ポメラ日記 2020年5月30日(土) オンライン吟行録(カンヌとクレープ)
今日は吟行だ。
吟行というのをご存じだろうか。一言で言うと、みんなで俳句散歩&句会だ。
俳句仲間で一所にあつまり、時間を決めてばらばらにあたりをそぞろ歩いて俳句を作り、その後近くの集会所やらカラオケBoxやら、とにかく腰を落ち着けられるところに集合する。そして持ち寄った俳句の善し悪しをわいわい言い合うのである。
この集会が悪みたいなご時世にとても食い合わせの悪い行事だ。
ということで、今日はZoomでオンライン吟行である。
13:00から、毎年カンヌ映画祭に行っている映画ライターのアヤコさんに、Googleストリートビューでカンヌを案内してもらい、その後集会所(オンライン句会システム)で19:00までに投句。21:00までに選句(自分の好きな句に点を入れる)してそのままZoom句会だ。
午前中、こどもたちをあれこれしてそわそわと過ごした。
十一時ごろにささださんが起きてくる。13:00から一時間ちょっと子どもたちを見てほしい、とはお願いしてあった。
十二時半頃、ささださんがお弁当を買いがてらぱんださんを連れ出してくれる。よんださんを膝に、バーチャル吟行へ出かけた。
アヤコさんが案内してくれたカンヌは、白い扉に青い番地表示のアパートを定宿にして、ちょっとこじゃれた道を抜けて会場にたどり着く、海辺の街だった。すぐそばの公園に、古くて懐かしい感じの回転木馬と、有名な映画の役者さんたちの顔はめパネルがある。
通りの名前がカタカナで、浮かんで表示される。
ちょうど去年のカンヌ映画祭の時期にGoogleカーが通ったらしく、会場の前にスタンバイする記者の人たちやカメラマンの姿も見られた。
それを、東京のあちこちや、京都の方の俳句同人たちと一緒に眺めて、吟行の散歩パートは一時間くらいで解散。
途中、PCのこちら側でささださんが昼食のお弁当を届けてくれておいしくいただいた。なんという贅沢。
その後、アクティビティとして、ささださんの希望でクレープを作る。
クレープ生地をささださんが用意してくれたが、混ぜ方があれでダマダマだったので、ゴムべらですりつぶす。その間にささださんはホットプレートの用意。
中身のカスタードクリームは午前中にわたしが仕込んでおいた。これも用意していた水切りヨーグルトと混ぜ合わせてさっぱりさせる。
フルーツはいちごと、バナナと、キウィ。
ささださんが額に汗して焼いてくれた生地に、ぱんださんがクリームを塗ってフルーツをのせる。
「ぱんちゃんが、やりまーす!」
と宣言していてかわいい。
かわいいまま四つも食べた。お腹大丈夫だろうか。
そんなアクティビティをはさみ、一緒に遊んでいたら気がつけば18:15だった。あと45分で三句、俳句を作らねばならない!
急遽「時間をくれ」と言い残して寝室にこもり、滑り込みで三句でっちあげる。えいやっと投句した。19:00、出そろった俳句の選句をシステム上で行う。
そのまま階下へ駆け下りてごはんを作った。
ぱんださんはたくさん遊んで、お昼寝はしなかったので、これは行けると思っていた。案の定、ご飯を食べている間にうつらうつらしている。
ささださんが抱っこして、階上の寝室に連れて行く。
しばらく静けさが訪れ、わたしはよんださんに離乳食を上げていた。
やがて、階上からとんとんとん、と降りてくる足音。
姿をあらわしたぱんださんに、おとうさんは? と聞くと、
「うえでてねるよ!」
と元気いっぱいに答えてくれた。
その後起きてきたささださんと、子らをお風呂に入れ寝かしつけをし、句会にようやく参加できたのは22:30ごろだった。
途中参加ありのオンライン句会、ありがたい。
そのまま飲み会に流れる感じだったので、冷蔵庫に残っていた日本酒をあけ、ちょっとささださんのウィスキーをちょろまかす。
つまみは、ささださんが買ったものの味が苦手だったというプリングルス エスニック味に、Kiriのクリームチーズをのっけたもの。
俳句の話やら言葉の話しやらただの雑談やらをする時間はすごく楽しかった。ガイドのアヤコさんと、捌きの寝る子さんありがとう。
作った句は
カルーセル一曲分の夏日陰
劇場の扉ひたりと吸い付けり
緑雨きてカンヌの宴ふと寒し
翌日はちょっと胃がもたれていた。
サポートいただくと元気が出ますし、本をためらいなく買う後押しになります。でもお気持ちが一番うれしいです。