ドバイの旅(4)古き良きドバイと、ディープなローカルフード探訪
ドバイフレームの観光を終えて、今度は「アル・ファヒディ歴史地区」の散策をした。アラビア湾の海水が流れ込むドバイクリーク沿いにあるエリアで、古き良きドバイを感じさせる昔の建築が残されている。
これまでずっと近代的な高層ビル群を眺めていたので、急に古い時代のアラブ圏に降り立ったかのような、そんなコントラストを楽しめる。
そこから「アブラ」と呼ばれるボート船に乗って、ドバイクリークの対岸に渡る。これも風情があって良い体験になった。
降り立ってすぐのところに、ドバイのスパイスマーケットが広がっていた。ここで少し自由時間となったので、ガイドさんおすすめのお店で、残りの欲しかったスパイスを全部購入した。ブラックペッパー、カルダモン、サフラン、シナモン、バニラパウダー。
ただ、バニラパウダーと思って買ったものは、実際にはバニラシュガーだった。自分で判断ができれば気付けたのだろうけど、バニラパウダーがどんなものかよくわかっていなかった。まあ仕方ない。
でも、それ以外は良い品質のものをお得に買えたので良かった。とくにカルダモンは、粒が大きくて母がびっくりしていた。以前トルコで買ってきたというカルダモンを見せてもらったら、それは粒が半分か3分の2くらいの大きさだった。ドバイのカルダモンで作ったチャイはおいしかった。
夜はインド人のアルバさんとともに、「フライングパンツアー」というローカルフードを巡るツアーに参加した。ひとりではちょっと立ち入るのに勇気が要るようなローカルエリアを巡り、地元の人が実際に食べている「食」を経験する、かなりディープでおもしろいツアーだった。
アルバさんが小さい頃から食べていたソウルフード的なものを食べながら、ドバイの歴史など、様々な話を聞いた。
スパイスマーケットで、実際にスパイスやフラワーを眺めながら「これは何で、どういう用途で使われる」みたいな話も勉強になった。ウコンは傷を治すために使われたり、インディゴは染料として使われたり。
あとサフランは150gの花からたったの1gしか取れなくて、だから高級なんですよという話もあった。ほかのスパイスは200g単位とかで売っているなか、サフランはスーパーでも1gで1000円くらいしたから、「なんでこんなに高いのだろう?」と疑問に思っていた。その謎が解けた。
クレープみたいな料理は、店のおじさんが電話しながら器用に焼いて、その日本ではあり得ない雑な感じも、逆に中東らしさを感じられて良かった。
薄く焼いた生地に、アンチョビのソースとかいろんなソースを使って食べた。おいしかった。
それから、イランの伝統的なスイーツである「ファールーデ」というものを食べた。麺状のかき氷で、不思議な食感と味だった。
最後にまた船でドバイクリークを渡って、インド人街に足を踏み入れたのだけど、まるで本当にインドに来たかのような衝撃のインド人の多さ。ガイドの鈴木さんによれば、ドバイの人口は360万人で、その3分の1にあたる約120万人がインド人だそう。それも頷けるくらい、狭い路地にインド人たちが密集していた。
最後にケバブを食べて、このディープなツアーは終了した。ひとりでは味わえない、稀有な体験だった。
余談だが、ドバイは人口の9割が外国人だから、「公用語」であるはずのアラビア語がほとんど通じないのだそうだ。おもしろい都市である。
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