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Netflix版『三体』を観終えて

海外ドラマにハマるのが怖くてNetflixには加入していなかったのだけど、先日公開されたNetflix版『三体』が観たくて、先日思わず加入してしまった。

待望のNetflix版『三体』

「『三体』だけ観て1ヶ月で解約しよう」と思っていたが、いざラインナップを見渡すと、ほかにも気になるアニメや映画がたくさんあり、さらには地上波で見逃していた『VIVANT』も見つけてしまい、すでに沼りそうな予感がある。

それはさておき。『三体』とは、シリーズ累計発行部数が全世界で2900万部を突破した中国発のSF小説である。この2900万部という数字も2019年時点でのものなので、それから5年が経ち、さらにどれだけ売れたのかわからない。

オリジナルの小説は、『三体』『三体Ⅱ 黒暗森林』『三体Ⅲ 死神永生』の3部作になっている。

『三体』3部作

日本で小説『三体』が発売されたのは、2019年。当時周囲でも「おもしろすぎる」と話題になっていて気になったが、ぼくは先延ばしにしてしまい、初めて読んだのは1年後の2020年のことだった。

読み始めたら止まらなくなり、

「生きているうちにこの作品を読めて良かった」

と思った。もっと早く読めば良かった。人生でこんなにワクワクして、夢中になれた読書体験はなかった。

そしてそのままの勢いで、2020年に発売された『三体Ⅱ 黒暗森林』を上下巻一気に読んだのだが、これは前作を遥かに超える壮大なスケールで物語が展開して、興奮度はさらに増した。

さらに1年後の2021年には最終刊の『三体Ⅲ 死神永生』が発売され、物語は完結した。

作者・劉慈欣(りゅう・じきん)の発想力と構想力、それらを支えるあらゆる分野への知識は恐ろしく、「ひとりの人間がここまでの世界観を生み出せるものなのか」と畏怖の念さえ抱いた。

物語の展開に驚かない読者はいないだろう。21世紀を代表する傑作であることは間違いない。歴史、政治、科学、宇宙、戦略……と様々な要素が盛り込まれた「教養書」でもある。

だからこの作品がNetflixで映像化されるというニュースが発表されたときから、「『あのシーン』はどんな風に再現されるのだろう?」と公開を心待ちにしていた。

そして今日、公開されているシリーズ1の全エピソード(1〜8話)を観終えた。

Netflix版の『三体』は、ストーリーが完全に再構成されていた。ぼくはてっきり、今回は初代『三体』が映像化されて、また時間を置いて『三体Ⅱ』『三体Ⅲ』のエピソードが順に公開されていくのかと思っていたが、そうではなく、『三体』3部作のストーリーやキャラクターが最初からミックスされているのだ。

長い時間をかけて読む分厚い小説とは異なり、最初は展開やテンポの速さに少し戸惑ったのだけど、慣れてくると「これはこれですごい構成だな」と製作陣の仕事に恐れ入る。

原作を読んだことがなくドラマから入った友人には、このテンポの良さが好評のようだった。ぼくもこれはこれで楽しめた。別物だけどちゃんとおもしろい。

ただ、ドラマだけを観て、細かな設定や背景まで一度に理解するのはかなり難しいと思われた。

もちろん読むのに時間はかかるけれども、ドラマで少しでもおもしろさを感じたならば、ぜひ小説版『三体』も読んでみてほしい。最近文庫化され、読みやすくなっているし、個人的には小説版『三体』はドラマより遥かにおもしろいと思っている。


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