※浮かんだうえで実行するのと浮かばずに実行するのは雲泥の差です。

そのうえでどのように考えて、どのように発言/行動すべきかを判断&行動できる人が『俯瞰して見れる人』と言われるのだと思います。
※そこまで考えたうえでやはり『問題なし』と判断するのであれば、それは
 ひとつの意見なので良いと思います。

上記の例は『人』にフォーカスしましたが、この考え方は『事業』においても一緒です。自分たちがやっている事業がどの範囲の人や企業、市場までを考えられているのか?このまま進むとどのような影響がでることが予測できるのか?・・・・規模や対象は違えども俯瞰してみることは同じことです。


・・ではどのようにこのスキルを身につけるのかというと、それはもう『考える癖をつける』ことでしかないのかなと思います。
※一朝一夕にできるような解決法はないんじゃないかなと思います。
僕がお勧めなのはフレームワークの『ロジックツリー』と『マインドマップ』です。とくにマインドマップは比較的自由に図示して考えをまとめられるのでお勧めです。僕は若い頃にこの2つのフレームワークを使いまくっていたためか、一つの物事についてそれに付随して出てくる内容を頭の中で描く癖がつきました。使えば使うほどスムーズに考えがまとまるようになるので、とにかく回数を重ねて頭に染み込ませるしかないと思います。

あとは『傾聴』を心がけて、いろいろな人の考えを(否定をせずに)聞きまくることですね。年齢や性別、役職を問わずにいろいろな人の話を聞くと、一つの物事に対して「こんなにも考え方が違うのか」と思います。
※本を読んでいろいろな考えを知るというのでも良いと思います。


『俯瞰してみる』スキルはキャリアアップにも必要だし、危機管理や人間関係にも使える万能的なスキルだと思います。これからの時代、さらに必要になっていくスキルなんじゃないかなと。
(僕もまだまだ未熟ですが)一度身につけると、深く考えるまでもなく自然に自分を中心にして周辺のことに気が付くようになるので、ぜひ練習を重ねて身につけることをお勧めします!

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