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マイバッグやマイボトルを持ち、安いエネルギーや商品を買い求めるという矛盾

 NPO法人あそびそだちiLabo(運動あそび塾しらさん家)の参加者のみなさんへお配りしている「ササめがね通信」をこちらに掲載しています。
(1月号 No57.2021年12月20日発行より)​

​親子で登ってみませんか

 「頂上からの景色が見たいからです」スタッフの久田(ルティ)は、毎週のように山へ登る理由をそう語ります。そのルティの担当で“親子で登山”という取り組みを始めました。初開催のVol.1は、12月5日に5組のビギナー家族と八石山へ登りました。本格的な冬到来直前でしたが、天候もよく、うっすらと雪化粧をした頂上で味噌ラーメンをすすり、食後に大人はコーヒーを、子どもはココアを味わいました。山を登っていると、呼吸の深まり、体温の上昇、筋肉への負荷、風の音、美しい景色、思い切り吸い込みたくなる空気など、体中の感覚が刺激されます。やがて頭の中からは雑念が薄らぎ、一歩一歩、歩みを進めることに集中していきます。そして頂上に到達した時の解放感は何物にも代え難く、また下山し終えた後の安堵感と充足感は日常では味わえないものです。

 「あまり経験がないけど機会があれば親子で山に登ってみたいなぁ」という方もおられると思います。そんなご家族のために来年もこの“親子で登山”シリーズを続けていきたいと思います。久しぶりだとたしかにきつさもあります。でも、ただただ身体を駆け巡る感覚を感じてください。余計なことを考えずに、親子で時間を共有する、そんな経験を楽しんでください。年明けには、かんじきを履いて軽い山登りを兼ねたスノーハイクを計画しています。

SDGsを考える前に気が付きたいこと

 さて話が変わりますが、持続可能な開発目標[SDGs]という言葉が、今年は一段と広がってきました。「誰一人取り残さない」という考えのもと、色鮮やかなデザインと共に17種類の目標を掲げ、今や毎日のようにメディアで見かけます。最初にどこが言い始めたのか?それは国連です。たしかに大切なことを掲げています。しかし私は、この多様な世界で、全世界共通の目標を掲げるのは無理があるように感じます。とくに、海外に比べて気候危機や人道支援への関心が薄い(と私は感じる)日本では、言葉がひとり歩きしているように見えます。今や学校教育にも入り込んできていますが、果たして意味があることなのかは疑問です。

 山登りのすばらしさを経験した人は、山を切り開いてソーラーパネルを作ったりはしたくないと思います。海を愛する人は、海にマイクロプラスチックが溢れていることに心を痛めていると思います。しかし個人の思いとは別の所で開発は進み、山が切り開かれたり、大量のプラスチックが作り出されては廃棄されたりしています。ではお金を儲けようとしている企業が悪いのでしょうか?いえ、そうやって作り出された便利で安いエネルギーや商品を買い求めているのは多くの消費者です。マイバッグやマイボトルを持てばSDGsに当てはまるからそれでOKだと思っているとしたら、それは情報に踊らされていて、いつもの消費行動の中で少し罪悪感を緩和しているにすぎません。国もその程度のことで気候危機は止められないことは分かっていますが、「エネルギーをどう作り出すか」という議論はしても「消費エネルギーをどう減らすか」という議論にはなりません。国民に対して「消費を減らしましょう」とか企業に対して「生産を減らしましょう」とは言えないのです。それは、この資本主義社会の仕組みそのものが経済成長を追い求めるものだからです。私たちは、原始的な生活に戻ることはできません。しかし、今私たちは、こうした矛盾を抱えた時代を生きているのだ、ということにまずは気が付き、ひとりひとりが大切にしたいことを尊重し合いながら、個人が行動していく時代だと思うのです。

\\ルティが山登りの様子などを配信中//

〇インスタグラム → @ryuhei12
〇YouTubeチャンネル → Ryu hisata

≪SDGsの前に読んでほしい絵本を店頭販売中≫

「買い物は投票なんだ」
「earthおじさん46億歳」
(もう少しでアニメーション化されます!)

 さあスマホの画面を閉じて、一緒に、自分の足で、自然の中へ出掛けてみましょう!

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