地元民視点おすすめ奈良観光① 大神神社編

 奈良県。大阪や京都といった新幹線が停まる駅がある県に隣接した、栄えている場所までは交通の便もそれほど悪くない土地である。教科書に載るレベルの重要文化財の多さから、修学旅行は奈良県行ったよという人も多いだろう。
 しかし、修学旅行生が神社や仏閣巡りに興味があるかと聞かれたらほぼ無いと思う。「奈良といえば?」という質問に「鹿」と答える人の方が多いんじゃなかろうか。いやまあ奈良県が鹿を全方向に売り出してるから仕方のないことではある。

 というわけで、「それなりに有名所だけどあまり行かなそうな所」を完全に個人的な視点で紹介していこうと思う。予算についてはあまり気にしない人向け。テーマパーク並に掛かることはないのでご安心です。
 ただしめちゃくちゃ長くなるので今回は大神神社を中心に周辺を紹介していこうと思う。


大神神社 拝殿へ

 大神神社。日本最古の神社とも言われる、小山信仰の神社である。ここの32.2mもあるクソデカ大鳥居を見ずに奈良県を語るのはもったいない。

 JR奈良駅から万葉まほろば線で下り、「三輪駅」で降りて徒歩5分。駅から行くと右に神社、左に少し行くと大鳥居という形になるのでまずは神社から行くことをおすすめする。

 二の鳥居をくぐると長い砂利坂道を歩くことになるので、運動靴が望ましい。まっすぐ登っていくと左手に夫婦岩があり、そこから更に登ると手水がある。以前は柄杓だったが今はコロナ対策で風情がなくなってしまった。
 そこから階段を登れば、正面に拝殿が見える。大神神社には本殿がないため、この拝殿と左手に進むとある祈祷殿をお参りすることになる。また、右には巳の神杉と呼ばれる杉の巨木があり、ここに卵をお供えして祈れば気候に関する願いが叶うと地元民は噂している。筆者は今の所割と叶ってます。
 また、昨年公開再開した「撫でうさぎ」もおすすめだ。まずうさぎの像を撫で、次に撫でた部位に当たる自身の体の部位を撫でることで、病状回復や能力向上を祈願する。
 祈祷殿より先にも登れるが、三輪山への入り口に辿り着くまでに距離がある。体力がない方はここで引き返して他を回ることをおすすめする。
 健脚な方は道なりに進んだ先にある「狭井神社」で入山手続きを取れば登拝可能なので、無理なく挑んでほしい。

白玉屋榮壽の「みむろ最中」

 大神神社を出て大鳥居に向かう参道には、三輪の地酒や三輪素麺を販売している店が数多くある。嗜まれる方には三室杉という酒をおすすめしたい。
 これまた5分程度は歩くことになるが、近付くにつれ「あれ思ったよりデカくね?」となる大鳥居のすぐ隣。おすすめスポット「名物みむろ最中 白玉屋榮壽 本店」である。

 奈良土産ランキング上位の「みむろ最中」とお抹茶を楽しめる茶寮が併設されており、いつもは箱に8個〜で単品販売していないみむろ最中を試食(?)出来るのだ。
 夏場は葛切りが食べられる。奈良県が誇る特産品である「吉野葛」を使用したものなので、ぜひおすすめしたい。

三輪素麺、どれがいい?

 三輪に来て三輪素麺を食べないのはちょっともったいない。特にこれから熱くなる時期、冷たくつるっといきたい人は多いだろう。しかし、店がそれなりにあるためどこに行くべきか。

 エンタメを求める方にはやはり「三輪そうめん流し」をおすすめしたい。神社と大鳥居の間の参道の踏切すぐそばにあるわかりやすい立地。機械式だが一年中流しそうめんが食べられる。物足りない方へは釜飯もご用意。

老舗の味を求める方には「福神堂」を。大神神社のすぐそば、神社を正面に見て右にある。わかりやすい。ざる・温・冷やしぶっかけから選べる他、柿の葉寿司やチラシ寿司、親子丼などのセットもある。

 素麺製造会社直営店舗なら「千寿亭」をおすすめする。正直……遠い!暑い時期に駅から13分歩かせるのは忍びない……しかし、美味い。直販があるのでお土産も買える。山に登るのはしんどいけどちょっとは運動しなきゃ……と思われる方には向いているかもしれない。

探してみよう、変な自販機

 聞いたことはあるだろうか。三輪には変な自販機があると。個人的にかなりおすすめスポットではあるが、確実に品が置いてあるとは限らないため「何らかのイベントに合わせて来た」という方が対象になるので予めご承知おきください。
 先に上げた「三輪そうめん流し」の店舗前にある自販機は、なんとクレープを販売している。1日に30〜100個程度補充されるため、確実に食べたい方は午前中にはたどり着いてほしい。
 素麺需要が落ちる冬場の対策として設置されているそうだが、バリエーション豊富なクレープや求肥クリーム、焼き芋なんかも置いている。何故焼き芋?
 一応スイーツのテイクアウト販売という形らしい。

おわりに

 ここまで紹介してきたが、三輪駅周辺は田舎町で普段は閑静な町だ。活気付くのは大神神社の神事があるタイミングばかりで、人気がなく寂しい雰囲気もあるかもしれない。
 しかし、日本各地から参拝者が集まる霊験あらたかな神社である。行かなければよかった、とはならないと思うのでぜひ行ってみてほしい。
 体力的に余裕がある方は、近くに「山辺の道」と呼ばれる観光スポットもあるので足を伸ばしてみてはいかがだろうか。天理方面と桜井方面の二方向に行けるが、桜井方面でないと田舎の4駅分歩くことになるため要注意です。

 それでは、また今度。


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