見出し画像

仕事は『ひとり』よりも『大勢』の方が楽しい。

僕は仕事はひとりでコツコツやるよりも(ひとりで考えるのは好きですが)、大勢であれこれ考えながらやる方が好きです。若い頃はまったく逆の考えだったのですが、大勢でやる仕事の楽しさを覚えてからは考え方が変わったという感じですね。そんな思考なので、前職を辞めようと考えた際もフリーで活動するとかは初めから一切考えることはありませんでした。
※退職理由が「理想の組織を創ること」なので、そもそもフリーで仕事をし続けるという考え自体がないのですが。

仕事はひとりでやるよりも大勢でやった方が楽しい。
一人でやれることは自分の想定の範囲内(自分で考えたことを自分で形にしていく感じ)でしかありませんが、いろんな人と一緒に仕事をすると当初の予想をはるかに超えた良いものができることがあります。
仕事はアウトプットの出来がすべてなのですから自分でやりたいことをやるのは趣味の範疇にして、(圧倒的な個の力がある人以外は)多様な人の力を借りながらベストなアウトプットを創れる方が良い。みんなでひとつのものを創りあげていくという経緯そのものが楽しいということもありますけど。


前職の現場時代ではクライアントのプロモーションのお手伝いをさせていただくことが多かったのですが、その際もチームを組んで各々の専門スキルを持ち寄ってひとつのアウトプットをつくりあげていました。参加するメンバーはプロデューサー、ディレクター、デザイナー、エンジニア、アナリストと多様なスタッフが集まり、自分の知らない技術や知見が次から次へとチームメンバーから出てくることで自分の力量以上のアウトプットが出せていたと思います。プロモーションでは毎回クライアントの課題も違うし、その都度適切なスタッフも違うので毎回刺激があって楽しかったですね。クライアントの要望に対して優秀な人材が瞬間的に集まり、みんなで自らのスキルをぶつけあってひとつのものを創りあげるという瞬間爆発的な楽しさがありました。これこそ大勢でやる仕事(案件)の醍醐味だったな、と思います。

ただ、プロモーション案件の場合は決められた期間があり、その期間が終了すると苦労して創りあげたアウトプットは世の中から消えてしまう。そしてまた新たに次のクライアントの課題に対しての解決方法を次から次へと創り続けていくということでいえば、刹那的な楽しさが延々と続いていくというものでした。これは良くも悪くも目先の楽しさがずっと続いているという感じなのでその場その場では楽しいのですが、俯瞰してみると『自分たちの将来に向けてなにか積み上げられているものはあるのか?』『なにか残せているものはあるのか?』『これが定年になるまで続くだけなのだろうか?』と疑問に感じていたこともありました。その当時はちょうどマネジメントに片足をつっこんでいたタイミングだったので、仲間たちに対してなにかしてあげられることはないか?と考え始めた時期だった、ということもあります。


代わって、現場から離れてマネジメントや経営の活動の比重が高くなってくると今度は刹那的な楽しさは薄れ、積み上げ式の楽しさが理解できるようになっていきます。マネジメントや経営は数ヶ月や1年で結果がでるものではないので、年数を重ねるたびに自分たちがやったことの成果がジワジワと見えるようになります。いま実行したことは次の年度以降にもつながるので、なにかをやればやるほど積みあがっていき、自分や社員の人生にも貢献(影響)できるものになっていく。この楽しさは案件とはまったく別モノでした。自分たちの生活や将来に関わることを社員たち全員で創っていく楽しさを経験できたのが自分にとっては前職で一番の収穫だったのかもしれないな、と思います。

僕は会社の代表として理想の全体像を考えて周囲の仲間に伝え、それをみんなで一緒に実現していました。ありがたいことに僕のやりたいことを理解してくれた仲間たちは自らの持ち場で独自に活動をしていたものの、それらすべてが僕がやりたいこととマッチした動きになっていたので、僕がいちいち介入する必要もなく、気づけば理想の会社に近づくことができていました。

例えば、初めての地方オフィス(沖縄)を新設した際にも、僕なりに「沖縄オフィスをこうしたい/こうしていきたい」と考えていたのを他の取締役たちやコーポレートのみんな、沖縄オフィスの仲間たちが理解(共感)してくれて、日がたつにつれて沖縄で社会貢献的な活動が増えてきたり、東京オフィスとは異なる色の組織になってきたり、と独自の動きをみせてくれるようになっていきました。そこには仲間たち自身がやりたいことも含まれており、彼らから「こういうことをやりたいんだけど」と言ってきてくれたことが自分がやりたかったことと合致していることも多く、「みんなで一緒に組織を創っていくってこういうことか」と感動したことも何度もありました。自分のやりたいことと仲間のやりたいことがうまくMIXされて、成熟したものが出来上がっていく。こういう楽しみはひとりの世界では味わえなかったなと思います。


上記で記載したように『大勢で仕事をする』にしても案件を実行するような『瞬間爆発的な楽しさ』もあれば、組織を創っていくような『ジワジワ積み上げていく楽しさ』もあります。楽しさの種類は違いますが、大勢で一緒にやるからこその楽しみが味わえるという点では同じです。

僕と同じように退職した人たちのなかには個人事業主になった方も多くいます。僕にはマネできないことなのですごいなぁと思いつつ、僕はやっぱり同じ目的のもとに一緒に積み上げていける仲間たちとワイワイやりながら仕事をしていきたいと考える方なので、今後も仲間を募りながらしっかりと理想の組織をつくっていきたいな、と思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?