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エクアドル人との思わぬ交流

「エクスキューズミー、このホテルに行きたいんだけど、どう行けばいいのかな?」

日曜日の夕方、品川駅の京浜東北線ホームで電車を待っていると、外国人のおじさんから声をかけられた。娘さんと思われる女の子との、2人組だった。

おじさんは日本語で書かれたホテルカードをぼくに見せた。Googleマップでホテルの場所を調べると、大森駅から徒歩6分ほどだった。

「ちょうどぼくもこの駅で降りるので、ホテルまでお連れしますよ」

「おお、ありがとう」

「Where are you from?」

「エクアドル」

初めて会う国の人だった。

「キト(首都)からですか?」

「ノー、クエンカだよ」

わずか6分間の電車の中で、ぼくはエクアドルに関する持てる情報を必死に思い出そうとしていた。

「このサッカー選手知ってますか?モイセス・カイセドっていう、エクアドル代表の選手で、ぼくの好きな選手なんです(三笘のチームメイトでもある)」

「おお、良い選手だね」

大森駅に着いて、駅ビルの紹介などをしながら外に出て、一緒に歩いてホテルへ向かった。

「娘さんは何歳ですか?」

「今日で15歳だ」

「わたし今日が誕生日なの!」

「おー!ハッピーバースデー!」

「ここは何泊するんですか?」

「1泊だ。明日は大崎に泊まって、それから京都へ行く」

「いいですね。ぼくは一昨日京都にいました」

「本当か! 京都はどうやって行けばいいんだ?」

「品川から新幹線で2時間ちょっとです」

「いくらする?」

「片道14500円くらいです」

「高いな。バスはないのか?」

「京都までバス? 新宿からならあるんじゃないかな」

「バスはいくらだろう?」

「ちょっと待ってくださいね。えーっと、、、あった。バスなら5000円くらいで行けそうです」

「それは素晴らしい」

「だけど8時間半かかりますよ」

「時間は構わない。安い方がいい」

そういう話をしているうちにホテルに到着した。

「本当にありがとう。君の名前は?」

「ヨウタ・ナカムラ」

「ナカムラ!レスリングにナカムラという日本人選手がいたなあ!」

と、おじさんはそこで最も高いテンションになっていた。

「あなたの名前は?」

「エンジェル(Angel)だ」

(天使・・・!?)

「君に会えて良かったよ」

「こちらこそ!Have a nice trip! Enjoy Tokyo and Kyoto!」

何はともあれ、エクアドル人との思わぬ交流となった。

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