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『書き出し小説大賞』規程部門「ラジオ」で採用されました!

書き出し小説第194回

デイリーポータルZの「書き出し小説大賞」、規程部門「ラジオ」で採用されました!(インターネットウミウシ名義)
ちなみにお題紹介はこんな感じでした↓

ラジオ、それだけで懐かし響きですが、昨今のコロナ禍や災害時には心強いメディアです。また深夜ラジオやFM番組に忘れ得ぬ思い出を持っている人も多いでしょう。どこで聞く、どんな言葉か、さまざまなシチュエーションが考えられると思います。

ラジオが大好きなので、ウキウキしながら書いた。
ちなみに採用されたのはこちら

もっこり侍は、留年ゴリラに番組ステッカーを渡すと「次は負けねえからな」と言って去って行った。

リスナーであり、ライバルでもある二人の真剣さと名前のしょうもなさを出したかった。
正直このラジオネームを考えるのに一番時間がかかった。なので採用されて嬉しかった。

もうひとつがこちら

最終回は録音した。でもいまだに聞けていない。

これは実際に自分がそうだった。
『菊地成孔の粋な夜電波』という番組が大好きで初回から全て聞いていた。いわゆるスーパーヘビー級だった(番組内で階級があるのだ)。
今とは違うラジオネームでメールを出し、一度だけ採用されたこともあった。

終わると知ってからずっと悲しかった。
もっと聞きたい。もっと笑ったり泣いたり、あまりのカッコ良さにゾクッとしたり、住宅環境が許すほどの大音量で幸せな音楽と共に踊りたかった。
終わることが受け入れられず、最終回の放送が終わってから半年ほど聞けなかった。だけどある時、意を決して聞いた。
泣けたけど、それよりも笑えたし何より楽しい気持ちになれた。

ラジオの思い出はここには書ききれないほどたくさんある。
だから今回はかなり愛が爆発して大量の書き出しを送ってしまった。

リクエストがかかった。「ガンダーラ」で踊った。
しゃらくさいFMのしゃらくさいクオカードでチータラを買う。
あの娘の鼻歌は、過払金のCMソングだった。
いつもは拾わない周波数からお経が聞こえる。
中継ではしゃぐ中年は、今日残業してるはずの父だった。
あ、この汚い字、浦賀ペルリの葉書だ。
あの日、全身全霊をかけて送った言葉はステッカーになって帰ってきた。
泣きたいのに、ありったけの言葉で笑わせてくる。

ラジオは家にいる時も外を歩いている時も常に聞いている。
生活に密着しているものだからこそ、思いが溢れてしまう。

ちなみに今回のヘッダー画像は、まさに喋り手であるうめすみ氏が『吹けよ春風』に寄稿してくれた記事で無料配布していたzoom用の背景画像だ。

ちなみに次回のお題は「万能ネギ」。むずかしい。




おまけ。こんなにかっこいいラジオは他にない。


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