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交通事故をなくすためには(3)歩行者飛び出しへの備え

見通しが悪い細い道を高速で通過するドライバーは多い。そういうドライバーはその道に慣れており、警察もいないことが分かっているので、いつも高速で通過する。ただ、その速度では歩行者の飛び出しには対応できない。

免許取り立ての状態だったり、初めて通る道というのは慎重に走るものだ。でも急いでいたりして一度スピードを出して大丈夫なことが分かると、次からも同じようにスピードを出し、スピードの出しすぎは常習化していく。

歩行者が飛び出したら対応できないスピードがその人にとって普通になっているが、歩行者の飛び出しは頻繁にはないので事故にならない。そしてたまに歩行者の飛び出しがあると重大事故につながる。​

飛び出しで多いのは、まだ経験が少ない小学1~2年生が最も多い(千葉県警、小学生の歩行中における交通事故の特徴について)。

こうならないように、各道路に速度制限があり、警察の取り締まりがあるのだが、警察も一部の道路でしか取り締まっておらず、それをドライバー側も分かっているので、取り締まりのない道路では常習的な速度オーバーが横行している。​

歩行者側にも過失がある場合が多いが、まだ経験が少ない小学1~2年生が最も多い。(千葉県警、小学生の歩行中における交通事故の特徴について)親が目を離した隙に飛び出すというのは、どうしても発生してしまうため、車側も気を付ける必要がある。​​

歩道と車道の間にガードレールを設けることは飛び出しを防ぐ意味で有効であるが、すべての場所に設置するのが難しかったり、ガードレールの切れ目からの飛び出し、横断歩道での飛び出しなども考えられる。横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいるときは車は必ず一時停止する必要があるが、スピードを落とさないドライバーも未だに多いし、そもそも歩行者に気づかないことも多い。​

​スピードの出しすぎを防ぐ対策の一つに道路インフラの整備がある。特に横断歩道の部分の道路を盛り上げることにより、車が減速することを促すことができて非常に有効である。この盛り上がっている部分はハンプと呼ばれ、最近多くの場所に導入されてきている。

​https://www.iatss.or.jp/visionzero/taisaku/index.html

また、欧州では速度取り締まり機を住宅エリア含めて多くの場所に設置しており、超過速度も日本のように15km/hとかではなく、3km/hという非常に厳しくしている国もあるようだ。

驚くべきは、欧州では車が標識を自動で読み取り、速度を制限速度以下に自動で抑制する機能(ISA: Intelligent Speed Assistance)が2022年から義務化されるというのだ。これがあれば制限速度30km/hのところを60km/hで走るような危険な運転ができなくなるということで、非常に期待できる。ただ、日本でこれが導入されるかは今のところ分からない。(検討はされているようだ。)

速度制限をしたから事故がなくなるわけではないが、少なくとも各道路の制限速度は事故を防ぐためにそれなりに検討されて決められているので、制限速度を守ることは事故を防ぐための大前提になる。

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