見出し画像

3月23日(2014)浦和の街で見た無観客試合

あの日のわたしたち 〜浦和レッズ30年〜

2014年3月23日。清水戦。
穏やかな春の日差しと裏腹に、その日の埼玉スタジアムは重苦しい空気に包まれていた。試合前観客のいないスタジアムに響く阿部勇樹の声。
「私たちはサッカーを通じて結ばれた仲間と共に差別とたたかうことを誓います。」
ピッチ上で宣言するキャプテンの姿を見届けて、浦和の街に向かった。

「力」の周りにはたくさんのサポーターが集まっていた。店を囲むようにテレビ局のカメラマンや新聞社の記者も多くいた。私もその時は取材者であったが、あまりそんな気にはなれなかった。前節の広島戦と同じく、サポーターの人たちとただ試合を見守っていたかった。この光景を目に焼きつけたかった。

試合はこの日がリーグ戦デビューになった関根貴大のクロスを原口元気が決めて、1-1で終えた。テレビの中の歓声のないゴールシーンが胸に刻まれた。

3月23日は宇賀神友弥の誕生日でもある。無観客試合の4年後、30歳の誕生日には、初めて日本代表の試合に出場。不慣れな右SBで先発、奮闘したが前半終了間際PKを献上し交代となってしまった。更に4年後の今年は岐阜で迎える誕生日、ホーム開幕戦でのゴール、そして浦和のトレーニングスタジオ開設おめでとうウガちゃん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?