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『書き出し小説大賞』規程部門「いい人」で採用されました!

書き出し小説第191回秀作発表

書き出し小説大賞規程部門「いい人」で採用されました!(インターネットウミウシ名義)

果たして私の書き出しは、「いい人」なのか危うい(というかアウトな)塩梅ですが、きっといい人なんだと思います。蹴るし踏むけどいい人!

「いい人」について考える

このお題が出た時から「いい人」について考えていた。
「いい人」という言葉を見て、真っ先に思い出したことがある。

中学の卒業式だ。
担任の先生が最後に教室でクラスのみんなの前で言った言葉が忘れられない。
それは「卒業したらなるべく母校には来るんじゃない」だった。

最初言われた時は「なんてことを言うんだこの人は」と思った。

しかし先生は「卒業後に来てくれるのは嬉しい。だけど、新生活を楽しめているのか心配になるんだ」と続けた。
そして「たまに思い出すだけでいいから、前を向いて新しい環境を楽しんで欲しい」と言っていた。

その言葉を受けて私は、大学生になって中学時代に所属していた野球部のコーチを頼まれるまで母校には行かなかった。

現在の暮らしに不安や不満があると、ついつい昔を懐かしんでしまう。
しかし、そういう時こそこの言葉を思い出してこれから先のことを考えようと思えるようになった。

「いい人」の尺度はひとそれぞれで、それはたった一言でコインの裏表のようにクルクル変わる。
その人が何故その言葉を放ったのか、それを考え想像し続けることが大切なのだ。

言葉を雑に扱うと、人を簡単に傷つけたり失望させたりしてしまう。
誰に向けての、何のための言葉なのか、発する前に考えなければならない。
言葉は免許なく使える危険物でもあるのだ。

「いい人」から大分話が逸れちゃったけど、なんとなくそんなことを思った。

それでは引き続き、ご自愛くださいませ。

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